前提
株式会社リンクアンドモチベーションでは、生成AIを活用した生産性向上プロジェクトを2024年から本格的に開始しています。ChatGPTをはじめとするサードパーティツールとともに、Difyを活用した専用ツールの開発にも取り組んでいます。
私はマーケティングやイベントディレクション、CSopsなどの業務経験を経て、2024年8月にこのプロジェクトにジョインしました。それまでは開発組織に属しておらず、AIについてもほとんど何も知らない状態でした。そして10月からDifyを使ったツール開発に挑戦しています。
本記事では、非エンジニアとしてDifyを活用したプロセスを通じて得た失敗と学びについてお伝えしたいと思います。
Difyを学ぶ期間
何をしたか
Difyの基本操作や活用方法を学ぶために、社内で毎週勉強会を開催してもらいました。ネットやSNSで情報を集めながら、実際にDifyを触って試行錯誤することで基礎を固めました。
学び① 完璧を目指すのではなく、まず試してみる
ネットやSNSで活用事例を見つけて自分で試してみました。その中で特に感じたのは、最初から全てを理解しようとするのではなく、まず手を動かしてみることが大事。そもそも知らないことも多く、アップデートも増えていくので、学びきるのは難しく、また見るだけでは分からない学びもたくさんあるので、実際にやることが良い方法でした。
SNSで紹介されていたDifyの使い方を真似て再現しながら操作感を掴むことで、自分の中に基礎が積み上がっていきました。疑問点が出たらChatGPTを活用し、設定ファイルを解析してもらうなどしながら、少しずつ前進していきました。
学び② すごいスピードで変わる世界。愚直に日々学ぶ
毎週新機能がリリースされるスピード感に圧倒されました。新しい機能をキャッチアップするのは大変で、一度でも学習が滞ると置いていかれる感覚がありました。ただ、毎日SNS見て必死にキャッチアップして、自分の知識やスキルも加速度的に向上していくことを実感しました。
思い通りにいかないことが何度もありましたが、その都度試行錯誤する中で新しい発見がありました。失敗するたびに、次にどのように取り組めば良いかがクリアになり、ツール開発における自信が少しずつ育まれました。
Difyでのツール開発
何をしたか
次に取り組んだのは、Difyを使って現場メンバーが実際に利用できるツールを開発することです。先人の方が開発プロセスと注意点を言語化してくれていたので、それをもとに、現場の課題をヒアリングし、日々の業務を効率化するツールを2カ月で設計・実装しています。プロトタイプの段階から現場メンバーのフィードバックを取り入れながら、機能をブラッシュアップしていきました。(絶賛取り組み中)
学び① 意外と業務プロセスは単純じゃない
ツール開発を行うには、ある程度人によって業務プロセスが共通化されていることが重要ですが、対象の部署ではメンバーによってやり方にバラつきがあったり、顧客ごとに異なることがありました。なので、ツールでどこを解決するか?が迷子になることもありました。
その時はマネジャー/リーダークラス数名と話し、何を共通とするか、どういうやり方が良いか?を話しながら作っていきました。
学び②これよさそう!というクオリティに仕上げるまでが大変
中途半端なクオリティでは利用の定着化は図れないということを教わっていましたので、「これいい!」という感動レベルに仕上げたいのですが、まだまだDifyの理解も浅いので、苦労しました(しています)。
プロンプトを少し書いてchatGPTでやるのと何が違うのか?が私の場合は大きな壁で、どんなアウトプットがあれば、すごい!となるかを考えました。
例えば提案する研修の骨子を作成するBOTを作りましたが、研修対象者の課題(なぜ問題が起きているか)を業界や役職などから深堀りさせる機能のが好評でした。
まとめ
実はまだツールを開発中で、効果的なものをリリースするまでには至っていません。
ただ、ここまでを振り返ると、Difyの知識以上に使われるツールを作ることの難しさに直面しました。しかし、難しいことばかりですが、とにかく楽しい。
これまでの仕事の中で、形になるまでに時間がかかる、リリースしたものの反応は数字だけ、ということもある中で、「すぐに形ができる」「実際に使ってみた声を聞ける」というのが本当に嬉しいなと思います。
また、Difyを使った学習と開発を通じて、完璧を目指すのではなくまず試してみることの重要性、そして失敗から学ぶことの価値を改めて実感しました。生成AIの進化が早い今だからこそ、できない理由を探すより、やってみることが鍵だと感じています。
この記事が、非エンジニアの方や生成AIに興味を持つ方々にとって、一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。