背景
日清紡マイクロデバイス株式会社の環境センサーボードである「RIOT-002B」の動作確認を行ったのでやってみたこと、確認できたことを共有します。
概要
環境センサーボード「RIOT-002」は、温度・湿度・大気圧・照度・加速度がモニターできるボードで、BLEを使用してandroid端末との通信ができます。
android端末には専用アプリをインストールしておく必要がありますが、専用アプリはwebページに無料で公開されています。
また、日清紡マイクロデバイスの電源管理モジュールが搭載されており、低電力で使用することができます。低電力で使用できることから、エナジーハーベストで使用することも可能です。
使用機器
RIOT-002B
PC
androidタブレット(Qua tab QZ10)
(AndroidOS7.0以上かつBluetooth4.1以上という条件を満たしておけばなんでも可、スマートホンでも利用可能です)
必要なもの
usb変換ケーブル(必要であれば、usbメモリをスマートホンに接続するため)
usbメモリ
携帯機器用ソーラーモジュール 300mW
ツェナーダイオード(Vz = 5.6V)
USBtype-CコネクタDIP化キット
手順
- ソーラーモジュールの準備
- 二次電池の充電
- アプリケーションのインストール準備
- アプリケーションのインストール
- 動作の確認
- デバイスの設定の変更
- 受信アプリケーションの設定の変更
方法と結果
- RIOT-002Bにソーラーモジュールをはんだ付けする
動作可能入力電圧の最大値(5.5V)を超えた入力や、逆接続からの保護のためにツェナーダイオード(Vz = 5.6V)をVinとGNDの間に入れておきます。
外部からの充電を可能にするためにピンヘッダををつけて、外部から充電を可能にしています。
本来であれば安定化電源を接続するのがベストですが、USBからの電源供給でも充電が可能です。
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電源スイッチをオフ状態にして、太陽光に曝露させることで、センサーボードを充電する
ドキュメントには動作可能になる目安時間は7時間とあるので、気長に待ちます。太陽光のみで充電したところ、窓際で強い直射日光が当たる状況で、のべ2日かかりました。
動作を確認するために安定化電源を接続して、充電を行ないました。
5Vで充電すると10mA程度流れていることを確認しました。(充電可能最低電圧4.4V以上を付加しないと充電がされません) -
android端末にアプリケーションをインストールする準備
アプリケーションは公式ページからダウンロードします。
Riot_Monitor v1.28とRIOT002_setting v1.00の両方をダウンロードします。
zipファイルでダウンロードされるので、すべて展開します。
展開にはパスワードが必要になります。パスワードはRIOT-002B購入時に添付されてくるものを使用します。
解凍したフォルダを移動用のUSBメモリにコピーします。
android端末からUSBメモリにアクセスできるように、android端末にfilesというアプリを入れる必要があります。
google play storeでfilesと検索してandroid端末にインストールしておきます。
android端末上でXMLの編集をできるように、XML editorというアプリをgoogle play storeからダウンロードしてインストールしておきます。
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android端末にアプリケーションをインストールする
android端末からUSBメモリを開いて、RIoT_Monitor_V1_28フォルダの中のapkファイルを開きます。
アプリをインストールするか聞かれるので、インストールを押します。
セキュリティの確認が出ますので、承認します。
これでandroid端末へのアプリケーションのインストールが終わりです。
ここで、設定用のXMLファイル(RIOT_Monitor.XML)をandroid端末に移動させてておく必要があります。
android端末の中にRIOT_Monitorというフォルダが作成されていますので、その中に移動します。
同様にして、riot002_settingもインストールします。 -
実際にセンサーボードをandroid端末に接続して、動作を確認する。
デバイスのスイッチをオンにします。LEDが点滅して、電源が入ったことを確認します。
(二次電池の充電電圧が2.43Vを超えていないと動作しませんので、注意してください。)
RIOT monitorを開くと、特別な設定は必要なく動作することが確認できました。
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デバイスの設定を変更してみる
RIOT Settingアプリを開きます。
ここでは設定が変更できることを確認するために、デバイスの名前を変更してみました。
名前を変更して、Writeボタンを押します。
Turn on the deviceと表示された後に、デバイスの電源をオンオフしてリセットします。
設定変更の通知が出ると設定変更の終了です。
- 受信側の設定を変更してみる
設定用のRIOT_Monitor.XMLファイルをXML editorで開きます。
グラフの表示時間範囲を変更してみます。
106行目の
<Global DisplayedPeriod="60" UpdateInterval="10" UpdateIntervalType=...
を
<Global DisplayedPeriod="1800" UpdateInterval="30" UpdateIntervalType=...
に変更します。
(DisplayPeriodは表示時間範囲を意味しており、1800は60*30で30分を意味します。)
設定を保存して、ファイルを閉じます。
RIOT Monitorアプリを再起動すると、設定が変更されていることが確認できます。
感想と発展
アプリケーションマニュアル通りに準備を行なうことで、センサーの動作を確認することができました。
アプリケーションのとして、温度や振動で閾値を決めておいて、閾値を超えるとLINEのアラートを発火するようなアプリケーションを作成したいと考えています。手始めにラズベリーパイと接続できるようにして、IoTのデモの作成から始める予定です。
appendix
用語説明
ツェナーダイオード
一定以上の電圧をかけると絶縁が破壊されるため、電圧を一定に保ちながら電流が流れるダイオード。定電圧ダイオードとも呼ばれる。
二次電池
化学電池の内の一つであり、充電と放電を繰り返して使用することができるもの(蓄電池、充電池、燃料電池など)のこと。充電することで元の状態に戻る「可逆反応」を実現できる物質を充填している。
参考情報
RIOT-002
FREE AID ツェナーダイオードとは
二次電池とは
一次電池・二次電池とは?違いや構造を解説
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