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戦術勝利を積み重ね戦略勝利を掴み取るために本当に必要だったこと

Last updated at Posted at 2015-06-01

前振り

この前のAmazon Kindle 50% pointバックセールで銀河英雄伝説が50%offだった。
あれのせいで有能とか無能とか言い始めたのは私の黒歴史である。

さてそれはいい。
私はあれで戦略と戦術の違いを学んだ。

この前雑誌をパラパラ見ていたら、最近は戦略(Starategy)と戦術(Tactics)の間にさらに作戦(Operation)というものがあるらしい。

[作戦の注目のきっかけ]

80年代、日本はバブルでイケイケだったんだけど、アメリカはどん底の不況真っ只中だった。
当時アメリカは超大国で、現場では局面レベルでは物量と資金力をいかし「圧倒的ではないか、我が軍は!」ができ、おおきな戦術レベルの勝利を収められた。
しかし戦術的勝利が戦略レベルでは影響を与えず、むしろ負け続けた。

野球でいうヒットは相手の二倍以上打ったのに得点になかなかつながらず、継投策はだめだめで負けた感じである。
アメリカ人は「なんで負けたんだ」と真剣に考えた結果、戦略目標にそって戦術的成果を積み重ね、勝利に向かわせる構想の部分、作戦(Operation)がほぼ無視されていることがわかった。
教科書には載っていたが実践においてはあまり重視されず、役員が考えるレベルの戦略と現場チームが考える戦術に間におおきなギャップがあり、両方が連携せずに戦略目標に貢献しない戦術行動の数々にいたずらにコストだけが注ぎ込まれた。

これはなんとかしないといけないと考え、野中郁次郎だったり半世紀前のロシアの偉い人だったりほかいろいろの資料をあさりつつ1つの概念をまとめたのがArt of Operationである。
各級ディレクターは上位のディレクターの設定した戦略的ゴールに沿うように構想と実施手段、チームの指揮、その他もろもろをまとめ指示を出す。

戦略目標は企業戦略(Grand Strategy)にそって設定される。
作戦目標は戦略目標にそって段階的に設定される。

[作戦の例]

たとえば企業戦略のゴールが「自社を県内一番のExcellentな会社にする」というレベルだったとすると戦略目標は「自社を県内の業界トップシェア、利益率トップに押し上げる」まで具体化する。
作戦目標は戦略目標にそって段階的に設定される。
「新店舗充当用人材の手当てと新店舗進出可能地域の調査」
「新店舗の進出攻勢とブランドイメージの県内への普及」
「新店舗の競合店舗の退場を目的とした値引き攻勢」
「競合店舗退場後の集客の維持と売値回復の両立」
みたいな感じ。

[戦術の例]

戦術は作戦目標を達成するために実施される
戦術レベルの1例
作戦目標の「新店舗充当用人材の手当て」のために「既存店舗の教育の体系化による教育能力の強化と教育コストの削減」
作戦目標の「値引き攻勢」のための「仕入れ量の大きさの保証による仕入れ値の値下げ交渉」
みたいなかんじになる。

[プラクティス]

企業戦略までならふわっとしていてよいが、戦略、作戦、戦術とレベルが低下するにつれてどんどん具体的になり、訴求する対象セグメントも狭くなる。

[作戦術の実施にあたって]

原典だと3つの要素を担当する人間が必要だとある。
これらは1人の人間が兼ねてもよいが、優劣はなくすべて同等である。
a.「勝算の高いプランを作る人間」
b.「勝算の高いプランを立てるに当たって、前提となる情報を集める人間」
c.「プラン実施に必要になるノウハウや経験のある人間、資金、モノを用意する人間」

もっとも原始的な段階だとa.の人だけに脚光があたる(原典だとここで某ビッグエゴの人が超Disられている)。情報がないから作り手の都合が優先され顧客の要望は置いてきぼりになる。情報がないから希望や楽観論が現実に取って代わる。

次の段階で a.とb. の人間が並列とされる。勝算の高い計画には情報が重要だからだ。

一番進歩した段階だとa.b.c.が同列になる。複雑かつ柔軟で高速な展開には練度の高い人間と十分な資金と物資が必要だから。
逆にいうとこれらがないと複雑かつ柔軟で高速な計画を実行することはできない。

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