Excelマクロのように自アプリケーション内で自動化をしてくれるツールは複数あるが、他アプリケーションとの連携を自動化してくれるRPA(Robotics Process Automation)は、更なる効率化が期待でき、注目されている。
例)Excelのリスト内容をIEブラウザで調べて、Excelに情報を張り付け資料化する等
私も、RPAの恩恵を実感したく、数あるRPA作成用ツールの中で、無料で利用できるUiPathを使用し、自動化ツールを作成することにした。
今回は、使用するPCへ影響を及ぼすことも考慮し、仮想環境を構築し、その上で動作確認を行う。
手順は以下
①仮想環境構築(Windows環境構築)
②VirtualBox Guest Additionsの設定
③Microsoft Officeの導入
④UiPathのダウンロード/インストール
⑤基本操作方法
⑥自動化ツール作成
前提条件
VirtualBoxが使用するPC環境にインストール済みであること。
私の環境は、以下のようになる。
・Windows10 64bit
・VirtualBox-5.2.16
①②③④に関しては、参考資料の手順を参考に作業を行なった。
私は、新しく購入したノートPCに不具合を起こしたくなくて、検証用の仮想環境構築から行ったが、かなり面倒臭い。この手順に4時間以上は掛かったと思う。面倒で気にしない人は、④の手順から始めて自分のホストPCで直接RPAの作成や検証をしても良いと思う。
同僚で、直接ノートPC上で作成・検証した人の話では、問題なかったそうだ。私は保証は出来ませんが、、、
⑤操作方法の確認
◆起動
UiPathを起動すると以下のようなポップアップが毎回表示される。"Continue Free"を選択する
◆プロジェクトの作成
UiPathには複数のひな形が用意されている。
Blankを例に作成する。
プロジェクトの一覧からBlank押下
プロジェクト名、プロジェクトフォルダの場所、プロジェクトの説明を入力し、Createを押下
種類毎の違いは下記のようになる。
・Blank
まっさらな状態のプロジェクト
・Simple Process
フローチャートと簡易な分岐が用意されているプロジェクト
・Agent Process Improvement
ユーザのクリックやキー入力で処理が実行されるプロジェクト
・Robotic Enterprise Framework
大規模なプロジェクトで使用。業務で使用するエラー発生の場合の処理や初期化設定などが含まれている
◆Activityの作成
左側にあるActivitiesと書かれた欄の下にあるボックスに"message box"と入力する。
すると、以下のように赤文字でMessage Boxが表示される。
それを中央の「Drop activity here」と書かれた領域にドラッグ&ドロップする。
これにより、ボックスが中央のウインドウに表示される。このようなボックスを"Activity"といい、処理を行う最小の構成要素になる。
UiPathはActivityを繋げていくことで、自動化プログラムを作成していく。
◆実行
先ほど作成したボックスの内容にHello World!と表示されるように以下のように入力した。
ボックスに入力する時のルールは文字列を""(ダブルフォーテーション)で囲うこと。
入力したメッセージのポップアップが表示された。
◆FlowchartとSequence
Activityを繋げていく基本的な方法として、FlowchartとSequenceの2つがある。
複雑な処理は、Flowchart。シンプルな処理はSequenceのようだが、Sequenceを使っても条件分岐のようなことは出来るようだ。
追加方法としては、Activityの作成同様、ボックスにFlowchartやSequenceと入力してドラック&ドロップするだけである。
⑥自動化ツール作成
今回、作成してみたツールは、任意の検索ワードをgoogleで調べ、調べた情報をCSV出力するツールだ。
以下に作成したツールを載せる。
Web検索ツール
ツール実行用環境の設定
このままでは、開発用アプリを起動してからでないと実行できない為、ツールとして実際使用できる状態にするために、以下の手順も行なった。
・UiRobot.exeの実行
私の場合は、以下の格納先にexeファイルがあった。
C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\UiPath\app-XX.X.X\UiRobot.exe
exeを実行後、右下のタスクバーを確認するとUiPathのアイコンが追加されている。そこをクリックするとツールが実行されるようになる。
」
ちなみに出力されたCSVファイルがどこに保存されたかが分かりづらかった。私の場合は、以下の格納先にあった。
C:\Users\ユーザ名\.nuget\packages\ツール名\1.0.6805.27057\lib\net45
大まかな流れが分かってしまえば、結構簡単に導入できる印象だった。excelマクロより覚えることは少ないし、事務系の自動化には役立ちそう。皆さんも気が向いたら試してみてください。