1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

Cognos AnalyticsでDISK容量見積もりに注意が必要な新機能

Posted at

概要

Cognos Analyticsになって、セルフサービスBIの機能が新機能として使用可能になっていますが、これらの機能をエンドユーザーが自由に使用する事になった場合に、どこかにデータがどんどんたまって、大量にディスク容量を使用する事が無いのだろうか、というのを、Cognos Analyticsの設計を行う際に心配だったので、自分で検証してみました。

新機能とは、具体的には、以下の2つの機能になります。

ファイルのアップロード
ExcelやCSVファイルなどを、エンドユーザーがCognos Analyticsに自由にUploadして、ダッシュボードなどに使用する機能です。
アップロードしたファイルは、どこに保管されるのでしょうか?
001.PNG

データ・セットの作成機能
Framework Managerで作成したパッケージの中から、パッケージの一部分をデータごと保管しておいて、ダッシュボードなどに使用する機能です。
こちらもどこに保管されるのでしょう?
002.PNG

ちなみに、新機能には以下のような機能もありますが、今回検証してみた結果、これらの機能は特に目立ったDISK容量の使用は見られなかったので、結果からは割愛します。

データ・サーバーの機能
FMパッケージを通さなくても、エンドユーザーが直接データベース上のテーブルのデータにアクセスできます。
003.PNG

データ・モジュールの機能
エンドユーザーが、簡単なデータモデリングを行える機能です。
Framework Managerを非常に簡易化して、ブラウザで動くようにしたイメージです。
004.PNG

結果

Cognos Analytics 11.0.6での検証結果です。データソースやContent Storeは、DB2 10.5です。
データは以下のようなイメージのデータを自作し、検証に使用しました。
下は100万件で30MB程度の容量で、ExcelファイルやDB2テーブルに挿入して検証しました。
image.png

ファイルのアップロードの検証結果
・100万件(30MB)アップロード

自分の環境では、アップロードに45秒程度でした。
この間の30秒間くらい、2コアのCPUで50%~100%使用しました。

ファイルシステム増加は、
/opt/ibm/cognos/analytics/temp/cm配下に、約6MBのCM_*.tmpファイルが生成されました。
/opt/ibm/cognos/analytics/data/datafiles/datasetCache/の下のディレクトリに、約6MBの*.dataファイルが生成されました。

ContentStore表スペース増加は、約8MB増加しました。

・300万件(96MB)アップロード
アップロード時間は、70秒程度でした。
リニアに増加するわけでは無いようです。

ファイルシステム増加は、
/opt/ibm/cognos/analytics/temp/cm配下に、約13MBのCM_*.tmpファイルが生成されました。
/opt/ibm/cognos/analytics/data/datafiles/datasetCache/の下のディレクトリに、約19MBの*.dataファイルが生成されました。

Content Store表スペース増加は、約40MB増加しました。

・300万件ファイルを、上書きでアップロードした場合
アップロード時間は、100秒程度。
/opt/ibm/cognos/analytics/data/datafiles/datasetCache/の下のディレクトリに、約19MBの*.dataファイルが更新アップロードのたびに生成されました。

Content Store表スペースは、増加しませんでした。

・結論
/opt/ibm/cognos/analytics/temp/と/opt/ibm/cognos/analytics/data/のファイルシステムの容量見積もりは注意です。
特に、/opt/ibm/cognos/analytics/data/は、更新アップロードでの上書きでも増加の一途を辿るので、日々の最新データをアップロードするような環境では、非常に見積もりに注意する必要があります。
Content Storeの容量も大きく増加しますが、圧縮はされているようで、96MBデータが40MB表スペース領域に収まりました。

データのアップロード機能が要件にある場合は、是非見積もり時に参考にして見て下さい。

データ・セットの作成機能

・1000万件(300MB)のデータ・セットを作成した場合
100万件の検証では動きが良くわからなかったので、1000万件で検証しました。

データ・セットの作成を行うと、10秒程度で完了メッセージが返ってきますが、実際にCognosサーバーの動きを見ていると、バックグラウンドでその後10分くらいかけてデータ・セットを生成している動作になりました。
10分間の間、CPUが1コア独占されました。

ファイルシステム増加に関しては、非常に特徴的な動きになり、
tempやdataフォルダにはほとんど変化無しでしたが、完了メッセージが返った時点でDBパス配下が1.2GB増加し、それから10分程度かけて徐々に低下し、最終的に128MBの増加まで低減しました。

ContentStore表スペース増加は、128MB増加なので、300MBデータが最終的にはここに収まったようですが、一時的にDBパスを大量に使用するようで、300MBの処理に1.2GBの領域を必要としました。

・結論
作成されるデータセットが保管されるContent Storeの表スペース領域だけでなく、作成処理中に使用される一時的な容量を、最大データセット容量から少なくとも4倍以上を確保しておいた方が良さそうです。

検証してみると、色々と発見しますね。
Cognos Analyticsで、これらのセルフサービス系の新機能を使用する時には、是非参考にして、DISK容量の見積もりを慎重に行って頂ければと思います。

1
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?