LoginSignup
13
11

More than 3 years have passed since last update.

MAツールの黒船、Amazon Pinpointの凄さを語る

Last updated at Posted at 2019-06-18

記事の目的

AWS主催のAmazon Pinpointセミナーを受講。結果、既存のMAツールを終わらせる可能性があるなと実感。
そのため、本記事では以下について述べてみる。

1. Martechの目指す場所
2. マーケティングの課題と未来
3. Amazon Pinpointとは?
4. Amazon Pinpointの概念
5. 活用事例、他サービスとの連携
6. Pinpoint & Personalizeの可能性

Martechの目指す場所

Martechとはmarketing x technologyを組み合わせた略語。
ただ、目指すべきゴールは昔と変わらずOne To Oneマーケティングの実現で、
一人一人に最適なマーケティングだと思っている。

マーケティングの課題と未来

One To Oneマーケティングを人手で実行すると工数・人件費がえぐいため、
実行してる企業は少ないはず。この課題を解消するために、Martechがブームに
なりつつあるのかなと。

Martechがどこに向かうか、以下の2つが予測として挙げられる。

エンドポイント同士の連結:

ユーザのタッチポイント(GoogleやFacebook、Lineなど)は750億にのぼる。
今後の動きとして、2025年までのタッチポイント同士の相互接続マーケティングが
実現されると予測されている。

例えば、Twitterで新商品の認知を行ったユーザが、Facebookで承認に
興味・関心を持つような広告が配信されるパターンである。
つまり、マーケティングチャネル同士が連結されユーザに
最適なチャネルが構築されていく。

そのため、媒体や広告メニューごとに担当者がアサインされることが
非効率であり、カスタマージャーニーが俯瞰できる担当者と、
効果を可視化できる分析基盤が必要となっていくだろう。

パーソナライズの推進:

ある調査によると、84%のユーザは自分自身を個人としてのコミュニケーションを
望んでいたが、実現できていると考えているマーケットリーダーは51%に
とどまるらしい。

これは、ユーザ毎にチャネルやメッセージのパーソナライズが不足していると
考えていることがうかがえる。ユーザ毎に最適なメッセージを送ることはもちろん、
ユーザが欲しいタイミングでコミュニケーションしてほしいと考えているのだ。

最終的には、ユーザ毎に最適なページ・UIも変えていくことが求められる
かもしれない。ユーザ毎にパーソナライズが進むことは止められない流れだろう。

Amazon Pinpointとは?

マーケティングの成功に不可欠な要素は以下と考えられている。
 ・ユーザ毎に最適化されたメッセージ
 ・チャネルをまたいだ自然で連続した顧客体験

これには膨大な実験が必要だろう。すなわち、「いつ」「誰に」
「どんなメッセージ」を送り、「結果」を知ることが必要だ。
この課題を解決するのがAmazon Pinpointだ。

Amazon Pinpointのサービスで以下のことが可能となる。
 ・モバイルプッシュ、SMS、Eメールなど複数チャネルを
  経由したコミュニケーション
 ・ユーザのターゲティング、セグメンテーション
 ・通知を行った後の行動解析やダッシュボードによる可視化

公式ドキュメントは以下にある。
https://aws.amazon.com/jp/pinpoint/

Amazon Pinpointの概念

Amazon Pinpointには3つの概念が存在する。

1.チャンネル:

配信プラットフォームのことを指し、以下の4つが用意されている。
 ・プッシュ通知
 ・SMS
 ・メール
 ・ボイス(現在、日本対象外)

上記に加え、カスタムチャネルを構築することができる。
これは、Lambda Fucntionと連携することで、Pinpointで配信リクエストが
あると、配信先などの情報がLambda Functionに渡され、自由な配信が可能となる。
例えば、実行対話的なチャットボットも構築可能なのだ。

2.セグメント

チャネルを配信するターゲットのこと。
Pinpointで事前に定義された基本セグメントが用意されており、
すぐに配信が可能となっている。

また、ユーザとカスタム属性を組み合わせたインポート機能も
存在する。セグメントファイル(CSV、json)を作成したのちに、
S3へアップロードすれば、任意のターゲティングが可能だ。

※ セグメントファイルで指定可能な属性は以下を参照してほしい。
 https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/pinpoint/latest/userguide/segments-importing.html#segments-importing-available-attributes

3.キャンペーン:

ターゲットとチャンネルに対して、「いつ」どんな「メッセージ」を
送るかを決定する。Amazon Pinpointは顧客アプローチの実験場所として扱うため、
以下の機能が備わっている。

A/Bテスト

A/Bテストではメッセージまたはスケジュールの2つ以上の処理が含まれる。
複数のメッセージやタイミングを設定し、どちらの設定が効果的かを検証できる。

例えば、あるメッセージを定期的に送るのがよいのか、顧客があるアクションを
行った場合にのみ送るのが良いかを検証することができる。
また、キャンペーン内でメッセージ配信量のコントロールも可能だ。

分析と可視化

Amazon Pinpointにはダッシュボードが用意されており、キャンペーンに
対するメールのオープン率やアプリプッシュオープン率、最終的な収益が
いくらになったかを可視化することができる。

また、Amazon PinpointをKinesisと連携しストリーミングすることが可能だ。
これにより、S3やRedShiftにデータを出力させて、独自の分析を行うことも可能だ。

Pinpoint & Personalizeの可能性:

アプリプッシュやメールの結果をAmazon Personalizeに組み込むことができる。
Amazon Personalizeはクラウド環境で構築できるレコメンドエンジンで、
ユーザが商品に対するアクションを送付することで、ユーザが購入しやすい
商品を返してくれるサービスだ。

個人的には、これらのサービスの掛け合わせがOne To Oneマーケティングの
近道と考えている。ユーザが反応しやすい商品を機械学習に推論させ、
限られたユーザにプッシュ通知することが可能となる。

これにより、無駄なユーザへの配信を防ぎ、有望なユーザにのみ配信が可能だ。
個人的にはアップリフトモデルを搭載したSageMakerと連携して配信最適化が
進むのではないかと考えている。

最後に

マーケティングがITと連携し、高度にデジタル化していくことは避けられない。
また、AIと組み合わせたパーソナライズも今後は起こっていく流れであると
考えられる。

マーケターとエンジニアが、仲良く手を取り最適な顧客体験を作っていくことに
なるだろう。

13
11
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
13
11