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エンジニアの命。キーボードの修理方法

Last updated at Posted at 2021-12-17

本記事は、サムザップ Advent Calendar 2021 の12/18の記事です。
昨日の記事は @higuchi_yuta さんの「【Unity】コマンドバトルにおける新ルールの実装コストを削減した設計」でした。


みなさん。普段どのようなキーボードを使用されていますでしょうか。
社内でもどんなキーボードを使っているのかよく話題になったりしますよね。
エンジニアの方は特にこだって選ばれているであろうキーボード。

自分が今使用しているキーボードはMistel Barroco MD600というキーボードを使用しています。
有名なCherry MXというスイッチ(軸)を使用したキーボードになります。

会社で使っている方がいたので試しに使わせてもらったところ、
とても良かったので自分も使わせてもらっています。
キーカスタマイズも可能。そして左右がセパレートできて使用できるという優れものです。
真ん中に検証端末を置いたりなど何かと便利です。

キーボードを打つときもピグモンみたいにならなくて済みます。(ピグモンって何!?
そして肩こりが減った気がします。

修理に至る経緯

すでに販売終了しており新品で手に入らないキーボードなのでオークションにて入手しました。
中古相場よりも安く手に入って浮かれていたのも束の間、すぐには気がつかなかったのですが
「.」キー、「5」キーの調子が悪く、右上に力を入れながら強めに押下しないと入力されない状態でした。
ノンクレーム・ノンリターンの商品だったためどうすることもできず泣き寝入るハメに。。。

エンジニアにとって「.」キーは無くてはならない存在!
料理人からまな板を取り上げるようなものです。

保証期間も切れているし、買い替えようにも販売終了していて売っていないという状況。
何もせず諦めるよりは壊れてもいいからなんとかしよう。

「自分で直すしかない!」

という結論に。
調べた結果、直すには2つの手段がありそうでした。

・接点復活剤を使用する。
・CherryMXのスイッチ(軸)を交換する。

接点復活剤を使用する方法はキーキャップを外して外から塗布するだけなのでキーボードを
分解する必要もなくとても簡単だったため真っ先にこちらを試しました!
しかし、使用した直後はすこぶる軽快だったのですが、
次の日に作業をしていたらキーの効きがまた悪くなってきて元に戻ってしまいました。
(自分のキーボードの場合なので他のケースでは大丈夫なこともあるのかも)

結果、CherryMXのスイッチ(軸)交換をすることになったわけです。

準備


修理を行うにあたって必要な道具を用意する必要があります。
Amazonでセットになっているものが2300円ぐらいで売っていたので大半はそれで揃いました。
Amazon

必要なものリスト
はんだごて はんだを溶かすのに使用します。
はんだ吸い取り機 or はんだ吸い取り線 溶かしたハンダを吸い取る道具です。
空気の力で吸引するタイプ表面張力で吸引するワイヤータイプの2種類ありますが今回は前者を選びました。
はんだ はんだにも色々と種類があるようですが今回はセットで付いていたものを使用しました。
ドライバー キーボードを分解するときにネジを外すようです。ネジにあったドライバーを用意しましょう。
キーキャップ外し キーキャップを外す道具です。キーボードのメーカーによっては同封されている場合があります。
しかし、今回ポイントとなるのがピンセットになっている部分です。
代用できるものがあれば不要です。
(500円ぐらい)

Amazon
替えのCherryMXスイッチ(軸) ネットで購入しました。自分のキーボードに合った銀軸のものにしました。
(10個入りで1000円ぐらい。)

Amazon
折れない心 分解するため壊れてもメーカー保証外となり自己責任となります。
「壊れてもしょうがない。」と思える強い意志が必要です。

修理開始!


今回、調子の悪いキーは「.」キーです。自分のキーボードの場合は左右で分かれているため、
作業しやすいように右側を作業しやすい位置に持ってきます。


「.」キーの位置はここです。


キーボードをひっくり返してネジ穴を探し、ドライバーでネジを外します。


ネジを外すと簡単に表側のカバーを外すことができました。
(ネジを無くすと替えがないので気をつけます。)


次に基板を外しにかかります。


手前側を持ち上げながら引っ張るとプラスチックのケースから外すことができそうです。


こんな感じで中身を取り出せました。


次に修理を行いたいキーのキャップを外していきます。
後の作業の邪魔になるため隣接するキーキャップも外します。
(開ける前にやっても良かったかもしれない。。。)


こんな感じです。まだCherryMXスイッチ(軸)は基板にはんだ付けされているため、
今の状態だとどんなに引っ張っても外すことはできません。


これが基板です。
規則正しく似たような部分がいくつも並んでいるためCherryMXスイッチ(軸)の箇所はすぐに分かります。


はんだを除去する作業に入りたいのですが基板を見てもぱっと見てどれが
「.」キーに対応した箇所なのかがわかりません。


なので表と裏を交互に確認しながらここだ!という箇所を見極めましょう。


外す場所がわかったらここではんだごての登場です。
電子工作のど素人が基板を直接いじるのはちょっと不安ですがもう後には引けません。
(温度調整機能がついていたので調べたところどうやら350℃の設定が良さそうなので設定します。)


はんだを熱して液体状にします。
(※長時間熱しすぎると近くのパーツにダメージを与えることがあるらしいのでなるべく手早く済ませます。)


すかさず、はんだ吸い取り機で吸引します。
はんだづけされている箇所が2箇所あるので1つずつ対応していきます。


このような感じでCherryMXスイッチ(軸)の足と基板の穴の間に隙間ができて基板からスイッチを外すことができます。


キーキャップ外しの反対側についていたピンセット状の道具を使用してCherryMXスイッチ(軸)を外します。
ここでちょっとコツがありました。
スイッチの上と下にひっかけのようなツメがあるので上下同時にそれを押しながら手前に引っ張ります。


取れました。


左が古い方。右がこれから交換する新品のCherryMXスイッチ(軸)です。
(古いほうが若干黄ばんでいるような)


新しいCherryMXスイッチ(軸)を取り付けていきます。
カチッとハマるまで指で押し込みます。ツメが引っかかるので裏っ返しても落ちてきません。
(足の位置が基板側の穴に合うように入れるため上下を間違えることはなさそうです。)


はんだ付けをします。
このままだとCherryMXスイッチ(軸)が基板と通電できないため動作しません。


さくっとはんだ付けします。
素人なのであまり綺麗にはいかなかったですが無事取り付けました。
ここまでで面倒な作業は完了し終わったも同然です。


基板と取り外したのと逆の手順でケースに戻していきます。
ケースと基板側をねじ止めします。


蓋をしてキーボードの裏からねじ止めします。


キーキャップを元に戻します。これで元通りです!


パソコンに接続して入力を試します。


不具合のあったキーの入力がスムーズにできました!!!

結果

とても満足のいく結果となりました!

最後に

各種道具の分の計4000円ぐらいお金はかかってしまいましたが
新しいキーボードを買い直すよりは全然リーズナブルです。

しかもCherryMXスイッチ(軸)はまだ余っているので
今後、また調子が悪いキーが出てきてもすぐに直すことができそうです。

慣れれば30分もかからず直せそうですね。
販売終了がしているキーボードなのでそもそも買い直せないですし、
とても良いチャレンジとなりました。

何かあっても自己責任となりますが、何もせずに捨ててしまうぐらいなら
やってみる価値はあるのではないかと思います。

(このキーボードの復刻版が最近出たらしい。)

おまけ

過去に使用していたFILCOのキーボードもCherryMXスイッチ(軸)だったので開けて基板を見てみたのですが似たような作りになっており、何かあればこちらも直せそうな気がします。


明日は @takahashi-kenichi さんの記事です。

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