誰が得するかは分からないが 2D でモーフィング(またはスプライト形式のアニメーション)が出来るソフトをここにまとめてみる。一部を除いて基本的には商用製品として提供されている。
Live2D
国内では有名な商用の 2D モーフィングソフト。商用実績も多い。Cubism 系が製品名であり、エディタと SDK でわかれている。現在は 2.1 がリリースされている。
- 回転または曲面ベースのデフォーム
- ドキュメントは豊富
- なのだが Cubism Documents をたどるには公式サイトから数ステップ必要なのでわかりにくい
- インディーズなら条件付きで商用も無料
- SDK のベースは C++ だが Pro じゃない方の Unity で使える C# 版もある
- ドキュメントは Cubism SDK にある
- Cubism Editor は Java (JavaFX?) で、ビューアは AIR の上で作られている
- 前者は Windows/OSX に対応しているが OSX 対応は今後の保守に対して期待薄で実質 Windows のみ
- 完全版である Pro は15万円弱
- ただし個人または年間売上高が1000万未満であれば3万弱で購入可能
- SDK は Editor とは別料金のテーブル
- 個人または年間売上高1000万未満なら無料で利用可能
上に書いてあるとおり開発会社自身がモデル作成まで請け負ってるだけあってかドキュメントが多く、アドバイスも実践的だが正直なところソフトの使い勝手が「個人的には」微妙(その理由は多分癖が強いからではないかと予想している)。
個人でやるには時間とお値段の折り合いがつかず、よほど強い意志がないと投げ出してしまうだろう。なので使うならまず制限付きの無料版で試すことを強く推奨。
昔と比べれば Pro 版がだいぶ安くなり SDK の入手も容易になったため敷居は下がったがそれでも無料版を一回試すことを推奨。
ちなみになぜかダウンロードサイトの左側に Confidential とある。謎だ
Spine
KickStarter 発の商用の 2D モーフィングソフト。かなりゲーム向け。
- FFD (Free Form Deform) 及びスキニングベースのデフォーム
- サイト上は一部日本語化されているが、本体のドキュメントは全て英語
- Java で作られており、Windows/OSX/Linux に対応する
- Essential が $75 で Professional が $299
- 売り上げが年間 $50 万ドルを超えている場合は $2200 が基本料金の Enterprise が必要
- SDK もといランタイムは ソースコードが公開 されている
こちらも Live2D とは別の癖を持つが、対応エンジン数がずば抜けていてコードも公開されている。最大の弱点は UI が日本語化されていないことに加えて IME が使えずマルチバイト含む日本語が使えないこと。
日本語のリソースが極めて少なく実質的に 株式会社 BEFOOL が公開しているブログの記事 のみ。
e-mote
6/9 にメジャーバージョンアップ されたことによって今まで体験版ですら利用申請が必要だったものが必要なくなって全機能試せるようになった。また、6/27 に「えもふり」がリリース され、利用の敷居は下がった(ただし GIF または動画出力の非商用利用に限定され、120 フレームまで)。
- Live2D と同じ形式のメッシュデフォーム?
- Windows のみ
- 何故か C++ Exception Error のダイアログが出たことからクライアントは C++ で書かれてる?
- SDK は Unity と吉里吉里に対応している
- 価格は利用形態によって異なる
- 商用利用の場合は年間最低30万円で、ロイヤリティフリー
- プラットフォーム単位で追加30万円、エディタは1PCライセンス単位で追加15万円
- 年間売上1000万円未満の条件付きで利用可能なインディーズの場合は年間最低10万円
- プラットフォーム単位で追加10万円、エディタは1PCライセンス単位で追加8万4000円
- 追加パーツの上限解除と特殊機能追加も課金対象なので場合によっては高く付くこともある
-
教育機関限定で利用可能なアカデミック版は「買い切り」で5000円
- 商用版と同じくロイヤリティフリーだがサポートは公式フォーラムのみ
- 表を見るとデータ互換性についてえもふりはありでインディーズおよびコマーシャルはなさそう?
- 追加パーツと特殊機能の扱いについては不明だが上記のデータ互換性の観点からなさそう?
- 商用利用の場合は年間最低30万円で、ロイヤリティフリー
Live2D と似ているが、予めメッシュセットが用意されており、これにあわせて PSD を作成して読み込ませるとほぼ全自動でキャラが作成される仕組みを持つ。これによって効率的にキャラを作成することが出来る反面、テンプレートに全く沿わないキャラを作成する場合は Live2D と同じかそれ以上のコストを必要とする。
Sprite Studio
スプライトベースアニメーション作成で有名なツール
- IK ベースまたはギズモベースのデフォーム
- 矩形メッシュを変形させてアニメーションする仕組み
- Windows と OSX に対応
- SDK は Unity と Cocos2d-X と CoronaSDK に対応
- Sprite Studio5 SDK を除いて MIT ライセンスのもと github で公開されている
- 価格は新規9万2500円または購読5500円
- 年間売上1000万円未満の法人または個人向けにタイトル画面でのスプラッシュスクリーンを表示することを条件に無料とするインディーズ版もある
Spriter
海外製のスプライトアニメーションが可能なツール。Spine と同じく KickStarter 発
- ボーンまたは IK ベースのデフォーム
- パペットワープライクな実装も今後追加される様子
- Windows/OSX/Linux に対応
- 日本語の情報はかなり少なく、以下が取り上げてるくらい
- SCML 形式のドキュメントから Unity3D その他に取り込む形
- 価格は Pro が $59 で機能制限付きの無料版もある
- Steam 上でも販売されている
Synfig Studio
かなり昔からあるが、現地時間の 2015/4/27 に 1.0 がリリースされた
- 基本的にベクターベースだが、ボーンベースのデフォームを実装している
- Windows/OSX/Linux に対応
- 日本語の情報は皆無に等しく、あってもかなり古いものしかない
- GPLv2 の OSS として github 上に公開されている
- コアライブラリとエディタライブラリわけられてるが、両方共 GPLv2 なので組み込みには厳しいかもしれない
Dragon Bones
Flash Professional 時代からある老舗。いまでは独自のオーサリングツールと オープンソースの SDK が提供されるようになった。
- スケルタル及びボーンベースのデフォーム
- どっちかというと Adobe Animation (Adobe Flash Professional) の使い勝手に近い
- オーサリングツールは Windows と macOS に対応
- 中国発なためか中国での実績が強い
- SDK はオープンソースで以下に対応
- AcrionScript
- C#
- C++
- JavaScript
- Unity
- Java
- 日本語の情報は皆無に等しい
- が、国内発である Akasic Engine が対応している
satella.io
Live2D ライクな使い勝手を謳うオーサリングツールで SDK はなし。どんな感じで動くかは以下で。
Live2Dライクな自作ソフトでキャラクターを動かす#Electron #Live2D pic.twitter.com/L9flJ5N6nt
— yuki540 (@eriri_jp) February 5, 2017
- メッシュベースのデフォーム
- Electron の上で作られており、Coffee Script で書かれてる
- ソースコードは公開されているが、ライセンスは不明
- 作者は専門学校生で所属する専門学校での発表のために作られたらしい
AnimeEffects
2017/1/26 に 1.0 が公開されて 2017/4/11 に 1.2 ベースでニコニコ動画に紹介動画が公開された。
AnimeEffects v1.0 リリースしました。記念すべき最初の安定版です。
— 秀福@AnimeEffects (@hidefuku_ae) January 26, 2017
追ってVectorやMacAppStoreでも公開したいと思います。https://t.co/VrkqCqRrjd#プログラミング #ソフトウェア #ペイントツール #アニメ #アニメーション pic.twitter.com/ykcWN4TMx0
- メッシュ及びボーンベースのデフォーム
- Qt 上で作られている
- GPLv3 の下でソースコードが公開されている
- 出力は ffmpeg を介しての動画形式のみ?
番外編
After Effect
パペットツールのそれなのだがやや方向性が異なるため。