はじめに
ソフトウェア開発とは直接関係がないベンダ検定試験ではあるが、
携帯端末向け・IoT機器向けのソフトウェア開発者にとって必要となってくる下記のような情報に触れるきっかけになってくれました。
- 常に外部ネットワークにつながっていない機器に対しての対応
- この資格の後ろ盾になっている国内3大キャリアと、通信機器ベンダの最新提供サービス内容
- Wi-Fi, PANなLANと、LTEなどのネットワーク提供内容・サービスの違い
この試験のことを書いた記事が少ない(Qiita以外の場所も含めて)ので、
せっかくならと記事に書き留めています、
この記事を書いた段階では、2級は合格済み、1級の受験を終え合格発表を待っている状態です。
検定試験概要
そもそもこの検定のざっくり説明ですが...検定ウェブページに概略があったので、それを引用。
モバイルシステム技術検定はIT関連業務に従事している方々やモバイルシステムの業務に携わる方々を対象に設けられた制度です。
モバイルシステムの提案、構築運用改善をより効果的、効率的に行うために必要となる技術知識・情報を習得していただくこと、さらにこの分野における優れた技術者として活躍していただくことを狙いとしています。
[引用元 : MCPCの検定]
より短く説明すれば、モバイルシステムの業務にかかわっている方向けの試験です。
モバイルシステムはとても複雑で、注意事項がたくさんあるから、
**危ないところを覚えてくださいね!**という感じの内容ですね。
試験概要
2級
2級の範囲を取得するレベルとして、公式サイトに以下のような説明文があります。
モバイルシステムを構成するワイヤレス通信ネットワーク、モバイル端末(ハード、ソフト)、モバイルコンテンツとサービス、セキュリティなどのモバイル関連技術についての概要を理解。
これらの内容を広く薄い知識を求められる検定内容となっています。
また、この範囲を4択問題100問を100分の間に解いていかないといけないので、
何かを計算して答えを導くというよりかは、瞬発的に答えを選択する必要がある内容となっています。
基本情報試験をまるっと、モバイルネットワークの世界に置き換えたような試験内容と範囲です。
これからソフトウェアの世界に入る人にとっては、有益な情報が多いのではないかと思いますが、
現役で活動している方にとっては、構える必要がない内容かもしれません。
ただ、1級を受験するには2級の合格が必要なので、1級を取得したいかたは取得する必要があります。
1級
1級の範囲を取得するレベルとして、公式サイトに以下のような説明文があります。
モバイルシステムを構成する要素について十分理解し、モバイルシステムの適応業務の内容分析、 最適システムの提示、システム改善計画の提示、運用の指導を行うに必要な知識。
1級は実践的な知識、現状把握の方法などが求められます。
下記の3科目に分かれていますが、
現状ソフトウェア開発に関わっている方であれば、「ネットワーク」のみが新しい範囲で、
のこりの2科目は痛いほど身に染みていらっしゃると思うので、
この検定の解説本の「ネットワーク」章だけを見てみるだけでもいいかもしれません。
*ネットワーク:
モバイルシステムを構成する無線アクセスネットワーク技術、コアネットワーク技術、IP技術および移動体通信サービスなどが出題されます。
*端末・アプリケーション:
モバイルシステムを構成する各種端末機器の要素技術、構造と開発手法およびシステムアプリケーションの要素技術、開発手法などが出題されます。
*モバイルシステム:
システム要件定義、システム開発、システム運用、モバイルシステム関連の法制度などが出題されます。
まとめ
そもそもがこの資格試験のメインターゲットは、この資格の後ろ盾の3大キャリアと通信ベンダやその関係会社の方々だろうから、
ソフトウェアエンジニアの方にとって幸せになる範囲ではありません。
ただ、IoT機器やその関連サービスを作るうえで、
お客さんにも開発や営業にもこの知識をもった人が1人もいない状況だと、
さすがにうまくいく光景が見えてこないと思っています。
世の中にこんな検定があるということを、覚えていただければ幸いです。