インフォメーション
各プロバイダや無線LANルーター機器メーカーのサポートページでは解決できなかった問題があったため、記録として残します。同様の問題に遭遇した方の参考になれば幸いです。
概要
- ひかり電話契約ありの環境でHGW(ホームゲートウェイ)を使用せずIPoE接続を行う方法について解説
- ASUS RT-AX59UのIPv6設定を「パススルー」から「ネイティブ」に変更することで解決
- 光回線のひかり電話契約の有無によってIPv6の設定方法が異なることを確認
前提条件
- 光コラボの回線を利用し、携帯電話とのセット割のためにひかり電話を契約しているが、実際にはひかり電話サービスは使用していない
- NTTから提供されたホームゲートウェイ(HGW)であるRX-600KIを使用せず、市販の無線LANルーター(ASUS RT-AX59U)のみでインターネット接続を確立したい
- 接続方式はIPoE(IPv6 over IPv4)を使用し、IPv6接続サービスはv6プラス(JPIX社提供)を利用している
発生した問題と切り分け
最初の症状と設定内容
ONUと無線LANルーター(ASUS RT-AX59U)を直接接続し、無線LANルーターでIPoE接続を試みたが、インターネットに接続できなかった。
PPPoE接続は問題なく確立できたため、ハードウェアの故障ではないと判断した。
最初の設定内容
- WAN:
v6プラス
- IPv6:
パススルー(Passthrough)
HGWでの動作確認
基本に立ち戻って、HGW(RX-600KI)をONUと無線LANルーターの間に接続したところ、無線LANルーターでIPoE接続を行うことでインターネット接続が確立した。
無線LANルーターの設定内容は「最初の設定内容」と同一で、HGW(RX-600KI)のIPoE自動接続は無効化している状態へ変更した
プロバイダと機器メーカーへの確認
- プロバイダのサポートに確認したところ、ONUと無線LANルーターを直接接続して適切な設定を行えばインターネット接続が可能であることを確認
- HGWでの接続が可能であったため、詳細な技術仕様の確認は省略した
解決方法
設定変更内容
ASUS RT-AX59Uの設定を以下のように変更することで、HGWを介さない直接接続でもIPoE接続が確立した。
変更後の設定
- WAN:
v6プラス
(変更なし) - IPv6:
ネイティブ(Native)
考察
IPv6の設定については、ひかり電話の契約有無によって適切な設定が異なることを確認できた。家庭用無線LANルーターでは詳細な設定項目が提供されていないため、ネイティブ(Native)
設定を使用することで適切な設定が自動的に行われる。
設定画面にはネイティブ(Native)
を推奨するメッセージが表示されているのみで詳細な説明はないが、この設定により以下の処理が自動的に行われていると推測される
- ひかり電話契約ありの環境に適したIPv6プレフィックス長の設定
- 適切なDHCPv6-PDの設定
- RA受信の設定