はじめに
メジャーの整理はできていますか?
Power BI Desktopで開発をすすめると、メジャーの数は増え続き、どこに何があるのか分かりづらくなります。
整理されていないメジャーは探しづらく、利用者にとっても、開発者にとっても、余計な時間を消費する原因となります。
そこで本記事では、筆者が効果を実感しているメジャー整理の方法を2つ紹介します。
これらを活用すれば、メジャーが探しやすくなり、利用・保守の効率向上が期待できます。
目次
- メジャーテーブルに集約する
- テーブル作成
- メジャーの作成&移動
- 不要なカラムの削除
- フォルダで階層的に整理する
- まとめ
メジャーテーブルに集約する
初めにメジャーテーブルを準備します。
メジャーは任意のテーブルに作成できますが、無秩序に複数のテーブルへ分散すると、目当てのメジャーを探すのに手間がかかります。そのため、すべてのメジャーを集約するテーブルを用意して1箇所で管理するのがおすすめです。
実際に準備する方法を順を追って説明します。
テーブル作成
①Power BI Desktopのホームタブから「データの入力」を選択します。
②メジャーテーブルに任意の名前を付けて、読み込みを選択し、空の列のみをもつテーブルを作成します。※この列はあとで削除もしくは非表示にするため、既定の列名(列1)と値(空白)のままで大丈夫です
名前は分かりやすく明確に設定しましょう。
いくつか例を記載しておきます。
例:「Measure / Measures_KPI / _Measures / Measures_Table」
メジャーの作成&移動
メジャーテーブルを作成したら、以降の新規メジャーは基本そのテーブルで作成します。メジャーの作成はご存じの方が多いと思うので、ここでは、既存メジャーをメジャーテーブルへ移す方法を紹介します。
①画面左のモデルビューに遷移し、右側のデータペインから移動させたいメジャーを選択します。
②プロパティのホームテーブルに移動先のテーブル名を選択すると、該当のテーブルにメジャーが移動します。
※右側のデータペインからメジャーを直接ドラッグすることで、保管するテーブルを移動させることも可能です
不要なカラムの削除
メジャーテーブルに1つ以上のメジャーを作成または移動したら、不要な列を削除または非表示にします。
※削除をする場合は必ず先に1つ以上のメジャーを作成または移動してください。メジャーが存在しない状態で、作成直後の唯一の列を削除すると、テーブルが空になり自動的にが削除されてしまいます。
削除方法はいくつかありますが、対象列の右側にある「...」メニューから「モデルから削除」を選択すると削除できます。
不要な列を削除・非表示にする理由は、利用しない列に認知の工数を割かないことに加え、もう1つ理由があります。
下図のとおり、メジャーのみで構成されたテーブルには計算機アイコンが付き、通常の列名順の並びではなくデータペインの最上部に表示されるようになります。
これによって、メジャーが常に最上部にまとめられる、かつ、アイコンで認知できるため、視認性や操作性の向上が期待できます。
フォルダで階層的に整理する
次にメジャーのフォルダ分けについて紹介します。
メジャーは数十個以上、多いときは数百にもなることがあります。そのまま一覧表示では目的のメジャーを探すのに時間がかかるため、フォルダ分けして整理しておくと効率的です。
フォルダの作成は以下の手順で簡単にできます。
①データペインから対象のメジャーを選択します。
②プロパティの「フォルダーの表示」に任意のフォルダ名を入力する。
※一度作成したフォルダへは、メジャーをドラッグ&ドロップするだけで移動できます(ドラッグ時にプロパティも自動で更新されます)また、フォルダ名をバックスラッシュ「 / 」 で区切ることで、サブフォルダも作成ができます。
詳細は以下の公式ドキュメントをご参照ください。
まとめ
本記事では、メジャーを探しやすく、管理しやすいモデルを構築するための2つのメジャー整理方法を紹介しました。
1. メジャー専用のテーブルを作成して集約する
2. フォルダを活用して階層的に整理する
これらを実践すれば、レポート開発時の探しやすさや保守性が向上し、利用者の操作効率も高まります。組織でPower BIを運用している場合は、ぜひ取り入れて無駄な負担は減らしましょう。
以上、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
参考
初めてメジャーテーブルの概念を理解する際に参考にさせていただいた記事です!
Microsoft公式ドキュメントでフォルダ分けの詳細が掲載されています