こんにちは。私はFlashForge Adventurer 5M ProとAdventurer 3の2台の3Dプリンタを保有しています。いつもモデルスライサとして標準のFlashPrint5を使って印刷をしていますが、パラメタの違いがよくわからずあまりこれまでパラメタをいじってきませんでした。ですがどうしてもパラメタをきちんと理解する必要が出てきました。そこでGPT-4oのサポートをうけ、FlashPrint5パラメタ説明書を書いてみました。当初自分で理解するためのメモのつもりで作っていましたが、公開すると参考になる人もいるのではないかと感じましたので公開します。ページ内検索して参照していただければと思います。
- バージョン:
- FlashPrint5の5.8.6 (mac版)を参考に記載しています。(2024/08/01時点の最新版)
- 注意:
- 日本語のパラメタ名称とマウスオーバーで出てくるToolTipを参考に、私とGPT-4oが想像して記載しています。全ての挙動を確認して書いているわけではありません。
- パラメタの内容について、私が誤って理解している部分もあるかもしれません。見つけたら指摘していただければと思います。
- いくつかのパラメタは、設定内容によっては別のパラメタが出現するものもありますが、私がよく使う設定で見えているパラメタについてのみ、説明を書いています。
- 情報は網羅的に記載しています。ですが挿絵がないのでつまらないかもしれません。
1. プリンタ全般の設定
1.1 プリンタの種類 (#プリンタ選択)
- パラメタの正式名称: プリンタ > プリンタ種類
- 実際の設定値の例: Adventurer 3 Series, Adventurer 5M Proなど
1.2 ノズルの直径 (#印刷精度向上)
- パラメタの正式名称: プリンタ > ノズル径
- 実際の設定値の例: 0.4 mmなど
1.3 プリンタ > 樹脂の種類
1.3.1 フィラメントの種類 (#素材選択)
- パラメタの正式名称: プリンタ > 樹脂の種類 > 素材
- 実際の設定値の例: Flashforge-PLAなど
1.3.2 フィラメントの直径 (#精度調整)
- パラメタの正式名称: プリンタ > 樹脂の種類 > 太さ
- 実際の設定値の例: 1.75mmなど
1.4 スライスプロファイル (#プリント品質向上)
- パラメタの正式名称: プリンタ > スライスプロファイル
- 実際の設定値の例: 細かい, 標準など
1.5 プリントヘッドの温度設定 (#接着強度, #温度制御)
- パラメタの正式名称: プリンタ > ヘッド温度
- 実際の設定値の例: 225℃など
- このパラメタ「ヘッドの温度」は、プリント中のヘッド温度を設定するためのパラメタです。温度を高めに設定すると、フィラメントの流動性が増し、層間の接着が強化されるため、プリントがより強固になりますが、過度に高い温度では糸引きやオーバーフローが発生しやすくなります。温度を低めに設定すると、フィラメントの流出が抑えられ、糸引きが減少するため、細部の精度が向上しますが、接着が弱くなる可能性があります。適切な温度設定は使用するフィラメントの素材によって大きく異なるため、フィラメントの取扱説明書に記載された推奨温度を参照して設定することが望ましいです。これは適切な印刷を行うために用意されたパラメタで、使用するフィラメントの種類やプリント条件に応じて変更を検討するとよいでしょう。
1.6 ビルドプラットフォームの温度設定 (#プリント安定化, #温度制御)
- パラメタの正式名称: プリンタ > プラットフォーム温度
- 実際の設定値の例: 50℃など
- このパラメタ「プラットフォーム温度」は、3Dプリント時にプリントベッド(プラットフォーム)の温度を設定するためのパラメタです。使用するフィラメントの種類によって適切な温度が異なります。例えば、PLA(ポリ乳酸)を使用する場合、プラットフォーム温度は一般的に50°C前後に設定されます。これは、PLAが比較的低い温度でプリントできるためであり、プラットフォーム温度を低く保つことで、フィラメントが適切に定着しつつも反りが少なくなります。一方、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)を使用する場合、プラットフォーム温度は一般的に100°C前後に設定されます。ABSは高温でプリントする必要があり、高温のプラットフォームによりフィラメントが定着しやすく、プリント中の反りを防ぎます。このように、プラットフォーム温度は使用するフィラメントの種類に応じて調整することが重要であり、各フィラメントの特性に最適な温度設定を行うことで、高品質なプリント結果が得られます。
1.7 温度設定リスト (#温度管理)
- パラメタの正式名称: プリンタ > 温度管理リスト
- 実際の設定値の例: Onなど
- 造形品質を向上させるために、レイヤー毎に印刷温度を設定します。
1.8 制御モジュール (#制御設定)
- パラメタの正式名称: プリンタ > 制御モジュール
- 実際の設定値の例: 右ヘッドなど
- 温度制御する必要のあるモジュールを選択します。選択後に実行すれば印刷中に機能します
2. 一般的な3Dプリント設定
2.1 一般的な > 積層ピッチ
2.1.1 積層モード (#積層品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 積層ピッチ > 積層モード
- 実際の設定値の例: 固定レイヤー高など
2.1.2 積層厚み設定 (#積層精度向上, #層厚調整)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 積層ピッチ > 積層ピッチ
- 実際の設定値の例: 0.12mm, 0.20mmなど
- このパラメタ「積層ピッチ」は、積層する層の高さを設定します。数値が小さいほど積層する層が薄くなり綺麗に仕上がりますがプリント時間が長くなります。例えば0.12mmに設定すると積層する層が非常に薄くなり、プリントの仕上がりが非常にきれいになりますが、プリント時間が長くなります。また例えば0.20mmに設定すると積層する層がやや厚くなり、プリントの仕上がりは標準的ですが、プリント時間は短縮されます。これはプリントの精度と時間のバランスを調整するために用意されたパラメタで、プリントの精度が要求される場合や時間が限られている場合には変更を検討するとよいでしょう。
2.1.3 モデル一層目の厚み (#初層品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 積層ピッチ > モデル一層目の厚み
- 実際の設定値の例: 0.20mm, 0.30mmなど
- このパラメタ「モデル一層目の厚み」は、高精度でプリントを行なう場合の第一層目のレイヤー値を設定します。値が大きいほどベッドによく粘着します。例えば0.20mmに設定すると、ベッドへの粘着性が良くなり、プリントが安定しやすくなります。また例えば0.30mmに設定すると、さらに粘着性が増し、非常に安定したプリントが可能になります。これはプリントの開始時にモデルがベッドから剥がれないようにするために用意されたパラメタで、プリントの初期段階でモデルが安定しない場合には変更を検討するとよいでしょう。
2.2 一般的な > スピード
2.2.1 樹脂押出中のヘッド移動速度 (#押出速度)
- パラメタの正式名称: 一般的な > スピード > 樹脂を押し出し中の速度
- 実際の設定値の例: 40mm/s, 300mm/sなど
- このパラメタ「樹脂を押し出し中の速度」は、プリントする際のヘッドの移動速度、その後のプリントの基準スピードを設定するためのパラメタです。例えば40mm/sに設定すると、比較的遅い速度で樹脂が押し出されるため、精度の高いプリントが可能になります。また例えば300mm/sに設定すると、非常に高速で樹脂が押し出されるため、プリント時間が大幅に短縮されますが、精度はやや低下する可能性があります。これはプリントの速度と精度のバランスを調整するために用意されたパラメタで、精度が重視される場合やプリント時間を短縮したい場合には変更を検討するとよいでしょう。
2.2.2 樹脂未押出時のヘッド移動速度 (#移動効率向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > スピード > 樹脂を出していない時の速度
- 実際の設定値の例: 70mm/s, 500mm/sなど
- このパラメタ「樹脂を出していない時の速度」は、樹脂が出力されない場合のヘッドの移動速度を設定するためのパラメタです。例えば70mm/sに設定すると、ヘッドが比較的遅い速度で移動するため、ヘッドの動きが安定しやすくなります。また例えば500mm/sに設定すると、ヘッドが非常に高速で移動するため、プリント時間が大幅に短縮されますが、移動中の振動が増える可能性があります。これはヘッドの移動時間を短縮し、プリントの効率を向上させるために用意されたパラメタで、移動時間を短縮したい場合や移動中の安定性を重視する場合には変更を検討するとよいでしょう。
2.2.3 樹脂押出し時のヘッド移動の最低速度 (#最低速度設定)
- パラメタの正式名称: 一般的な > スピード > 樹脂押し出し時の最低速度
- 実際の設定値の例: 5mm/s, 20mm/sなど
- このパラメタ「樹脂押し出し時の最低速度」は、樹脂が押出される場合のヘッドの最小移動速度を設定するためのパラメタです。これは、特に細かいディテールを必要とする部分や、精度が重要な部分での移動速度を管理します。例えば5mm/sに設定すると、非常に低速で樹脂が押し出されるため、細かいディテールや高精度のプリントが可能になります。また例えば20mm/sに設定すると、やや高速で樹脂が押し出されるため、プリント時間が短縮されますが、精度は若干低下する可能性があります。これは、全体の移動速度を管理する「樹脂を押し出し中の速度」とは異なり、精密な作業が必要な部分での最低速度を設定するために用意されたパラメタで、高精度が要求される部分やプリント時間を短縮したい部分には変更を検討するとよいでしょう。
2.2.4 一層目の樹脂押出時のヘッド移動の最高速度 (#初層安定化)
- パラメタの正式名称: 一般的な > スピード > 一層目の最大速度
- 実際の設定値の例: 10mm/s, 60mm/sなど
- このパラメタ「一層目の最大速度」は、プリントの第一層目におけるヘッドの最大移動速度を設定するためのパラメタです。例えば10mm/sに設定すると、非常に低速でプリントの第一層目が行われるため、ベッドへの粘着性が良くなり、安定したプリントが可能になります。また例えば60mm/sに設定すると、やや高速で第一層目がプリントされるため、プリント時間が短縮されますが、ベッドへの粘着が不十分になる可能性があります。通常、このパラメタはモデルが直接ベッドにプリントされる場合に有効です。しかし、ラフトが使用される場合、このパラメタは無効となり、ラフトの設定が優先されるため、特に気にする必要はありません。これはプリントの開始時にモデルがベッドにしっかりと粘着し、安定したプリントを行うために用意されたパラメタで、特に大きなモデルやベッドへの粘着性が重要な場合には変更を検討するとよいでしょう。
2.2.5 一層目の樹脂未押出時のヘッド移動の最高速度 (#初層安定化)
- パラメタの正式名称: 一般的な > スピード > 一層目最大移動速度
- 実際の設定値の例: 70mm/s, 100mm/sなど
- このパラメタ「一層目最大移動速度」は、プリントの第一層目におけるヘッドの最大移動速度(樹脂を出していない時の速度)を設定するためのパラメタです。例えば70mm/sに設定すると、ヘッドが比較的遅い速度で移動するため、ベッドに対する衝撃を軽減し、プリントが安定します。また例えば100mm/sに設定すると、ヘッドが高速で移動するため、プリント時間が短縮されますが、ベッドに接触した場合に破損するリスクが増加します。通常、このパラメタはモデルが直接ベッドにプリントされる場合に有効です。しかし、ラフトが使用される場合、このパラメタは無効となり、ラフトの設定が優先されるため、特に気にする必要はありません。これはプリントの開始時にヘッドがベッドに近接している状態での高速移動による破損を防ぐために用意されたパラメタで、特に第一層目での安定性と安全性を確保したい場合には変更を検討するとよいでしょう。
2.2.6 初層低速設定 (#初層安定化)
- パラメタの正式名称: 一般的な > スピード > 最初のいくつかのレイヤーのプリント速度を遅くする
- 実際の設定値の例: 0, 1など
- このパラメタ「最初のいくつかのレイヤーのプリント速度を遅くする」は、プリントの初期段階におけるレイヤーのプリント速度を遅くするためのパラメタです。例えば3に設定すると、2層目から4層目までの3層分は設定した低速でプリントが行われます。これは、最初の数層でプリントの安定性を向上させるためのものです。また、ラフトが使用される場合、このパラメタは無効となり、ラフトの設定が優先されるため、特に気にする必要はありません。これはプリントの初期段階での安定性を確保し、モデルの定着を向上させるために用意されたパラメタで、特に大きなモデルや複雑な形状のモデルをプリントする際には変更を検討するとよいでしょう。
2.2.7 初層印刷時のヘッド移動の最高速度 (#初層安定化)
- パラメタの正式名称: 一般的な > スピード > 最初のいくつかのレイヤーの最大プリント速度
- 実際の設定値の例: 30mm/s, 120mm/sなど
- このパラメタ「最初のいくつかのレイヤーの最大プリント速度」は、プリントの初期段階におけるレイヤーの最大プリント速度を設定するためのパラメタです。例えば30mm/sに設定すると、2層目から設定した層数分のレイヤーまでのプリント速度が最大30mm/sに制限されます。また例えば120mm/sに設定すると、同様に2層目から設定した層数分のレイヤーまでのプリント速度が最大120mm/sに制限されます。これは、プリントの初期段階で安定性を向上させるために用意されたパラメタです。ラフトが使用される場合、このパラメタは無効となり、ラフトの設定が優先されるため、特に気にする必要はありません。特に大きなモデルや複雑な形状のモデルをプリントする際には、このパラメタを変更して初期段階の安定性を確保するとよいでしょう。
2.3 一般的な > オーバーハング部分の低速化
- オーバーハングは、モデルの一部が下部のサポート材なしで斜めに突き出している部分を指し、フィラメントが垂れ下がりやすいという特徴があります。フィラメントの定着を助けるために、オーバーハング角度に応じて速度を遅くしたり冷却を強化することで、印刷品質を高めることができます。類似の構造にブリッジというものがあります。ブリッジはモデルの一部が両端から支えられて水平に空中に浮いている部分を指し、両端から橋渡しされる形でフィラメントが印刷されます。オーバーハングとブリッジは、どちらもサポート材がないと印刷が困難な部分に対して、サポート材なしで無理して印刷するため注意が必要な部分です。
2.3.1 オーバーハング低速化設定 (#オーバーハング品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > オーバーハング部分の低速化 > オーバーハング部分の低速化を有効
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「オーバーハング部分の低速化を有効」は、プリント中に造形物のうち空中に浮いている部分に対して印刷速度を低速にする機能を有効にするためのパラメタです。オーバーハングとは、造形物のうち空中に浮いている部分のことで、支持力が弱いため、崩れたり垂れたりする可能性が高い部分です。例えば「はい」に設定すると、オーバーハング部分の印刷速度が自動的に調整され、各オーバーハング角度に応じて異なる速度で印刷されます。これにより、オーバーハング部分の印刷品質が向上し、垂れ下がりや変形が減少します。オーバーハング部分の角度に応じて適切な速度に分けられるため、印刷が安定します。これは特に複雑なモデルや大きなオーバーハング部分がある場合に有効で、これによりモデル全体の品質を向上させることができます。オーバーハング部分の品質が重要な場合には、このパラメタを「はい」に設定するとよいでしょう。
2.3.2 75%オーバーハング印刷時のヘッド移動の最高速度 (#オーバーハング品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > オーバーハング部分の低速化 > オーバーハングが75%を超える場合の最大速度
- 実際の設定値の例: 50mm/s, 20mm/sなど
2.3.3 50%オーバーハング印刷時のヘッド移動の最高速度 (#オーバーハング品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > オーバーハング部分の低速化 > オーバーハングが50%を超える場合の最大速度
- 実際の設定値の例: 80mm/s, 30mm/sなど
2.3.4 25%オーバーハング印刷時のヘッド移動の最高速度 (#オーバーハング品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > オーバーハング部分の低速化 > オーバーハングが25%を超える場合の最大速度
- 実際の設定値の例: 100mm/s, 40mm/sなど
2.3.5 10%オーバーハング印刷時のヘッド移動の最高速度 (#オーバーハング品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > オーバーハング部分の低速化 > オーバーハングが10%を超える場合の最大速度
- 実際の設定値の例: 100mm/s, 70mm/sなど
2.3.6 充填部分印刷時のヘッド移動の最高速度 (#オーバーハング品質向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > オーバーハング部分の低速化 > オーバーハング充填を有効にした場合の最大速度
- 実際の設定値の例: 100mm/s, 80mm/sなど
2.4 一般的な > 加速度
2.4.1 デフォルト加速度 (#加速度設定)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 加速度 > デフォルト加速度
- 実際の設定値の例: , 10000mm/s^2など
2.4.2 アウターシェルの加速度 (#加速度設定)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 加速度 > アウターシェルの加速度
- 実際の設定値の例: , 3000mm/s^2など
2.4.3 インナーシェルの加速度 (#加速度設定)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 加速度 > インナーシェルの加速度
- 実際の設定値の例: , 7000mm/s^2など
2.4.4 ソリッドフィルの加速度 (#加速度設定)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 加速度 > ソリッドフィルの加速度
- 実際の設定値の例: , 5000mm/s^2など
2.4.5 インフィルの加速度 (#加速度設定)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 加速度 > インフィルの加速度
- 実際の設定値の例: , 5000mm/s^2など
2.4.6 トラベルの加速度 (#移動効率向上)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 加速度 > トラベルの加速度
- 実際の設定値の例: , 20000mm/s^2など
2.5 一般的な > 樹脂垂れ防止
2.5.1 ヘッド移動時の巻き戻し長さ (#樹脂垂れ防止)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 樹脂垂れ防止 > ヘッド移動時の巻き戻し長さ
- 実際の設定値の例: 5.0mm, 1.2mmなど
- このパラメタ「ヘッド移動時の巻き戻しの長さ」は、3Dプリンタのヘッドが移動する際にフィラメントをどれだけ巻き戻すかを設定するためのパラメタです。巻き戻し(リトラクト)は、フィラメントがノズルから垂れたり糸を引いたりするのを防ぐために行われます。例えば、2mmに設定すると、ヘッドが移動するたびにフィラメントが2mm巻き戻され、樹脂の垂れや糸引きが抑えられます。また例えば、1mmに設定すると、巻き戻しの長さが短くなり、移動時間が短縮されますが、垂れや糸引きが発生しやすくなる可能性があります。このパラメタは、ヘッド移動時の樹脂垂れや糸引きを防ぐために重要であり、特に高精度なプリントや綺麗な仕上がりを求める場合には変更を検討するとよいでしょう。
2.5.2 引き戻し速度 (#樹脂垂れ防止)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 樹脂垂れ防止 > 引き戻し速度
- 実際の設定値の例: 25mm/s, 40mm/sなど
- このパラメタ「引き戻し速度」は、3Dプリント時にフィラメントの樹脂垂れを防止するためにノズルからフィラメントを引き戻す速度を設定するためのパラメタです。例えば、20mm/sに設定すると、フィラメントが20mm/sの速度でノズルから引き戻され、樹脂垂れを防止します。一方、30mm/sに設定すると、フィラメントが30mm/sの速度で引き戻され、より迅速に樹脂垂れを防ぐことができますが、高速すぎるとフィラメントが切れたり、ノズル内での圧力変化が大きくなる可能性があります。このパラメタは、フィラメントの適切な引き戻し速度を設定することで、ノズルからの樹脂垂れを効果的に防ぎ、プリントの品質を向上させるために重要です。
2.5.3 押し出し速度 (#樹脂垂れ防止)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 樹脂垂れ防止 > 押し出し速度
- 実際の設定値の例: 25mm/s, 30mm/sなど
- このパラメタ「押し出し速度」は、樹脂垂れ防止のためにフィラメントを引き戻した後、次にフィラメントが必要になった瞬間にどの速度で押し出してフィラメントを出る直前まで戻すかを設定するためのパラメタです。例えば、20mm/sに設定すると、フィラメントが必要になった瞬間に20mm/sの速度で押し出され、フィラメントを出る直前まで戻します。これにより、フィラメントの過剰な流れを防ぎ、樹脂垂れを抑制します。一方、30mm/sに設定すると、より高速でフィラメントが押し出され、迅速にフィラメントが戻るため、プリント速度が向上しますが、設定が適切でないと過剰な流れが発生する可能性があります。押出速度は、樹脂垂れを防ぎ、フィラメントの流れをスムーズに保ち、高品質なプリント結果を得るために重要なパラメタです。
2.5.4 引き戻し後の補正 (#樹脂垂れ防止)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 樹脂垂れ防止 > 引き戻したあとの補正
- 実際の設定値の例: 0.0mm/sなど
2.5.5 樹脂の巻き戻し (#樹脂垂れ防止)
- パラメタの正式名称: 一般的な > 樹脂垂れ防止 > 樹脂の巻き戻し
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
3. 外枠
3.1 外枠 > モデル外層の厚み
3.1.1 シェルカウント (#外層強度向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > モデル外層の厚み > シェル・カウント
- 実際の設定値の例: 3, 2など
- このパラメタ「シェルカウント」は、モデルの外側に積み重ねる外層(シェル)の数を設定するためのものです。外枠はモデル全体の外側の構造、外層はその外枠を構成する各層を指します。例えば、パス幅が0.40mmの場合、シェルカウント3は合計1.20mm(0.40mm × 3)、シェルカウント2は合計0.80mm(0.40mm × 2)となります。シェルカウントが多いほどモデルの側面が丈夫になりますが、外壁の厚みを直接設定するのとは異なり、層の数で調整します。シェルカウントは層の数で、外壁の厚みは総厚みで設定するため、用途に応じて使い分けることが重要です。
3.1.2 外壁の厚み (#外層強度向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > モデル外層の厚み > 外壁の厚み
- 実際の設定値の例: 1.20mm, 0.84mmなど
- このパラメタ「外壁の厚み」は、モデルの外側の壁部分の厚みを設定するためのものです。外枠とは、モデル全体の外側の構造を指し、全体の形状を支えるフレームです。外層とは、外枠を構成する各層のことを指し、ノズルが一回の通過で形成する層です。外壁は、特に外部からの物理的な保護を提供する壁部分を指します。例えば、パス幅が0.40mmの場合、外壁の厚みを1.20mmに設定すると外壁は3層(1.20mm ÷ 0.40mm = 3層)で構成され、強度が増します。一方、パス幅が0.42mmの場合、外壁の厚みを0.84mmに設定すると外壁は2層(0.84mm ÷ 0.42mm = 2層)で構成され、軽量化が図れます。この設定は、プリントの強度と重量のバランスを最適化するために重要です。外枠、外層、外壁の違いを理解することで、適切な設定が可能となり、高品質なプリント結果が得られます。
3.1.3 重複周囲 (#外層強度向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > モデル外層の厚み > 重複周囲
- 実際の設定値の例: 30%など
- このパラメタ「重複周囲」は、モデルの薄い部分と外周部分が重なり合う比率を調整するためのパラメタです。例えば30%に設定すると、モデルの薄い部分と外周部分が重なる比率が30%になり、外周との距離が縮まります。これにより、外周部分の強度が向上し、全体的な構造の安定性が増します。また、重複周囲の比率が低い場合は、外周との距離が広がり、印刷時間が短縮される可能性がありますが、強度は若干低下します。このパラメタは、モデルの外周部分の強度と安定性を調整するために用意されており、特に複雑な形状や強度が重要な場合には変更を検討するとよいでしょう。
3.2 外枠 > スピード
3.2.1 外枠部分印刷時のヘッド移動速度 (#外層印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > スピード > 外側のスピード
- 実際の設定値の例: 50%, 65%など
- このパラメタ「外側のスピード」は、モデルの外枠部分を印刷する際のノズルの移動速度を設定するためのパラメタです。例えば40mm/sに設定すると、モデルの外枠部分が40mm/sの速度で印刷され、表面の仕上がりが滑らかになります。また例えば60mm/sに設定すると、外枠部分の印刷速度が速くなり、印刷時間が短縮されますが、表面の仕上がりがやや粗くなる可能性があります。このパラメタは、モデルの外観の品質と印刷速度のバランスを調整するために用意されており、特に外観の美しさが重要な場合や、印刷時間を短縮したい場合には変更を検討するとよいでしょう。
3.2.2 外枠部分印刷時のヘッド移動の最高速度 (#外層印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > スピード > エクステリアの最大速度
- 実際の設定値の例: 40mm/s, 200mm/sなど
- オブジェクトの一番外側の外壁レイヤープリント速度を調整する。
3.2.3 目に見える内部印刷時のヘッド移動速度 (#内部印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > スピード > 可視インテリアのスピード
- 実際の設定値の例: 70%など
- オブジェクト外壁の一番内側レイヤープリント速度と基準速度の比率。
3.2.4 目に見える内部印刷時のヘッド移動の最高速度 (#内部印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > スピード > 目に見える内部最高速度
- 実際の設定値の例: 200mm/sなど
3.2.5 目に見えない内部印刷時のヘッド移動速度 (#内部印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > スピード > 見えないインテリアのスピード
- 実際の設定値の例: 100%など
- オブジェクトの外壁レイヤー内部のプリント速度と基準速度の比率。
3.2.6 目に見えない内部印刷時のヘッド移動の最高速度 (#内部印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 外枠 > スピード > 目に見えない内部の最高速度
- 実際の設定値の例: 200mm/s, 300mm/sなど
3.3 シェル印刷順 (#印刷順序設定)
- パラメタの正式名称: 外枠 > シェルの印刷順
- 実際の設定値の例: 過速防止, インナーシェルからアウターシェルになど
- このパラメタ「シェルの印刷順」は、モデルのシェル(外枠の構造を形成するレイヤー)の印刷順序を決めるためのものです。例えば、「インナーシェルからアウターシェル」に設定すると、内部シェルが先に印刷され、その後に外部シェルが印刷されるため、外部シェルの表面品質が向上します。一方、「アウターシェルからインナーシェル」に設定すると、最初に外側シェルが印刷されるため、外観の寸法精度が高まり、全体の構造が安定します。このパラメタは、外観の品質か外観の寸法精度を選択するときに有効です。
3.4 外枠 > 印刷開始地点
3.4.1 印刷開始位置モード (#印刷開始位置設定)
- パラメタの正式名称: 外枠 > 印刷開始地点 > モード
- 実際の設定値の例: 特定の場所に近い (標準), インナーリセスポイントなど
- オブジェクト外壁レイヤーのスタートパターンを選択。
3.4.2 印刷開始位置X座標 (#印刷開始位置設定)
- パラメタの正式名称: 外枠 > 印刷開始地点 > X
- 実際の設定値の例: 10000.0mm, -100.0mmなど
- レイヤースタート位置をX座標に合わせる。
3.4.3 印刷開始位置Y座標 (#印刷開始位置設定)
- パラメタの正式名称: 外枠 > 印刷開始地点 > Y
- 実際の設定値の例: -100.0mm, 10000.0mmなど
- レイヤースタート位置をY座標に合わせる。
3.4.4 印刷開始位置最適化許可 (#印刷開始位置最適化)
- パラメタの正式名称: 外枠 > 印刷開始地点 > 最適化の開始点を許可する
- 実際の設定値の例: はい, など
3.5 外枠 > 開始点加速
3.5.1 印刷開始点加速の有効化 (#印刷開始点加速)
- パラメタの正式名称: 外枠 > 開始点加速 > 開始点加速を有効にする
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
3.5.2 印刷開始点加速距離 (#印刷開始点加速)
- パラメタの正式名称: 外枠 > 開始点加速 > 開始点加速距離
- 実際の設定値の例: 50.0mmなど
4. モデル内の充填率
4.1 モデル内の充填率 > 一般的な
4.1.1 上面積層数 (#上層強度向上)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 一般的な > 上面積層数
- 実際の設定値の例: 5など
- このパラメタ「上面積層数」は、モデルの上面レイヤーの印刷回数を設定するためのパラメタです。例えば5に設定すると、モデルの上面が5層で構成され、上面の厚みと強度が増します。また例えば3に設定すると、上面が3層で構成され、印刷時間が短縮されますが、強度はやや低下します。このパラメタを増やすことで、モデルの上面がより頑丈になり、破損しにくくなります。特に高い強度や滑らかな表面仕上げが求められる場合には、上面積層数を増やすことを検討するとよいでしょう。
4.1.2 底面積層数 (#底層強度向上)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 一般的な > 底面積層数
- 実際の設定値の例: 4, 3など
- このパラメタ「底面積層数」は、モデルの底面レイヤーの印刷回数を設定するためのパラメタです。例えば4に設定すると、モデルの底面が4層で構成され、底面の厚みと強度が増します。また例えば3に設定すると、底面が3層で構成され、印刷時間が短縮されますが、強度はやや低下します。このパラメタを増やすことで、モデルの底面がより頑丈になり、破損しにくくなります。特に高い強度や安定性が求められる場合には、底面積層数を増やすことを検討するとよいでしょう。
4.1.3 充填率 (#内部充填強度)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 一般的な > 充填率
- 実際の設定値の例: 15%など
- このパラメタ「充填率」は、モデルの内部の充填密度を設定するためのパラメタです。例えば15%に設定すると、モデル内部の充填が15%の密度で行われ、軽量で印刷時間も短くなりますが、強度は低めになります。また例えば50%に設定すると、モデル内部の充填が50%の密度で行われ、強度が高くなりますが、重量が増し印刷時間も長くなります。このパラメタは、モデルの強度と重量、そして印刷時間のバランスを調整するために用意されており、特に強度が重要な部分や軽量化が求められる場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.1.4 充填パターン (#内部充填パターン)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 一般的な > モデル内部充填パターン
- 実際の設定値の例: 六角形, グリッドなど
- このパラメタ「モデル内部充填パターン」は、モデルの内部充填のパターンを設定するためのパラメタです。例えば六角形パターンに設定すると、モデル内部が六角形のパターンで充填され、強度と安定性が向上します。また例えばグリッドパターンに設定すると、モデル内部がグリッドのパターンで充填され、印刷速度が速くなりますが、強度は六角形パターンほど高くはありません。三角形パターンや3Dインフィルなど、他のパターンも選択可能で、それぞれ強度や印刷速度、材料の使用量に影響を与えます。このパラメタは、モデルの用途や必要な強度に応じて最適な内部充填パターンを選択するために用意されており、特に強度が重要な部分や印刷速度を優先する場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.1.5 充填開始角度 (#内部充填開始角度)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 一般的な > 角度開始
- 実際の設定値の例: , 45°など
- このパラメタ「角度開始」は、モデルの内部充填の第一層目の充填路の方向を設定するためのパラメタです。例えば45°に設定すると、第一層目の充填パスが45°の角度で配置され、モデルの構造が均等に分散されます。また例えば90°に設定すると、第一層目の充填パスが90°の角度で配置され、異なる方向に強度が分散されます。これにより、モデル全体の強度と安定性が向上します。このパラメタは、モデルの内部構造を最適化し、特定の方向に強度を持たせるために用意されており、特に特定の方向に負荷がかかるモデルや、均一な強度が求められる場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.1.6 充填と外層の重複率 (#重複率設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 一般的な > 重複周囲
- 実際の設定値の例: 15%, 25%など
- このパラメタ「重複周囲」は、モデルの内部充填レイヤーと外壁レイヤーが重なる比率を調整するためのパラメタです。例えば15%に設定すると、内部充填レイヤーと外壁レイヤーが15%の比率で重なり、外壁と内部充填の接合部分がしっかりと結合されます。また例えば25%に設定すると、重なりの比率が増えるため、接合部分の強度がさらに向上しますが、材料の使用量も増加します。このパラメタは、モデルの内部と外壁の接合部分の強度を調整するために用意されており、特に高い強度が必要なモデルや、接合部分の安定性が重要な場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.1.7 花瓶モード (#花瓶モード)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 一般的な > 花瓶モード
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「花瓶モード」は、モデルを花瓶のような薄い容器の形状で印刷するためのパラメタです。例えば「はい」に設定すると、モデル外層の印刷回数は1回のみ、充填率は0%、モデル上面のプリント回数は0に設定され、薄い壁のみで構成されたモデルが印刷されます。これにより、材料の使用量が大幅に減り、印刷時間も短縮されます。一方で、「いいえ」に設定すると通常の充填設定が適用され、モデル内部に充填が行われます。このパラメタは、特に軽量で中空のモデルを作成する場合に有効で、花瓶や装飾品など、内部の充填が不要な場合に使用するとよいでしょう。
4.2 モデル内の充填率 > スピード
4.2.1 充填部分のヘッド移動速度 (#内部充填速度)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > スピード > 基本速度
- 実際の設定値の例: 50%, 70%など
- このパラメタ「基本速度」は、モデル内部の充填部分のプリント速度を基準速度に対する比率で設定するためのパラメタです。例えば50%に設定すると、内部充填部分のプリント速度が基準速度の50%になり、精度が向上しますが、印刷時間は長くなります。また例えば70%に設定すると、内部充填部分のプリント速度が基準速度の70%になり、印刷時間が短縮されますが、精度はやや低下します。このパラメタは、内部充填部分のプリント速度を調整するために用意されており、特に精度が重要な場合や印刷時間を短縮したい場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.2.2 最上層ソリッドフィルの印刷速度 (#上層表面品質向上)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > スピード > 最上層ソリッドフィルの印刷速度
- 実際の設定値の例: 50%, 25%など
- このパラメタ「最上層ソリッドフィルの印刷速度」は、モデルの最上層部分の塗りつぶし(ソリッドフィルやルーフとも呼ばれる)を印刷する際の速度を設定するためのパラメタです。例えば25%に設定すると、最上層ソリッドフィルの印刷速度が基準速度の25%になり、表面の仕上がりが非常に滑らかになりますが、印刷時間は長くなります。また例えば50%に設定すると、最上層ソリッドフィルの印刷速度が基準速度の50%になり、印刷時間は短縮されますが、表面の仕上がりは若干粗くなります。このパラメタは、モデルの見た目に関わる重要な部分である最上層の表面仕上げを調整するために用意されており、特に高い見た目の品質が求められる場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.2.3 内部充填速度設定 (#内部充填速度)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > スピード > 内部充填の印刷速度
- 実際の設定値の例: 100%, 90%など
- このパラメタ「内部充填の印刷速度」は、モデルの内部充填部分を印刷する際の速度を基準速度に対する比率で設定するためのパラメタです。例えば90%に設定すると、内部充填部分の印刷速度が基準速度の90%になり、印刷時間が短縮されますが、精度はやや低下する可能性があります。また例えば100%に設定すると、内部充填部分の印刷速度が基準速度の100%になり、標準的な速度で印刷されます。このパラメタは、モデルの内部充填部分のプリント速度を調整するために用意されており、特に印刷時間を短縮したい場合や精度を重視する場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.3 モデル内の充填率 > 充填をコンバイン
4.3.1 最大充填組み合わせ (#内部充填効率化)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 充填をコンバイン > 最大充填組み合わせ
- 実際の設定値の例: 1など
- このパラメタ「最大充填組み合わせ」は、内部充填レイヤーを複数組み合わせて印刷する際の最大組み合わせ数を設定するためのパラメタです。例えば1に設定すると、内部充填レイヤーが1層ずつ印刷され、精度が高くなりますが、印刷時間は長くなります。また例えば2に設定すると、内部充填レイヤーが2層ずつ組み合わせて印刷され、印刷時間が短縮されますが、精度はやや低下する可能性があります。このパラメタは、内部充填部分の印刷効率と精度を調整するために用意されており、特に印刷時間を短縮したい場合や精度を重視する場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.3.2 最大スパース充填組み合わせ (#内部スパース充填効率化)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 充填をコンバイン > 最大スパース組み合わせ
- 実際の設定値の例: 2, 1など
- このパラメタ「最大スパース組み合わせ」は、スパース(疎な)充填レイヤーを複数組み合わせて印刷する際の最大組み合わせ数を設定するためのパラメタです。例えば1に設定すると、スパース充填レイヤーが1層ずつ印刷され、精度が高くなりますが、印刷時間は長くなります。また例えば2に設定すると、スパース充填レイヤーが2層ずつ組み合わせて印刷され、印刷時間が短縮されますが、精度はやや低下する可能性があります。このパラメタは、スパース充填部分の印刷効率と精度を調整するために用意されており、特に印刷時間を短縮したい場合や精度を重視する場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.3.3 充填面積しきい値 (#充填面積しきい値設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 充填をコンバイン > 面積のしきい値の組み合わせ
- 実際の設定値の例: 150mm^2, 30mm^2など
- このパラメタ「面積のしきい値の組み合わせ」は、レイヤーの印刷領域が設定したしきい値よりも小さい場合に、内部充填を組み合わせて印刷するためのパラメタです。例えば150mm²に設定すると、印刷領域が150mm²以下のレイヤーでは内部充填を組み合わせて印刷し、印刷時間を短縮します。また例えば30mm²に設定すると、より小さい印刷領域で内部充填を組み合わせるため、さらに効率的な印刷が可能ですが、充填密度や強度に影響を与える可能性があります。このパラメタは、内部充填の効率を最適化し、特に小さな領域での印刷時間を短縮するために用意されており、効率的な印刷が求められる場合には変更を検討するとよいでしょう。
4.4 モデル内の充填率 > 充填の組み合わせ
4.4.1 間隔レイヤー (#間隔レイヤー設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 充填の組み合わせ > 間隔レイヤー
- 実際の設定値の例: 0など
- 定期間隔レイヤーにて、数層の充填レイヤーを用いると強度が増します。0は無効を示します。
4.4.2 充填レイヤー (#充填レイヤー設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 充填の組み合わせ > 充填レイヤー
- 実際の設定値の例: 1など
- 追加された充填レイヤー数。
4.4.3 インフィル密度 (#インフィル密度制御)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > 充填の組み合わせ > インフィル密度の制御
- 実際の設定値の例: Onなど
4.5 モデル内の充填率 > Small Area Filling Reinforcement
4.5.1 小面積充填強化 (#小面積充填強化設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > Small Area Filling Reinforcement > Enable Small Area Filling Reinforcement
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「Small Area Filling Reinforcementを有効にする」は、小さな領域の充填強化を有効にするためのパラメタです。例えば「はい」に設定すると、設定したしきい値よりも小さい領域に対して充填密度を増加させ、強度を高めます。「いいえ」に設定すると、通常の充填設定が適用されます。このパラメタは、特に小さな領域でのモデルの強度を向上させるために用意されており、細かい部分や薄い部分があるモデルの印刷時には、強度確保のために有効にすることを検討するとよいでしょう。
4.5.2 小面積充填強化しきい値 (#小面積充填強化しきい値設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > Small Area Filling Reinforcement > Small Area Filling Reinforcement Threshold
- 実際の設定値の例: 25mm^2, 5mm^2など
- このパラメタ「Small Area Filling Reinforcement Threshold」は、小さな領域の充填強化を行うためのしきい値を設定するためのパラメタです。例えば25mm²に設定すると、印刷領域が25mm²以下の部分に対して充填密度を増加させ、強度を高めます。また例えば5mm²に設定すると、さらに小さい領域に対して充填強化が適用されるため、細かい部分の強度がより向上します。このパラメタは、小さな領域での強度を最適化するために用意されており、特に細かい部分や薄い部分が多いモデルの印刷時には、しきい値を調整して強度確保を検討するとよいでしょう。
4.5.3 小面積充填強化幅 (#小面積充填強化幅設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > Small Area Filling Reinforcement > Small Area Filling Reinforcement Width
- 実際の設定値の例: 0mm, 5mmなど
- Increase the infill density for model reinforcement when the area or width is smaller than the set value.
4.5.4 小面積充填強化密度 (#小面積充填強化密度設定)
- パラメタの正式名称: モデル内の充填率 > Small Area Filling Reinforcement > Small Area Filling Reinforcement Density
- 実際の設定値の例: 50%, 100%など
- Increase the infill density for model reinforcement when the area or width is smaller than the set value.
5. サポート材
- パラメタの正式名称: サポート材
- 実際の設定値の例: ライン形など
5.1 サポート材印刷時のヘッド移動速度 (#サポート材印刷速度設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > スピード
- 実際の設定値の例: 100%, 50%など
- ライン充填プリント速度と基準速度の比率。
5.2 サポート材シェル印刷時のヘッド移動速度 (#サポート材シェル印刷設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > サポートの上にシェルの最高速度
- 実際の設定値の例: 50mm/s, 20mm/sなど
5.3 サポート材インフィル印刷時のヘッド移動速度 (#サポート材インフィル印刷設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > サポートの上にインフィルの最高速度
- 実際の設定値の例: 50mm/s, 40mm/sなど
5.4 サポート材とモデルの水平距離 (#サポート材とモデルの水平距離設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > モデルスペース (X/Y)
- 実際の設定値の例: 0.35mm, 0.55mmなど
- このパラメタ「モデルスペース (X/Y)」は、3Dプリント時にサポート材とモデルの間に設定される水平方向(X軸およびY軸)の距離を調整するためのパラメタです。例えば、0.5mmに設定するとサポート材とモデルの間に0.5mmの隙間が確保され、隙間が小さいほど支持力が強化されますが、取り外しが難しくなります。一方、パススペースはサポート材の内部でのパス間の距離を設定するもので、例えば2mmに設定するとパス間の距離が2mmとなり、密度が低くなって取り外しが容易になりますが、支持力が低下します。要するに、モデルスペース (X/Y) はサポート材とモデルの間の距離を指し、パススペースはサポート材内部のパス間の距離を指します。
5.5 サポート材とモデルの垂直距離 (#サポート材とモデルの垂直距離設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > モデルのスペース (Z)
- 実際の設定値の例: 0.20mm, 0.21mmなど
- このパラメタ「モデルのスペース (Z)」は、サポート材とモデルの垂直方向の隙間を設定するためのパラメタであり、例えば0.20mmに設定すると、サポート材とモデルの間に0.20mmの隙間ができ、サポート材が取り外しやすくなります。剥がしやすさに関しては、他にも以下のようなパラメタが存在します。5.6「ベッドとの隙間」はラフトとサポート材の隙間を調整し、取り外しやすくするためのものです。5.10「上面積層数」はサポート材とモデルの間に薄い板を作成し、取り外しの難易度を変える役割を果たします。5.12「トップ密度」はサポート材の上面部分の充填密度を設定し、取り外しやすさを調整します。5.15「ラフトレイヤー」はラフトの層数を増やして取り外しの安定性を確保するものです。これらのパラメタはそれぞれ、接着面積、充填密度、サポート材自体の表面強度、ラフトの層数といった物理的要素に影響を与えることで、剥がしやすさをコントロールします。モデルのスペース (Z) は特にサポート材とモデルの間の隙間を調整することで、剥がしやすさに寄与し、サポート材が取り外しやすくなるようコントロールするものです。
5.6 サポート材とベッドの垂直距離 (#サポート材とベッドの垂直距離設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > ベッドとの隙間 (Z)
- 実際の設定値の例: 0.15mmなど
- このパラメタ「ベッドとの隙間 (Z)」は、3Dプリント時にサポート材とプリントベッドの間に設定される垂直方向の距離を調整するためのパラメタです。例えば、この隙間を0.2mmに設定すると、サポート材がプリントベッドから0.2mm浮いた状態で印刷されます。この隙間が小さいほどサポート材がしっかりとベッドに接着し、サポートが安定しますが、取り外しが難しくなる可能性があります。一方、隙間が大きいほどサポート材の取り外しは容易になりますが、サポートの安定性が低下する可能性があります。このパラメタは、サポート材の取り外しやすさと印刷中の安定性をバランスよく保つために重要です。
5.7 サポート材パス形状 (#サポート材パス形状設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > パス形状
- 実際の設定値の例: ポリラインなど
- このパラメタ「パス形状」は、3Dプリント時に使用されるサポート材のパス形状を設定するためのパラメタです。ポリライン形状は直線や曲線を連続的に繋いだ形状で、サポート材が滑らかに続くため柔軟で取り外しが比較的容易です。一方、グリッド形状は直交する直線で構成された格子状の形状で、サポート材がしっかりとした構造を持ち、強度が高くなりますが、取り外しには少し力が必要です。このパラメタは、モデルの形状や印刷目的に応じて最適なサポート材のパス形状を選択するために用意されています。
5.8 サポート材パス間隔 (#サポート材パス間隔設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > パススペース
- 実際の設定値の例: 2.0mmなど
- このパラメタ「パススペース」は、3Dプリント時にサポート材のパス間の距離を設定するためのパラメタです。パススペースはサポート材の密度と強度に影響を与えます。例えば、パススペースを2mmに設定すると、サポート材のパス間の距離が2mmとなり、密度が低くなります。この場合、サポート材の取り外しが容易になりますが、支持力がやや低下する可能性があります。一方、パススペースを1mmに設定すると、パス間の距離が1mmとなり、密度が高くなります。これにより、支持力が強化されますが、取り外しが難しくなる可能性があります。このパラメタは、モデルの形状や印刷目的に応じて最適なサポート材の密度を調整するために重要です。
5.9 サポート材厚み (#サポート材厚み設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > サポート材の厚み
- 実際の設定値の例: 40%, 85%など
- このパラメタ「サポート材の厚み」は、3Dプリント時に使用されるサポート材の厚みを、ノズルパス径に対する割合で設定するためのパラメタです。サポート材は、モデルのオーバーハング部分や垂直方向に浮いている部分を支えるために使用されます。例えば、100%に設定すると、サポート材の厚みがノズルパス径と同じ厚みとなります。つまり、ノズルの直径が0.4mmの場合、サポート材の厚みも0.4mmになります。一方、50%に設定すると、サポート材の厚みがノズルパス径の半分、つまり0.2mmとなります。これにより、サポート材の取り外しが容易になりますが、支持力がやや低下する可能性があります。このパラメタは、サポート材の厚みを調整することで、モデルの印刷安定性とサポート材の取り外しやすさをバランスよく保つために用意されています。特に複雑な形状や大きなオーバーハング部分があるモデルを印刷する際には、サポート材の厚みを適切に設定することが重要です。
5.10 サポート材上面積層数 (#サポート材上面積層数設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > 上面積層数
- 実際の設定値の例: 0, 3など
- このパラメタ「上面積層数」は、ライン型サポート材とモデルの間に作成される薄い板の層数を設定するためのパラメタです。例えば3に設定すると、サポート材の上面に3層の薄い板が作成され、モデルのサポート面の仕上がりが向上しますが、サポート材の除去が難しくなります。例えば0に設定すると、薄い板は作成されず、サポート材の除去が容易になります。上面積層数は特にサポート材の上面に薄い板を作成することで、モデルの仕上がりを向上させるために用意されており、剥がしやすさと仕上がりのバランスを調整するものです。
5.11 サポート材パス角度 (#サポート材パス角度設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > パスの角度
- 実際の設定値の例: 45°など
- サポートの印刷経路と第1層の充填印刷経路との間の角度。
5.12 サポート材トップ密度 (#サポート材トップ密度設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > トップ密度
- 実際の設定値の例: 100%, 95%など
5.13 サポート材水平方向の拡張 (#サポート材水平方向の拡張設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > 水平方向の拡張
- 実際の設定値の例: 0.0mmなど
- モデルの端にサポートがないことを避けるために、サポートを水平に伸ばします
5.14 サポート材の周囲壁 (#サポート材周囲の壁設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > サポート材の周囲に壁を作成
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- サポート材の周囲を囲う壁を作成します。サポート材は頑丈になりますが印刷後の除去が難しくなります。
5.15 サポート材ラフト層数 (#サポート材ラフト設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > ラフトレイヤー
- 実際の設定値の例: 0, 1など
- このパラメタ「ラフトレイヤー」は、サポート材の下部にラフトレイヤーを追加する設定をするためのパラメタです。例えば、この設定を1以上にすると、サポート材の下部にラフトレイヤーが印刷され、サポート材の倒れや安定性が向上します。これにより、ラフトが存在しない場合でもサポート材がしっかりと支えられます。ラフトレイヤーは主にサポート材の安定性を高めるために使用され、モデル用のラフトとは異なり、モデル全体の基盤としてではなく、サポート材の部分に限定して使用されます。
5.16 サポート材ラフト密度 (#サポート材ラフト密度設定)
- パラメタの正式名称: サポート材 > ラフト密度
- 実際の設定値の例: 100%, 60%など
- このパラメタ「ラフト密度」は、3Dプリント時に使用されるサポート材のラフト部分の密度を設定するためのパラメタです。ラフトの密度が高ければ高いほど、ラフトの強度が増し、必要な印刷時間も長くなります。ラフト密度を100%に設定すると、ラフトは完全に充填され、非常に強固な基盤が形成されますが、印刷時間も最大になります。ラフト密度を60%に設定すると、ラフトの60%が充填されるため、比較的強固な基盤が形成されますが、100%に比べて軽量で、印刷時間も短くなります。この設定により、ラフトの強度と印刷時間をバランスよく調整できます。
6. ラフト
6.1 ラフト > 一般的な
6.1.1 ラフトの有効化 (#モデルの接着性向上, #反り防止)
- パラメタの正式名称: ラフト > 一般的な > ラフト有効
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「ラフト有効」は、3Dプリント時にモデルの下にラフトを追加する機能を有効にするためのパラメタです。ラフトは、モデルの基盤としてプリントベッドに直接印刷される薄い層の集合であり、モデルの接着性を向上させるとともに、プリントベッドからの取り外しを容易にします。例えば、ラフトを有効にすると、モデルの下にラフトが印刷され、モデルの底面がより平坦になり、プリントベッドへの接着が強化されます。これにより、特に大きなモデルや複雑な形状のモデルの印刷時に、反りや移動が防止されます。ラフトは、モデルの品質を向上させ、安定したプリントを実現するために重要な役割を果たします。
6.1.2 ラフトのマージン (#モデルの安定性向上, #反り防止)
- パラメタの正式名称: ラフト > 一般的な > マージン
- 実際の設定値の例: 5.0mmなど
- このパラメタ「マージン」は、3Dプリント時にモデルの輪郭から外側へ伸びるラフトのサイズを設定するためのパラメタです。例えば、マージンを5.0mmに設定すると、モデルの輪郭から外側に5.0mmのラフトが追加されます。ラフトのマージンが大きいほど、モデルの周囲に広い接着面が形成され、プリントベッドへの安定性が向上し、特に大きなモデルや複雑な形状のモデルの印刷時に反りや移動を防ぐことができます。ただし、ラフトの面積が広がることで印刷時間が長くなるため、このパラメタは安定性と印刷時間のバランスを考慮して設定することが重要です。ラフトのマージンは、モデルをより安定させ、安定したプリントを実現するために重要です。
6.1.3 ラフトとモデルのスペース (Z) (#モデルの取り外し容易化, #安定性調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 一般的な > モデルのスペース (Z)
- 実際の設定値の例: 0.15mm, 0.16mmなど
- このパラメタ「モデルのスペース (Z)」は、3Dプリント時にラフトとモデルの間の垂直方向の隙間を調整するためのものです。例えば0.15mmに設定すると、ラフトとモデルの間に0.15mmの距離が確保され、取り外しが容易になりますが、隙間が大きいほどモデルの安定性が低下する可能性があります。一方、「5.6 サポート材 > ベッドとの隙間 (Z)」は、サポート材とプリントベッドの間の垂直方向の距離を調整するためのパラメタで、例えば0.2mmに設定すると、サポート材の取り外しが容易になりますが、安定性に影響することがあります。両方のパラメタを調整する際は、まず「モデルのスペース (Z)」でラフトとモデルの隙間を最適化し、次に「ベッドとの隙間 (Z)」でサポート材の取り外しやすさと安定性を調整します。ラフトの取り外しが難しい場合や、サポート材の安定性に問題がある場合には、それぞれを微調整してプリントの品質を向上させます。
6.1.4 ラフト作成後モデル一層目の押出比率 (#底面仕上がり向上, #ラフトからの剥がしやすさ調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 一般的な > モデル一層目の押出比率
- 実際の設定値の例: 100%, 95%など
- このパラメタ「モデル一層目の押出比率」は、ラフト作成後のモデル一層目のフィラメントの押し出し率を設定するためのパラメタです。例えば、押出比率を100%に設定すると標準的な押し出し率で印刷されますが、比率を高くすると、一層目に射出するフィラメントの線幅が太くなり、モデル底面の仕上がりが向上します。ただし、押出比率を高く設定するとラフトからモデルを剥がすのが難しくなることがあります。逆に押出比率を低く設定すると、剥がしやすくなりますが、モデル底面の仕上がりがやや劣る可能性があります。例えば、押出比率を95%に設定すると、フィラメントの線幅が標準より細くなり、剥がしやすくなります。このパラメタは、モデルの底面の仕上がりとラフトからの剥がしやすさのバランスを調整するために重要です。
6.1.5 ラフト作成後モデル一層目印刷時の最高速度 (#結合強化, #底面の安定性向上)
- パラメタの正式名称: ラフト > 一般的な > ラフトの最高速度を超過
- 実際の設定値の例: 15mm/sなど
- このパラメタ「ラフトの最高速度を超過」は、ラフトを超える最初の層で印刷速度を制限し、モデルがラフトによりよく結合するようにするためのものです。この設定により、ラフトの上に印刷されるモデルの最初の層が適切な速度で印刷されることで、モデルとラフトの結合が強化されます。印刷速度を制限することで、フィラメントがラフトにしっかりと付着し、モデルの底面の安定性が向上します。これにより、プリント中の反りや剥がれを防ぎ、高品質な仕上がりを実現することができます。
6.2 ラフト > 低層
6.2.1 ラフトの低層の積層ピッチ (#低層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 低層 > 積層ピッチ
- 実際の設定値の例: 0.40mmなど
- ラフトの層が高い場合は、プラットフォーム上により簡単に粘着されます。
6.2.2 ラフトの低層のパス幅 (#低層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 低層 > パス幅
- 実際の設定値の例: 1.6mm, 1.5mmなど
- パスの広い底部の幅は、それが簡単に底板印刷プラットフォームに固執することができ、しかしより広いパスが遅い印刷速度を必要とします。
6.2.3 ラフトの低層の充填率 (#低層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 低層 > 充填率
- 実際の設定値の例: 40%, 30%など
- 充填率が高い場合はプラットフォームとの粘着が良くなりますが印刷時間が長くなります。
6.2.4 ラフトの低層印刷時のヘッド移動速度 (#低層印刷速度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 低層 > スピード
- 実際の設定値の例: 8mm/s, 15mm/sなど
- レイヤーが高い程出力の樹脂幅がより広く、その場合はプリント時間も遅めに設定する必要があります。
6.3 ラフト > 中間層
6.3.1 ラフトの中間層の積層ピッチ (#中間層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 中間層 > 積層ピッチ
- 実際の設定値の例: 0.40mm, 0.30など
- ミドルラフト(中間層)の厚さ。
6.3.2 ラフトの中間層の積層数 (#中間層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 中間層 > 積層数
- 実際の設定値の例: 1など
- ラフト中間層を積層する回数を設定します。回数を増やすと、その分中間層の厚みが増します。
6.3.3 ラフトの中間層のパス幅 (#中間層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 中間層 > パス幅
- 実際の設定値の例: 0.4mmなど
6.3.4 ラフトの中間層の充填率 (#中間層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 中間層 > 充填率
- 実際の設定値の例: 30%など
6.3.5 ラフトの中間層印刷時のヘッド移動速度 (#中間層印刷速度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 中間層 > スピード
- 実際の設定値の例: 30mm/s, 40mm/sなど
- スピードが遅い程一層目とラフトの粘着が良くなります。プリント時間もかかります。
6.4 ラフト > 蓋層
6.4.1 ラフトの蓋層の積層ピッチ (#蓋層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 蓋層 > 積層ピッチ
- 実際の設定値の例: 0.25mmなど
- ラフト表のレイヤー層。
6.4.2 ラフトの蓋層の積層数 (#蓋層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 蓋層 > 積層数
- 実際の設定値の例: 3, 2など
- ビルドプレートの温度が110°Cより高い場合、トップラフトの層は、より多くの層を印刷して断熱性を向上させることが推奨されます。
6.4.3 ラフトの蓋層のパス幅 (#蓋層強度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 蓋層 > パス幅
- 実際の設定値の例: 0.4mmなど
6.4.4 ラフトの蓋層印刷時のヘッド移動速度 (#蓋層印刷速度調整)
- パラメタの正式名称: ラフト > 蓋層 > スピード
- 実際の設定値の例: 60mm/s, 65mm/sなど
- 速度が遅いほど、ラフト表の表面仕上げが良くなりますが印刷時間が長くなります。
6.4.5 ラフトの蓋層のモデル間の角度 (#蓋層印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: ラフト > 蓋層 > モデル間の角度
- 実際の設定値の例: 90°など
7. モデル以外の追加部分の印刷
7.1 追加 > プレ押出し
7.1.1 プレ押出しの有効化 (#初期出力安定, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > プレ押出し > プレ押出しを有効にする
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「プレ押出しを有効にする」は、モデルをプリントする前にプリントヘッドのテスト出力を行う機能を有効にするためのものです。プレ押出しを有効にすると、プリント開始前にヘッドから少量のフィラメントが押し出され、ノズルの先に出てしまっているフィラメントを取り除き、最初から安定して印刷できるようにします。このテスト出力により、プリントの初期段階での不具合を防ぎ、安定したプリント開始を保証します。
7.1.2 プレ押出しのマージン (#初期出力安定, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > プレ押出し > マージン
- 実際の設定値の例: 5.0mm, 10.0mmなど
- テスト出力とモデルの距離。
7.1.3 プレ押出しのパスの長さ (#初期出力安定, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > プレ押出し > パスの長さ
- 実際の設定値の例: 120mm, 100mmなど
- テスト出力の長さ。
7.1.4 プレ押出し時のヘッド移動速度 (#初期出力安定, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > プレ押出し > スピード
- 実際の設定値の例: 20mm/sなど
- テスト出力のプリント速度。
7.2 追加 > 壁
7.2.1 壁の有効化 (#樹脂垂れ防止, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > 壁 > 壁有効
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「壁有効」は、3Dプリント時にモデルの周囲に壁を追加してプリントする機能を有効にするためのパラメタです。この壁は、ヘッドの樹脂垂れを防止するためにモデルの周囲に設けられます。例えば、モデルの周囲に壁を設定すると、プリントヘッドが移動する際に余分な樹脂が壁に付着し、モデル自体への樹脂垂れを防ぎます。これにより、モデルの表面がよりきれいに仕上がり、品質が向上します。外壁とは異なり、この壁はモデルの保護ではなく、樹脂垂れ防止のための機能として使用されます。
7.2.2 壁のシェル・カウント (#壁の強度向上, #安定性向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > 壁 > シェル・カウント
- 実際の設定値の例: 2など
- このパラメタ「シェル・カウント」は、3Dプリント時にモデルの周囲に追加される壁のレイヤー数を設定するためのパラメタです。外層の数(モデル自体の外側の層数)とは異なり、これはモデルの周囲にプリントされる壁の層数を指します。例えば、シェル・カウントを3に設定すると、モデルの周囲に3層の壁が形成されます。この壁は、プリントヘッドの樹脂垂れを防止し、モデルの周囲にバリアを作ることで印刷の安定性を向上させます。壁の層数が多いほど、壁自体が崩れにくくなり、モデルをより効果的に保護します。これにより、プリント中に余分な樹脂が壁に付着し、モデルの品質が保たれます。具体的には、3層の壁は1層の壁よりも強固であり、プリント中の振動や衝撃に対してより安定しています。シェル・カウントは、壁の強度と安定性を調整するために重要です。
7.2.3 壁のマージン (#樹脂垂れ防止, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > 壁 > マージン
- 実際の設定値の例: 2.5mmなど
- このパラメタ「マージン」は、3Dプリント時にモデルの周囲に設けられる壁とモデルとの距離(マージン)を設定するためのパラメタです。マージンは、モデルと壁の間にどれだけの空間を設けるかを決定します。例えば、マージンを2mmに設定すると、モデルの周囲に2mmの空間を持って壁がプリントされます。このマージンが大きいほど、モデルと壁の間に余裕が生まれ、樹脂垂れが防止されるとともに、モデルの表面が保護されます。また、マージンが小さいと、モデルに対して壁がより近くなり、サポート効果が増しますが、取り外しがやや難しくなる可能性があります。このパラメタは、モデルの形状や印刷目的に応じて最適な距離を設定し、プリント品質を向上させるために重要です。
7.2.4 壁印刷時のヘッド移動速度 (#壁の印刷速度調整)
- パラメタの正式名称: 追加 > 壁 > スピード
- 実際の設定値の例: 60mm/s, 50mm/sなど
- 壁のプリント速度。
7.2.5 穴の内側に壁を生成する (#樹脂垂れ防止, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > 壁 > 穴の内側に壁を生成する
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
7.3 追加 > 枠
7.3.1 枠の有効化 (#印刷安定性向上, #モデル位置固定)
- パラメタの正式名称: 追加 > 枠 > 枠を付ける
- 実際の設定値の例: Disableなど
- このパラメタ「枠をつける」は、プリントするオブジェクトの周囲に枠を追加するかどうかを設定するためのパラメタです。例えば「はい」に設定すると、オブジェクトの周囲に枠が追加され、プリント中の安定性が向上します。枠は、特に細かいパーツや複雑な形状のオブジェクトのプリント時に、オブジェクトの位置を固定し、変形や移動を防ぐ役割を果たします。「いいえ」に設定すると、枠は追加されず、通常のプリントが行われます。このパラメタは、プリントの精度と安定性を確保するために重要で、特に複数のオブジェクトを一度に印刷する場合や、安定性が求められる場合には有効にすることを検討するとよいでしょう。
7.3.2 枠のマージン (#印刷安定性向上, #モデル位置固定)
- パラメタの正式名称: 追加 > 枠 > マージン
- 実際の設定値の例: 5.0mm, 2.0mmなど
- 枠の幅は、幅が広いほど安定しますがプリント時間がかかります。
7.3.3 オブジェクト間の望ましい隙間 (#印刷安定性向上, #モデル間干渉防止)
- パラメタの正式名称: 追加 > 枠 > The desired gap between object
- 実際の設定値の例: 0.1mm, 0.2mmなど
- このパラメタ「オブジェクト間の望ましい隙間」は、枠を使用してプリントする際に、複数のオブジェクト間に確保するべき隙間のサイズを設定するためのパラメタです。枠とは、プリント中に複数のオブジェクトを一度に印刷する場合に、それらを囲む仮想的な枠組みを指します。例えば1mmに設定すると、枠内のオブジェクト間に1mmの隙間が設けられ、隣接するオブジェクト同士が干渉しないようにします。これにより、オブジェクト間の接触や干渉を防ぎ、プリント品質を向上させます。また例えば2mmに設定すると、より広い隙間が確保されるため、複雑な形状や細かいパーツが含まれるプリントでも安全に印刷できますが、プリントの空間効率がやや低くなることがあります。このパラメタは、枠内で複数のオブジェクトが正しく配置されるように調整し、干渉を防ぐために重要です。
7.3.4 枠のレイヤー (#印刷安定性向上, #モデル位置固定)
- パラメタの正式名称: 追加 > 枠 > 枠のレイヤー
- 実際の設定値の例: 1など
- 枠のレイヤーが増えるほど、モデルがベッドによりよく固定されますが取り外し難しくなります。
7.3.5 枠印刷時のヘッド移動速度 (#枠の印刷速度調整)
- パラメタの正式名称: 追加 > 枠 > スピード
- 実際の設定値の例: 60mm/s, 30mm/sなど
- 枠の印刷スピードです。
7.3.6 内側の穴にブリムを生成する (#樹脂垂れ防止, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 追加 > 枠 > 内側の穴にブリム(縁)を生成させる
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
7.4 追加 > ワイピングタワー
7.4.1 ワイピングタワー印刷時のヘッド移動速度 (#ノズルクリーニング, #材料切替え効率化)
- パラメタの正式名称: 追加 > ワイピングタワー > スピード
- 実際の設定値の例: 60mm/s, 50mm/sなど
- このパラメタ「スピード」は、ワイピングタワーを印刷する速度を設定するためのパラメタです。ワイプとは、ノズルに残ったフィラメントを取り除くことを指し、材料の切り替えやノズルのクリーニングの際に行います。ワイピングタワーは、ノズルのクリーニングや材料の切り替え時に使用される柱状の構造物で、特にノズルが複数ある3Dプリンタで有効です。異なる材料や色を切り替える際、ノズル内に残った前のフィラメントを排出し、新しい材料に完全に切り替わるようにするために使用します。これにより、材料の無駄を最小限に抑え、印刷品質を向上させます。シングルノズルの3Dプリンタでは、主にノズルに付着した不要なフィラメントをクリーニングする目的で使用されます。ワイピングタワーの印刷速度を調整することで、効率よくフィラメントの残りを消し去り、安定した印刷結果を得ることができます。
8. 冷却
8.1 冷却 > フィラメント冷却の遅延/延期
8.1.1 フィラメント冷却の遅延領域閾値 (#冷却時間調整)
- パラメタの正式名称: 冷却 > フィラメント冷却の遅延/延期 > 遅延領域閾値
- 実際の設定値の例: 50mm^2など
- レイヤーの印刷領域が領域の閾値よりも小さい場合、プリンタは速度を下げて、フィラメントの冷却時間を充分に確保します。
8.1.2 フィラメント冷却の延期領域閾値 (#冷却時間調整)
- パラメタの正式名称: 冷却 > フィラメント冷却の遅延/延期 > 延期領域閾値
- 実際の設定値の例: 0mm^2など
- レイヤーの印刷領域が領域の閾値よりも小さい場合、プリンタは速度を下げて、フィラメントの冷却時間を充分に確保します。遅延領域閾値が0の場合、プリンタはフィラメント冷却用に印刷を遅延することはありません。
8.1.3 フィラメント冷却の最大遅延時間 (#冷却時間調整)
- パラメタの正式名称: 冷却 > フィラメント冷却の遅延/延期 > 最大遅延時間
- 実際の設定値の例: 1.5sなど
- フィラメント冷却用の最大遅延時間です。
8.2 冷却ファンの制御 (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 冷却ファンの制御
- 実際の設定値の例: オン (最初のレイヤーが印刷された後), 起動しないなど
- 冷却ファンを起動する時間。
8.3 冷却ファンのデフォルト速度 (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 冷却ファンのデフォルト速度
- 実際の設定値の例: , 0%など
8.4 バックファンの状態 (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > バックファンの状態
- 実際の設定値の例: 常に起動, など
8.5 バックファンの速度 (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > バックファンの速度
- 実際の設定値の例: 100%, など
8.6 冷却 > 冷却ファン制御リスト
- 異なる層構造に基づいて、異なるファンの回転速度が設定できます。異なるモデル構造に応じて空気の流れを制御し、モデルに対する冷却効率が上がります
8.6.1 冷却ファン制御リストのスタートレイヤー (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 冷却ファン制御リスト > スタートレイヤー
- 実際の設定値の例: , 2,3など
- 温度制御の必要な開始層が含まれます
8.6.2 冷却ファン制御リストのエンドレイヤー (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 冷却ファン制御リスト > エンドレイヤー
- 実際の設定値の例: , 2,9999など
- 温度制御の必要な最終層が含まれます
8.6.3 冷却ファンの速度制御リスト (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 冷却ファン制御リスト > スピード
- 実際の設定値の例: , 60%,100%など
8.7 モデルの冷却ファンの速度 (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > モデルの冷却ファンの速度
- 実際の設定値の例: , 0%など
8.8 補助冷却ファンの制御リスト (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 補助冷却ファンの制御リスト
- 実際の設定値の例: , Onなど
8.8.1 補助冷却ファン制御リストのスタートレイヤー (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 補助冷却ファンの制御リスト > スタートレイヤー
- 実際の設定値の例: , 3など
- 温度制御の必要な開始層が含まれます
8.8.2 補助冷却ファン制御リストのエンドレイヤー (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 補助冷却ファンの制御リスト > エンドレイヤー
- 実際の設定値の例: , 9999など
- 温度制御の必要な最終層が含まれます
8.8.3 補助冷却ファンの速度制御リスト (#冷却効率向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 冷却 > 補助冷却ファンの制御リスト > スピード
- 実際の設定値の例: , 100%など
9. 高度な
9.1 高度な > ブリッジ
- ブリッジは、モデルの一部が両端から支えられて水平に空中に浮いている部分を指します。両端から橋渡しされる形でフィラメントが印刷されるためフィラメントが垂れ下がりやすくなります。フィラメントがピンと引き伸ばされるように速度や押出率を調節することで、印刷品質を高めることができます。類似した構造にオーバーハングがあります。オーバーハングは、モデルの一部が下部のサポートなしで斜めに突き出している部分を指し、フィラメントが垂れ下がりやすくなっています。オーバーハングとブリッジは、どちらもサポートがないと印刷が困難な部分に対して、サポートなしで無理して印刷するため注意が必要です。
9.1.1 ブリッジの有効化 (#ブリッジ印刷安定化, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > ブリッジ > ブリッジ有効
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- ブリッジ部の印刷を最適化します。
9.1.2 ブリッジ領域閾値 (#ブリッジ印刷安定化, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > ブリッジ > ブリッジ領域閾値
- 実際の設定値の例: 15mm^2など
- ブリッジが有効になる範囲を指定します。
9.1.3 ブリッジ印刷時のヘッド移動速度 (#ブリッジ印刷安定化, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > ブリッジ > スピード
- 実際の設定値の例: 80%, 50%など
- ブリッジ印刷速度とベース印刷速度の比率。
9.2 高度な > 押出率
9.2.1 押出率 (#フィラメント押出調整, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > 押出率 > 押出率
- 実際の設定値の例: 120%, 98%など
- このパラメタ「押出率」は、3Dプリンターがフィラメントを押し出す量を調整するためのパラメタです。例えば120%に設定すると、通常より20%多くフィラメントが押し出され、充填密度や層の接合が向上しますが、過剰な押出により表面が粗くなる可能性があります。また例えば98%に設定すると、通常より2%少ないフィラメントが押し出され、表面が滑らかになりますが、接合が弱くなる可能性があります。このパラメタは、モデルの精度と強度を調整するために用意されており、特に高い精度が求められる場合や、強度を重視する場合には変更を検討するとよいでしょう。
9.2.2 第一レイヤーの押出率 (#フィラメント押出調整, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > 押出率 > 第一レイヤーの押出率
- 実際の設定値の例: 109%, 92%など
- このパラメタ「第一レイヤーの押出率」は、3Dプリンターがプリントの最初の層においてフィラメントを押し出す量を調整するためのパラメタです。例えば109%に設定すると、通常より9%多くフィラメントが押し出され、第一層目のベッドへの接着が強化され、プリントの安定性が向上します。しかし、過剰な押出により第一層が粗くなる可能性があります。また例えば92%に設定すると、通常より8%少ないフィラメントが押し出され、第一層目が滑らかになりますが、接着が弱くなる可能性があります。このパラメタは、プリントの最初の層の接着と仕上がりを調整するために用意されており、特にベッドへの接着が重要な場合や、第一層の滑らかさを重視する場合には変更を検討するとよいでしょう。
9.3 高度な > パス
9.3.1 パスのパス幅 (#パス幅調整, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > パス > パス幅
- 実際の設定値の例: 0.40mm, 0.42mmなど
- 押出しのサイズ、デフォルトの場合はヘッドの直径。
9.3.2 パスの精度 (#パス精度調整, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > パス > パスの精度
- 実際の設定値の例: 0.10mmなど
- 充填率が高い程櫢脂の押出しが最適化され、蔵脂の量が安定する。
9.4 高度な > アイロニング
9.4.1 アイロニングの有効化 (#表面仕上げ向上, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > アイロニング > アイロニングを有効にする
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「アイロニングを有効にする」は、プリントの最上層においてノズルがフィラメントを押し出さずに表面を平滑にする動作を有効にするためのパラメタです。例えば「はい」に設定すると、ノズルが最上層をアイロニングし、表面の凹凸を減少させ、滑らかな仕上がりになります。「いいえ」に設定すると、通常のプリントのみが行われ、アイロニングは実行されません。このパラメタは、特に最上層の表面仕上げを向上させるために用意されており、見た目の品質が重要な場合には有効にすることを検討するとよいでしょう。
9.5 高度な > ファジースキン
9.5.1 ファジースキンの有効化 (#独特な外観追加, #表面仕上げ調整)
- パラメタの正式名称: 高度な > ファジースキン > ファジースキン有効にする
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- このパラメタ「ファジースキンを有効にする」は、プリントモデルの外観に独特なざらざらしたテクスチャを追加するためのパラメタです。例えば「はい」に設定すると、モデルの外層にランダムな変位が加わり、表面がファジー(ざらざら)な質感になります。「いいえ」に設定すると、通常の滑らかな表面で印刷されます。このパラメタは、特にモデルに独特の外観やグリップ感を追加したい場合に用意されており、見た目や触感のバリエーションを増やしたい場合には有効にすることを検討するとよいでしょう。
9.5.2 ファジースキンの外側のみ (#独特な外観追加, #表面仕上げ調整)
- パラメタの正式名称: 高度な > ファジースキン > ファジースキン外側のみ
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- 輪郭に生成され、穴に生成されない
9.5.3 ファジースキンの厚さ (#独特な外観追加
- パラメタの正式名称: 高度な > ファジースキン > ファジースキンの厚さ
- 実際の設定値の例: 0.30mmなど
- ディザリングの幅。インナーシェルの位置が変わらないので、この値をアウターシェルの幅より小さくするのが推奨です。
9.5.4 ファジースキンの点間距離 (#独特な外観追加
- パラメタの正式名称: 高度な > ファジースキン > ファジースキン点間距離
- 実際の設定値の例: 0.80mmなど
- 生成される位置の平均距離。ポリゴンの元の点は捨てられるので、平滑度を高くすると解像度が低下することに注意してください。この値はファジースキンの厚さの半分以上でなければならない。
9.6 高度な > リニアアドバンス
9.6.1 リニアアドバンスのKファクター (#押出補正, #印刷精度向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > リニアアドバンス > Kファクター
- 実際の設定値の例: 0.000, 0.027など
- このパラメタ「Kファクター」は、リニアアドバンス機能における押出補正を行うためのパラメタです。例えば0.10に設定すると、フィラメントの押出量が加速や減速に応じて補正され、急激な速度変化時でも均一な押出が実現します。これにより、角や細部の精度が向上し、表面の品質が改善されます。Kファクターの値が高いほど補正が強く働きますが、過剰な補正は逆効果となる場合があります。このパラメタは、特に高速で精密なプリントを行う際に重要であり、モデルの品質と精度を最適化するために用意されています。
9.7 最大フロー率 (#フィラメント流量調整, #印刷品質向上)
- パラメタの正式名称: 高度な > Maximum Flow Rate
- 実際の設定値の例: 20mm^3/s, 25mm^3/sなど
- このパラメタ「最大フロー率」は、プリント時にノズルから押し出されるフィラメントの最大流量を設定するためのパラメタです。例えば20mm³/sに設定すると、ノズルからのフィラメントの流量が最大20mm³/sに制限されます。これにより、過剰なフィラメントの押出しを防ぎ、適切なフィラメント供給を維持することができます。最大フロー率の設定が高すぎると、ノズル詰まりや印刷不良の原因となることがあります。このパラメタは、プリントの品質と安定性を確保するために用意されており、特に高速印刷や高精度なモデルを作成する際には、最適な流量を設定することが重要です。
10. その他
10.1 その他 > 材料の収縮補償
10.1.1 材料のX軸収縮補償 (#収縮補正, #印刷精度向上)
- パラメタの正式名称: その他 > 材料の収縮補償 > X軸補償
- 実際の設定値の例: 0.00%など
- 補償モデルX軸の寸法。正の数値は増加、負の数値は減少を示す。
10.1.2 材料のY軸収縮補償 (#収縮補正, #印刷精度向上)
- パラメタの正式名称: その他 > 材料の収縮補償 > Y軸補償
- 実際の設定値の例: 0.00%など
- 補償モデルY軸の寸法。正の数値は増加、負の数値は減少を示す。
10.1.3 材料のZ軸収縮補償 (#収縮補正, #印刷精度向上)
- パラメタの正式名称: その他 > 材料の収縮補償 > Z軸補正
- 実際の設定値の例: 0.00%など
- 補償モデル2軸の寸法。正の数値は増加、負の数値は減少を示す。
10.2 その他 > 容量を調整する
10.2.1 容量調整の許可 (#容量調整)
- パラメタの正式名称: その他 > 容量を調整する > 調整を許可する
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- 出力誤差を抑えるためプリントパターンを最適化する。
10.2.2 容量の外部補償 (#容量調整)
- パラメタの正式名称: その他 > 容量を調整する > 外部補償
- 実際の設定値の例: 0.00mmなど
- このパラメタ「外部補償」は、3Dプリント時にオブジェクトの外径サイズを調整するためのパラメタです。プラスに設定すると外形が拡大し、例えば0.4mmに設定すると外形が0.4mm太くなり、両端が0.2mmずつ拡大されます。一方、マイナスに設定すると外形が縮小し、同様に設定した値に応じて外形が減少します。このパラメタは、外形寸法を微調整して希望する精度に仕上げるために重要であり、特に寸法精度が要求される場合に有効です。
10.2.3 容量の内部補償 (#容量調整)
- パラメタの正式名称: その他 > 容量を調整する > 内部補償
- 実際の設定値の例: 0.10mmなど
- オブジェクトの内径サイズを調整。プラスは拡大、マイナスは縮小。
10.3 Z軸オフセット (#Z軸補正)
- パラメタの正式名称: その他 > Z軸オフセット
- 実際の設定値の例: 0.00mmなど
10.4 その他 > Zホップ
10.4.1 Zホップモード (#Z軸持ち上げ, #モデル保護)
- パラメタの正式名称: その他 > Zホップ > Zホップモード
- 実際の設定値の例: 常にオフ, 外郭を超える場合にオンなど
- このパラメタ「Zホップモード」は、プリント中にノズルが移動する際、特定の条件下でZ軸(垂直方向)を持ち上げる動作を設定するためのパラメタです。例えば「有効」に設定すると、ノズルが移動中に他の部分に触れないように少し持ち上がるため、モデル表面への傷や衝突を防ぎます。「無効」に設定すると、ノズルは水平移動のみを行い、Z軸の持ち上げは行いません。このパラメタは、特に複雑なモデルや繊細な部分が多いプリントにおいて、表面の品質とプリントの安定性を確保するために重要です。
10.4.2 Zホップ高 (#Z軸持ち上げ, #モデル保護)
- パラメタの正式名称: その他 > Zホップ > Zホップ高
- 実際の設定値の例: 0.20mm, 0.40mmなど
- このパラメタ「Zホップ高」は、プリント中にノズルが移動する際に持ち上がる垂直方向の高さを設定するためのパラメタです。例えば0.5mmに設定すると、ノズルが移動中に0.5mm持ち上がり、モデル表面への傷や衝突を防ぎます。また例えば1.0mmに設定すると、ノズルが1.0mm持ち上がるため、より高い障害物を避けることができますが、持ち上げと降下の動作が増えるため、印刷時間がやや長くなります。このパラメタは、特に複雑なモデルや繊細な部分が多いプリントにおいて、表面の品質とプリントの安定性を確保するために重要です。
10.4.3 Zホップ最小距離 (#Z軸持ち上げ, #モデル保護)
- パラメタの正式名称: その他 > Zホップ > Zホップ最小距離
- 実際の設定値の例: 1.00mm, 1.5mmなど
- このパラメタ「Zホップ最小距離」は、ノズルが移動中にZホップ(垂直方向の持ち上げ)を行うための最小移動距離を設定するためのパラメタです。例えば10mmに設定すると、ノズルが10mm以上移動する場合にのみZホップが発生します。これにより、短距離の移動ではZホップを省略し、効率的なプリントが可能になります。また例えば5mmに設定すると、5mm以上の移動でZホップが発生し、より多くの移動でモデル表面を保護しますが、印刷時間が若干長くなることがあります。このパラメタは、プリントの効率と表面の品質をバランスよく調整するために重要です。
10.5 その他 > レイヤーで一時停止
10.5.1 その他 > レイヤーで一時停止 > レイヤーを一時停止
10.6 その他 > 連続印刷
10.6.1 連続印刷の有効化 (#連続印刷, #生産性向上)
- パラメタの正式名称: その他 > 連続印刷 > 連続印刷を有効にする
- 実際の設定値の例: はい/いいえ
- STL ごとに印刷が完了してから次のモデルを印刷します。モデル間の糸引きが軽減されます。
10.6.2 ノズルのX軸余裕 (#連続印刷, #モデル間干渉防止)
- パラメタの正式名称: その他 > 連続印刷 > ノズルのX軸余裕
- 実際の設定値の例: 43.30mm, 36.50mmなど
- このパラメタ「ノズルのX軸余裕」は、連続印刷中にノズルがモデル間を移動する際のX軸方向の余裕を設定するためのパラメタです。例えば2mmに設定すると、ノズルが次のモデルに移動する際にX軸方向に2mmの余裕を持って移動し、前のモデルに干渉しないようにします。これにより、連続印刷中にモデル間の干渉を防ぎ、プリントの品質を維持します。また例えば5mmに設定すると、さらに広い余裕を持って移動するため、より安全にモデル間を移動できますが、移動距離が増えるため、印刷時間が若干長くなることがあります。このパラメタは、連続印刷中のモデル間の干渉を防ぎ、安定したプリントを行うために重要です。
10.6.3 ノズルのY軸余裕 (#連続印刷, #モデル間干渉防止)
- パラメタの正式名称: その他 > 連続印刷 > ノズルのY軸余裕
- 実際の設定値の例: 24.93mm, 41.50mmなど
- ノズルの中心から押出機の境界までの最大距離です。押出機とモデルが衝突しないようにするため、モデル間の距離はこの距離よりも大きくとってください。ラフトやブリムを有効にした場合は、ラフトやブリムの最大幅に合わせてモデル間の距離をより大きくとる必要があります。
10.6.4 ガントリー高 (#連続印刷, #モデル間干渉防止)
- パラメタの正式名称: その他 > 連続印刷 > ガントリー高
- 実際の設定値の例: 31.46mm, 29.50mmなど
- このパラメタ「ガントリー高」は、連続印刷中にノズルが次のモデルに移動する際のガントリー(プリンタの移動機構)の高さを設定するためのパラメタです。例えば10mmに設定すると、ノズルが次のモデルに移動する際にガントリーが10mm持ち上がり、前のモデルに干渉しないようにします。これにより、連続印刷中にモデル間の干渉を防ぎ、プリントの品質を維持します。また例えば15mmに設定すると、さらに高いガントリー高さを持って移動するため、より安全にモデル間を移動できますが、移動時間が若干長くなることがあります。このパラメタは、連続印刷中のモデル間の干渉を防ぎ、安定したプリントを行うために重要です。