Scrum Fest Osaka 2021 Day 2
2021/06/25に開催されたScrum Fest Osaka 2021 Day 2のイベントレポートです。
4名の登壇者によるトークセッションDeep Dive Experts - 達人 が見ている世界を覗 いてみようの内容を・感想を記事化しています。
チーム参加してきました
aslead Agile のチーム「オキザリス」にて参加してきました。
チーム4人で参加して、その場で実況しつつ、記事も作っています。
この記事では、トーク内容をかいつまんでお伝えします。
登壇者のやり取りのところでは敬称略で記載しています。
どんなセッションか?
- あの人はこの問題に対してなんて答えるんだろう?
- あの人はこの答えにたどり着くまでにどういう思考プロセスを経たのだろう?
トーク形式で進めることで、メンタルモデルや普段言語化できないところを感じてほしい。
今日のDiver
- およべ(@TAKAKING22)さん
- kyon_mmさん
- 森さん
- Aki(sprint_aki)さん
トークテーマを募集
セッション冒頭で参加者にトークテーマ募集を呼びかけ、スタートしました。
テーマ1:スクラムとヨリを戻したときってどんなときでしたか?
ずっとスクラムが好き、というよりは興味をはじめてみたけど、「なんだこれ?」と一回気持ちが離れて
またスクラムと向き合ってきたような経験をしてきた人たちなのではないかと思う。
なぜまだスクラムと付き合っているのか。
- kyon
- スクラムコミュニティ自体がスクラムを良くしようとしているのが良いなと感じた。最初は独りよがりに見えた。
- 今持っている価値観で見切ってし合うのはもったいないと思った
- およべ
- チームがスクラムから離れた、という状態とはどういう状態?
- kyon
- スクラムに関わる単語を使うことに抵抗があったり。
- スクラムガイドのあとづけ感を感じたりも。
- 自分たちの形式知を使え、という感じを受けた
- およべ
- どれくらい嫌だった期間があった?
- kyon
- 1day、1hourスプリントをしていた時期
- およべ
- ヨリを戻そうと思ったきっかけは?
- kyon
- 2019年末くらいから、スクラムをする人が増えてきた印象
- その結果スクラムに物申す人が増えた
- そこからスクラムガイドが良くなったり、研修が改善されていったように思う
- COVID-19で
- 意外とみんな学びとろうという意識が見えて、価値観に共感した
- どんどん変わっていけるんであれば、自分もいろいろ話したくなった
- Aki
- たまに仕事する人からパートナーになったみたい
- およべ
- 今はヨリを戻した?
- kyon
- 戻したといえば戻した。でも今はアレグザンダーが一番
- 森
- 自分は2011年夏くらいにスクラムを始めた
- 当時はみんな手探りの状態
- コミュニティ参加して情報収集しながら手探りでやっていたのが楽しかった
- 働き方なので、楽しいだけでもない。
- 簡単に解決できることもあれば、溜まった課題感があったりする。
- うまくいかなかったときに、スクラムじゃなくてもいいんじゃないか、と思ったこともある。
- 2000年代はとにかく目の前にあるたくさんの仕事をこなしていく進め方だった。
- リズムが崩れた、と感じたときから一人でスクラムを初めていく
- 1日単位でスプリントを回すようになってから、「あ、これはスクラムだけじゃない」と気づいて仕事のススメ方として日常に溶け込んでいった
- およべ
- 一回離れてヨリをもどしたか?
- 森
- そう
- 飽きたというのもある。新しいことに最初は飛びついたが、徐々に
- スクラムというよりスクラムコミュニティとヨリを戻した
- およべ
- 日常の中でスクラムを活かせていると感じた瞬間はあった?
- 森
- スクラムのワードをあえて使わなくなったとき
- 出社して、タスクを洗い出して、今日は何をしていくか考えて、、、、といった感じ
- kyon
- およべさんは?
- およべ
- 自分はずっと関係は良好。ただ遠距離恋愛気味だった時期もある。
- 自分たちのやっていることは邪道かもしれないけど、スクラムをやっていると言っていいのではないかと考えていた
- モブプロと出会って取り組み始めたときに遠距離恋愛になった感じ
- 今やっていることに対して変化を加えるイメージだったのが、スクラムとかをすべて捨ててモブプロに集中したタイミングがあった
- そのタイミングではスクラムをやってなかったと思う。
- モブプロをベースにしながら、新しいことをしていこうとしたときに、「あれ、これスクラムでもうやっていたな」みたいなことに気づいた。そんなときにスクラムの要素や言葉が仕事をする上で役立った。
- 今は中距離くらいで付き合いを続けている。
- 聞かれれば答えるけど、自分から「スクラムをやっている」とは積極的には言わないかな
- kyon
- それはスクラム、それはスクラムじゃない、みたいな人が多かった
- そういう人が今は減ったように思う
- およべ
- Akiさんはどう?
- Aki
- ちょっと疎遠になってる
- めちゃくちゃスクラムいいですよ、という感じになったことはない
- なんでスクラムはいいんだろう、みたいなのにずっと向き合っているような感じ
- およべ
- どういうときにスクラムに向き合っている?
- Aki
- 「スクラムをやりたい」といっている人たちに「なぜしたいの」を話に行ったり、「組織を良くしたい」という人と向き合うときに
- およべ
- ずっとスクラムコミュニティをやっていたと思うが、SFOなどに情熱を注いでいるように見えます。
- Aki
- コミュニティが好き
- 2010年くらいからスタートして2013年にスクラム道関西を立ち上げて
- お互いの知恵を共有しているときの真剣さ、向き合い方が好き
- 哲学的な話とか周辺情報も含めてコミュニティでコミュニケーションできる
- 広まってくれると嬉しい
- スクフェス、RSGTなどで進めていけるのがいい
テーマ2:過去や未来問わず、これは一番タフクエスチョンだな、と思った問はなんですか?
- およべ
- 藤原台さん、アジャイルやスクラムというより人生の仲間
- 「それっておよちゃん(およべさん)がやりたいの?」
- この問いにはよく思い返す
- チームや環境を踏まえて、ベターな選択をすることが仕事上多いと思う
- そうしているうちに自分のエネルギーを向けられる方向から遠いところに向かっていたりする
- そんなときにこの問いに立ち返る
- 問いをするタイミングや人によっては、「それは本当にやりたいことなに?」という裏のメッセージを感じたりするかもしれない
- その点で藤原さんはそのような他意がなかったように思う。だからこそ響いた
- kyon
- 「それがお前の限界だ」
- 攻殻機動隊にでてくるセリフ
- 「yes is more」
- ビャルケ・インゲルスの言葉
- 建築家なので要件をもらって提案することが多いが、一見矛盾するような要件にすべてyes。
- トレードオフ、矛盾に見えるものは、既存の手法の枠に囚われている
- すべてyesって言うと、真にクリエイティブなものを作ることに繋がる
- 自分ができる範囲で考えるから、トレードオフであったり、自分の枠で捉えようとする
- 「うっ」って思ったときは「それがお前の限界だ」と言われている気分になる。
- およべ
- スクラムだと持続可能なことが重要だと言われたりする
- yes is moreはそれと相反するような気もするがどう?
- kyon
- yes is moreはタフで自然じゃないかもしれない
- トレードオフで考えたりすると、今持っている良さを持続可能じゃなくしてしまっていないか
- たとえば「朝会っていいよね」って言ったときにひとそれぞれ思い浮かべる良さは違うかもしれないが、型にはめたときに、そういう曖昧さの中にある良さが失われてしまう。
- yes is moreを突き詰めていくと本当に
- 森
- POをやっていたときにトレードオフ地獄を感じた
- 諦める、ことで製品の魅力が減るが予算に収められる。というようなことを考えたりする
- yes is moreはPOをやる中でも重要だと思う
- いかにトレードオフを両立するかを探求したり、周囲の人と一緒に乗り越えて行くのが大事だと思う
- 責めているというより、気づきを与えてくれる
- 自分が目からウロコが落ちた言葉、「お客様は様々なものを買うことができるのに、なぜあなたの製品を買う必要があるのですか?」
- 製品の魅力を直接聞かれるのとは違う気づき
- およべ
- 同じようなことを聞くにしても、問いかけ方がちがうとちがってくる
- 森
- 「魅力はなんですか?」のような前方推論は答えやすい、さっきの問いはいろんな選択肢の中から検討が必要で難しい問いかけ
- ベンチャーキャピタルの人からの問いかけも厳しい物がある。
- 「もしgoogleが参入してきて無料でサービスを出したらどうします?」のような問いかけなど
- Aki
- 「それなんでしたいの?」「それは本当にしたいことなの?」
- 自分の人生の価値観に沿っているのか?、それはサボタージュじゃないのか?を問われている感じ
- ずっと自分に突きつけられている感じ
- 「」
- およべ
- タフクエスチョンってなんだろう?と考えながら聞いていた
- 良い問いはスクラムに近いと感じた
- タフクエスチョンは一過性じゃない。スクラムも離れては戻ってきた
- 森
- クイズみたいに一回答えて終わりじゃない
- kyon
- 「スクラムは問い」は禅問答みたい
テーマ3:スクラムにあっている人とあっていない人がいる、スクラムにあっていないメンバーがいると感じたときにどうする?
- kyon
- 合ってないのはその人じゃなくて、スクラムじゃないの?と思う
- スクラムの包容力不足
- スクラムを拡張していくのが仕事だなと感じている
- Aki
- たかだか一人受け入れられなくてなにがスクラムだ!という感じ?
- kyon
- そういう感じ
- 森
- 何が起きて「合っていない」ということになんだろう?と疑問に思う
- スクラムの外から見ている人の視点に見える
- 合っていない、合ってる、ってどういうことだろう
- Aki
- これって誰の問題?ってよく言ってしまう
- 「合っていない」と思っている人側の問題だったりもするのでは
- およべ
- 自分も同じようなことを思ったことがある。
- この問いは主語が大きいと思う。「自分の期待と合っていない」を「スクラムに合っていない」という言葉に置き換えているだけのようにも思う
- Aki
- 非言語コミュニケーション
- 本当のニーズってなに?本当に問いかけたいことは何?と思う
- 掘り下げていると違う思いが見えてくるかもしれない
- kyon
- どう行動するか?という質問部分については?
- Aki
- たぶんその人に「どう思う?」を会話してみる
- 相手の思いを聞いた上で「じゃあどうしようか」を会話する
- kyon
- そういうデフォルトの振る舞いは、なにがルーツですか?
- Aki
- 自分はうなずきすぎるくらいうなずく傾向がある
- 前提として「わからない」は「わからない」。でも知ろうとしないと近づけない
- 自分の気持ちに気づくのもなかなか大変。
- それができると周りが見える。ただ、「こうかな?」って思っても結局は推論にすぎない
- 相手に聞いてみてもわからないかもしれない
- でも知ろうとする。
- そんな試行錯誤を経て今がある
- kyon
- より今の状態が固まってきたのはどういうときか
- Aki
- 劇的に変わったきっかけはない
- コーチングを始める前に、「もっと気持ちをわかりたい」と思った
- 我流ではなく、ちゃんと学ばないといけないと思った
Diverの感想
- 森
- ぜひAkiさんの様子を見てほしい。
- Deep Diveとは何かを感じ取れると思う。
- 言葉がでてくる過程をすごく丁寧にされている
- kyon
- いつもどおりの自分を出せるか気がかりだったが問題なかった
- 毎週木曜日に
- なかなか深ぼる時間を他の人に共有できないと感じていた。
- 共有できてよかった
- まさにDeep Diveできた
- Aki
- オンラインでもなにかやろうと話していろいろはじめられた
- およべ
- 「鉄板のネタさえあればそこにつなぎさえすれば面白くなる」と考えていた
- 今日の参加者それぞれが持つルーツがある
- このイベントの各発表者について、なぜこんなことを言っているんだろう?と考えてみてほしい
感想
- イベント等で目玉のセッションを話しているような方々でも、柔軟な捉え方を持っていたり、スクラムに疑問を持っていたりするのが印象的でした。
- 「スクラムはいいぜ!」と声高に叫ぶのではなく、「こういうところは良くないと思っている」というような視点を持っているからこそ、常にコミュニティが活発でより良くしようという活動が続いているのだと感じました。
- タフクエスチョンのテーマでは、「良い問いは一過性じゃない」という表現が印象的で、自分もそのような問いに今後出会っていけるのかな?と若干の不安と期待が湧きました。