認知症フレンドリーテックハッカソンに参加した際に、プロダクトのコア技術にLINEを使用しました。認知症フレンドリーテックハッカソンに参加した際の感想はこちらをご覧ください。
今回私たちは、なかまのなかまというプロダクトを作成しました。このプロダクトは、もしもの際の為に地域とのゆるいつながりで、支え、支えられる仕組みを作るためのものです。
LINEによる入力情報と、push通知、ビーコンを利用した位置情報を利用して、地域資源情報と組み合わせて、ユーザーと地域の出会い直し(繋がりづくり)から、”もしもの備え”を支援するプロダクトです。
なぜLINEを使用したか
今回はユーザーとして高齢者、またこれから高齢者になる人を想定しましたので、分かりやすいインターフェースとして、通信のデファクトスタンダードであるLINEを使用しました。また、LINEは通信のデファクトスタンダードであり、60代後半の人でも6~7割以上の人が毎日LINEを使用しているというデータもあります。SNSではLINEのみ使用可というユーザーも多いと言われています。
さらに、自分が見守りが必要な年齢になったときに新しいことを覚えるのは大変なので、比較的若いときから使い続けているLINEを使用するのが良いと考えました。
技術的なことをいうと、Mssaging APIだけでなく、LINE Beaconや、LIFFの機能もあるので、全体をLINEの機能で実装できるのではないかと考えました。イベントトリガー用のビーコンにLINE Beaconを選択したのは、スマートホン用の専用アプリを作成する必要がなく、LINEの機能の一つなので、LINEとの相性が良いはずだと考えたからです。
LINE BEaconの利用例
LINE Beaconの実装は、まずはラズベリーパイで動作確認を行い、その後ESP32というマイコンで行いました。実際の流れを下記に示しました。
◆LINE側の作業
・ビーコン受信用にLINE公式アプリを作成する
・公式アプリのチャンネル設定を行なう
・ビーコン用に公式アプリと紐づけたビーコン用のHWIDを発行する
◆デバイスに対しての処理
・ESP32をビーコンにするために、プログラムを書き込む(発行したHWIDを利用する)
◆クラウドでの処理
・クラウド側はenebularで作成、HWIDを利用して場所を把握する
・利用者がビーコンの範囲内に入るとpush通知をするように設定する
実際の実装方法については、ネット上に良記事がたくさんあるので、今回は割愛します。今回の実装では、ビーコンの受信範囲、アドバタイジングの間隔など細かい設定を作成できませんでしたので、これからの課題です。
ビーコン用のデバイスに関しては、自分で作成することが面倒であれば、このようなものもありますので、購入を検討されてもよいかもしれません。クラウド側はenebularで実装していますので、動作確認を行うだけであればシンプルなフローで動作させることができます。
プロダクトにLINEを使用しての感想
LINEを利用することでスピーディに実装することができました。誰かと話すようなイメージで分かりやすいインターフェースの作成に可能性を感じました。ビーコンについてはまだまだ未知数のことが多いですが、早めに実装して使用した感想を集めていきたいと考えています。
互助の精神でゆるい見守り環境をLINEを使用して実装することでライフプラットフォームとしてのLINEに可能性を感じました。
これからの野望(個人的な希望)
まずは概念実証(PoC)ができる状態まで開発を進めていきたいと考えています。そこからワークショップや勉強会等を行うことで市民開発者を増やし、地域の人と一緒に作り上げていきたいと考えています。
LINEを利用したゆるいつながりを作成することで、見守りだけでなく、行政DX、防災、ヘルスケアにつなげていくことができると良いと考えています。
参考情報
LINEでここまでできる!最新APIで実現できる16の活用事例
LINE Developpers LINE Beacon
なかまのなかま