概要
新試験、SAP on AWS Specialtyを取得した記録をします。
やったことを思い出せる限り書きます。
About me
インフラエンジニア6年目、AWSメインで業務を日々行っています。
AWS認定資格は今回の取得で全冠キープです。
どんな試験なのか
まずSAP自体はこちら
https://www.sap.com/japan/about/company/what-is-sap.html
想像以上に、SAPのシステムに対しては何年もAWSが取り組んでいる分野(パートナー)でした。
お客様事例のページがありますが、3ページ目で一目瞭然です。
とくに2019年以降は進化頻度がものすごいですね。
耳にしたこともあるかも知れないですが、2025年問題というものがあります。
SAP ERPの保守期限がその年までだったので、移行や新規構築に伴いSAPに関する技術者が不足するだろうという問題ですが
現在は一旦期限延長により実質「2027年問題」に変わっています。詳しくはこちら
さて、試験対策ですが
既存のSAPシステムをAWSクラウドにリプラットフォームする際や
SAPシステムをAWSに新規構築する際の手法を問うような知識問題です。
SAPに関するそこまで詳しい知識は問われず、あくまでAWSサービスに関する問題になります。
詳しくは試験ガイドをご覧ください。
いつも書いていますが試験ガイドはとても重要です。
特に、どんなサービスの問題が出るのかなどは試験ガイド下部に記載があるので注意深くご覧ください。
他の既存試験に比べて情報は少なかったですが
私自身は、以前転職をした際にSAPシステムを構築している企業様の話を伺ったこともあり
はじめは「莫大なメモリを使ったEC2なんだろうな」「SAPの製品ある程度知らないとだろうな」という漠然としたイメージが形成されていました。
実際、metal系のスペックを知ったとき当時ワクワクしました。
やったこと
今回の試験対策として取り組んだことを記載します。
AWS公式学習資料
基本的にはSAP on AWS Specialty CertificationというPartnerCastを利用しました。
その後、模擬試験(Specialty Official Question Set)も解きました。
必須だと感じたこと
必ずやるべきは、よくあるアーキテクチャをしっかり理解することです。
通常のWebサービス用アーキテクチャは様々なパターンがありますが、SAPの場合はほぼ決まっています。覚えてしまえばこっちのものですね。
AWSクラウドで実現するシステム構築パターンはこちらAll-on-AWS Architecture
ご覧の通り、VPNやDXを利用していますが企業環境とのやり取りが必要なので、その構築も要ります。もちろん、VPC環境のNATや基本的なNetworking知識は必須です。
具体的なケース例も先程のお客様事例のページに沢山記載されています。
VPC内のアプリケーションにどのようなアクセスが要るのか、どうやって実現させているのかを理解するに当たり
公式ブログも役に立ちました。
設計にあたっての勘所が記載されています。
EC2はインスタンスタイプによって認定状況が異なります。こちらもざっくり覚えました。
https://aws.amazon.com/jp/sap/instance-types/
併せて、実際に構築する際の、SAPソフトウェアのサポート要件もチェックしました。
サンプル問題もこなしておきましょう。
これらを抑えた上で以下も頭に入れておきました。
-
SFTP - 外部システム間でデータを配布する方法(完全に把握はしなくても良い)
https://aws.amazon.com/jp/blogs/awsforsap/aws-transfer-for-sftp-for-sap-file-transfer-workloads-part-1/
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/aws-transfer-for-sftp-for-sap-file-transfer-workloads-part-2/ -
Overlay IP Addressを使用する例
DR対策
基本的な考え方はこれまでの試験でも学んだ内容です。
AWS でのディザスタリカバリ (DR) アーキテクチャ、パートI:クラウドでのリカバリの戦略
- シンプルなバックアップシステム
- パイロットライト
- ウォームスタンバイ
- マルチサイトアクティブ/アクティブ(贅沢・・・)
パターン別でしっかり復習をしておくことで、ビジネス目標RTO/RPOごとに最適な戦略を用意することが出来ます。
他にも「スモールセカンダリ」と「シェアードセカンダリ」など全く知らなかった概念もありました。
感想
知らない用語がたくさん出てきたので、はじめは色々割り切って覚えました。
やっていくにつれて少しずつ理解が深まり、なんとなくやりたいことがわかってきます。
同時に、今までの試験を経てから今回受けることが出来て助かったと感じました。
SAPの用語や専用アーキテクチャに加えて、基本的なAWSにおける知識やベストプラクティスもこれから理解するとなると
少なくともあと3ヶ月以上はかかったのでは、と思いました。
私自身SAPを扱うことはないのですが、とても良い勉強になりました。
今回の学習時間は20-30h程です。
ありがとうございました。