Power BI でビジュアルを作成して値を表示したとき、デフォルトの設定では、負の値には「-」が表記されますが、正の値には「+」は表記されません。
売上や注文数の指標をみるのであれば、このままで全く問題はありません。しかし、対昨年比や対予算差など、対象からの増加をみたい場合には、正の値の前に「+」を表記したほうが、伝わりやすくなることがあります。
この要件はカスタム書式設定
を利用すると簡単に解決できます。本記事では、カスタム書式設定とは何か、それを利用して正の値の前に「+」を表示する方法について紹介します。
ちなみに、カスタム書式を利用しなくても、メジャー内の記述でIFやSWITCHを利用して、値の正負に応じて「+-」のテキストを表示する方法もあります。しかし、メジャー内の記述が長くなって保守性が落ちるため、こういったケースではカスタム書式の活用を推奨します。
カスタム書式とは
カスタム書式は、正式にはカスタム書式設定文字列
という名称です。この記事では、略称でカスタム書式と呼ばせていただくことにします。
Power BI Desktopのカスタム書式とは、ビジュアルで表示するメジャーの表示方法をカスタマイズできる機能です。この機能を使うと、「正の値の前に+を表示」や「%をptに単位変更」など、表示方法を柔軟に変更することができます。
このあと、「正の値の前に+を表示」する設定の方法を説明しますが、その前にカスタム書式のポイントを2つ説明します。
カスタム書式の読み解き方
少数1桁の%で正の値には「+」、負の値には「-」をつけるケースでカスタム書式を設定する場合、以下のようなイメージになります。
この設定の例を使い、書式の読み解き方を説明します。
カスタム書式はセミコロン「;」で3つのセクションに区切られています。これは手前から「正・負・0」の順に表示を定義できるようになっています。つまり、この例では、正の値では「+」、負の値では「ー」、0のときはどちらもつけない、という表示の設定をしています。
設定できる場所は3段階で上書きのレベルがある
Power BI Desktopでは、カスタム書式を設定できる対象は3種類あり、上書きのレベルが存在します。
設定ができる対象の種類は「モデル」「ビジュアル」「ビジュアルの要素」の3つで、下記の図(公式引用)の通り、モデル < ビジュアル < ビジュアルの要素という順で上書き(オーバーライド)のレベルが設定されています。
つまり、モデルとビジュアルの両方でカスタム書式を設定した場合は、ビジュアルで設定したものが反映され、ビジュアルとビジュアル要素の両方で設定した場合は、ビジュアルの要素で設定したものが反映されます。
出典:Power BI Desktop でカスタム書式設定文字列を使用する
更に補足すると、「ビジュアルの要素」のカスタム書式は、すべてのビジュアルに準備されているわけではなく、新しいカードや新しいスライサーなど、特定のビジュアルでしか用意されていません。(執筆の25年8月時点)
そのため、メジャー単位で設定したいものは「モデル」、特定のグラフや表のみに設定したいときは「ビジュアル」、要素の設定ができるビジュアルを使っている&より細かく設定したいときは「ビジュアルの要素」で設定する、といった使い分けが良くあるパターンだと思います。
カスタム書式について、より詳しい情報を知りたい方は、以下の公式ドキュメントをご参照ください。
正の値の前に「+」を表示する方法
メジャーでカスタム書式を設定し、正の値の前に「+」を表示する方法を紹介します。
※ここでは、「モデル」に設定する方法を説明しますが、違いは入力する箇所だけのため、同様に「ビジュアル」や「ビジュアルの要素」にも転用が可能です。
➀Power BI Desktop の画面左の「モデルビュー」から、データペインで対象のメジャーを選択し、書式設定を「カスタム」に変更する。
➁カスタム書式の入力箇所が表示されるため、表示フォーマットに合わせて入力します。本記事では以下のケースとします。
※少数1桁の%で正の値には「+」、負の値には「-」、0は記号無し
+0.0%;-0.0%;0.0%
カスタム書式の説明でも記載しましたが、カスタム書式の入力方法は「;」で3つのセクションに分け、「正・負・0」の表示を定義できます。「0.0」は少数1桁を意味し、たとえば左のセクションは正の定義をする箇所のため、「正の値のときに少数1桁で、値の前に+、後ろに%を表示する」といった意味になります。
定義できる構文を詳しく知りたい方は、サポートされているカスタム書式設定構文がこちらの公式に記載されています。
上の手順で設定は完了です。設定したメジャーを利用すると、以下のように反映され、無事に正の値の前に「+」が表示できたかと思います。
あとがき
カスタム書式を利用して「正の値の前に+を表示する方法」を解説しました。カスタム書式は汎用性が高く、知っておくと無駄にメジャーを複雑にしないで済むようになるので、Power BI Desktopで開発をする方には是非、理解することをおすすめします。
また、今回紹介した表示とは違うケースで、表示フォーマットを変更したいなどのケースがあると思います。本記事で添付している公式ドキュメントを読み、設定できる構文を理解して使用するのが一番良いとは思いますが、ChatGPTなどの生成AIに聞いて色々試してみるのも良いかもしれません。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。
この内容が、一部分でも誰かの参考になればうれしいです。
参考
Microsoftの公式ドキュメント