Power BI のマトリックスでは、列の横幅を数値で指定する機能はありません。しかし、幅の自動サイズ調整
の機能を応用することで、列幅を任意のサイズに調整することができます。
本記事では、マトリックスの列幅を調整する方法を紹介します。

マトリックスの列幅における課題
まず課題から説明します。冒頭にも記載した通りで、Power BI のマトリックスには、列の横幅を数値で指定する機能がありません。
そのため、列幅を調整する基本的な操作は主に次の2つになります。
- ➀幅の自動サイズ調整をON → 値の幅に合わせる
- ➁ビジュアルを手動でドラッグ → サイズを調整する
しかし、➀の方法は、列がもつ値の最大幅に自動で合わせられるため、次のように横幅がばらばらになって見栄えが悪くなります。

一方、➁の手動で調整する方法では「完全に等幅にできない / 列数が多かったときに手間が大きい / 現在表示されていない未来の年月に適用できない」などの理由でなにかしらの課題が生まれてきてしまう。
そのため、別の方法を模索する必要があり、本記事ではこのような課題を解決するための方法を紹介します。こちらの方法では、以下のようなことが実現できます。
- マトリックスの列を任意のサイズに調整ができる
- マトリックスの列を等幅に固定する
マトリックスの列幅を調整する手順
マトリックスのオプションにある幅の自動サイズ調整
の機能を応用し、以下の手順でサイズ調整をおこないます。
- サイズ調整で利用するメジャーの準備
- 幅の自動サイズ調整ON → 値に調整メジャーを入れる
- 幅の自動サイズ調整OFF → 値に従来メジャーを入れる
1. サイズ調整で利用するメジャーの準備
サイズ調整で利用するメジャーをDAXで作成します。今回の例では、数値10桁の横幅に調整するメジャーを準備しています。
※こちらは数値でも文字列でも任意のもので大丈夫です
マトリックス列幅調整_数値10桁 = 7777777777
2. 幅の自動サイズ調整ON → 値に調整メジャーを入れる
対象マトリックスのビジュアル書式設定から「列見出し→オプション」を選択し、「幅の自動サイズ調整」の機能を一時的にONにする。

マトリックスビジュアルを選択し、一旦、値だけ1で作成した列幅調整メジャーに差し替える。※行と列はそのままでOK

次のように列幅調整メジャーの大きさに合わせられていればOKです。
3. 幅の自動サイズ調整OFF → 値に従来メジャーを入れる
対象マトリックスのビジュアル書式設定から「列見出し→オプション」を選択し、「幅の自動サイズ調整」の機能をOFFにします。

マトリックスビジュアルを選択し、先ほど差し替えていた値を従来のメジャーに戻します。

次のように従来のメジャーに戻しても、列幅が調整した大きさで固定されていればOKです。
おわりに
本来なら既存の機能で列の幅をpx単位で指定できると嬉しいのですが...ないものは仕方ないですね。追加されることを祈り、それまではこの方法で凌げばよいのかなと思います。
以上、本記事が少しでもどなたかの役に立てますと幸いです。