この記事では、これからWeb開発をはじめる方に向けて、「インターネット」「Web」「ブラウザ」といった基本的な用語や概念を解説します。これらの言葉は普段よく耳にするけれど、実際にどういうものなのかわからない方も多いのではないでしょうか。
「理論より実践だ!」と意気込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、何事もある程度の基礎知識は必要です。初学者の方にもわかりやすく解説していますので、これからWeb開発に取り組む際の第一歩としてご活用ください。
忙しくて時間がない人は、悲しいですが「記事のまとめ」まで飛ばしてください。そこにすべてをまとめています。
1. インターネットとは
インターネットとは何か
「インターネットで検索する」や「インターネットで動画を見る」という言葉は馴染みのあるものかと思います。それでは、「インターネット」とはなんでしょうか?
「インターネット」とは、世界中のコンピュータやネットワークをつないだ「巨大な通信ネットワーク」のこと です。簡単に言うと、「情報を送るための道」のようなものです。
また、インターネットは「ネットワークのネットワーク」とも呼ばれます。これは、世界中の道路網のようなものをイメージするとわかりやすいでしょう。
私たちの家の前の道は地域の大きな道路につながり、その道路は県道や国道、さらには高速道路へとつながっています。これと同じように、私たちの家のWi-Fiは地域のネットワークにつながり、そこから都市全体、国全体、そして世界中のネットワークへとつながっているのです。
このように、小さなネットワークが徐々に大きなネットワークへとつながり、最終的に世界中のコンピュータがお互いに通信できる環境が作られているのです。
あなたの持っているスマホが、実はブラジルに住んでいるベルナルドさんのパソコンと繋がっている・・・そう考えると、何だかすごいことですよね。・・・いやはや、技術の進歩とは恐ろしいものです。
インターネットがあると何が嬉しい?
インターネットがあることで、世界中のコンピュータが通信できるということを説明しました。では、インターネットがあることで何が嬉しいのでしょうか?
実は嬉しいことだらけです。
Wi-Fi、みなさんも三度の飯よりお好きですよね。Wi-Fiに接続する(≒ インターネットに接続する)ことで、さまざまなことができる様になります。例えば、YouTubeで動画を見たり、Amazonで買い物をしたり、SNSでだれかとコミュニケーションを取ったり。これらは、インターネットという基盤があるからこそ、恩恵が受けられるものなのです。
YouTubeで動画を見るとき、何が起きてる?
もう少し具体的に説明しましょう。例えば、YouTubeで動画を見るときのことを考えてみます。あなたが、見たい動画のサムネイルをクリックしたとします。すると動画が再生されます。さて、このとき何が起きているのでしょうか?
実を言うと、インターネットのどこかに、YouTubeの「サーバー」なるものがあります。あなたがYouTubeの動画サムネイルをクリックすると、そのYouTubeのサーバーが自分のスマホやコンピュータに対して、動画データを送信してくれているのです。
サーバーとは、インターネット上で情報を提供するコンピュータのことです。英語の"serve"(仕える、提供する)という意味から、サーバー(server)は「情報を提供するコンピュータ」を指しています。
このように、インターネットを通じてデータのやり取りが行われているのです。YouTube以外にも、AmazonやSNSといったさまざまなサービスを、われわれはインターネットを通じて利用していることになります。
ここでのまとめ
- インターネットは情報をやり取りするための基盤
- インターネットがあることで、世界中のコンピュータが通信できる
- YouTubeで動画が観られるのも、インターネットがあるおかげ
2. Webとは?
Webは「仕組み」
CMの最後によくある「続きはWebで!」という言葉、みなさんもよく耳にしますよね。
「インターネット」と同様に、「Web」という言葉も馴染みがあるかと思います。それでは、「Web」とはなんでしょうか。そして「インターネット」との違いはなんでしょうか?
「Web」は、インターネット上、つまりコンピュータが繋がった巨大なネットワーク上で、情報を送信できる仕組み のことを指しています。普段、私たちが「Webサイトを見る」と言うときは、この仕組みを利用しています。
Webの正式名称は「World Wide Web(ワールド・ワイド・ウェブ)」です。「World Wide(世界中に広がる)」「Web(クモの巣)」という名前の通り、世界中のコンピュータがクモの巣のように繋がり、情報を共有できる仕組みを指しています。
普段使いとしては正式名称は長すぎるということで、一般的には「WWW」や単に「Web(ウェブ)」と呼ばれています。
もっと具体的に言えば、YouTubeで動画を見たり、Amazonで買物をしたり、SNSで誰かとコミュニケーションを取ったりするときは、裏でWebの仕組みを利用していたわけです。
冒頭で例を出した「続きはWebで!」という言葉ですが、これを言い換えると「続きは情報を送信する仕組みで!」という言葉になり、「は?」となります。
なので、正しく言い換えるとすれば「続きはWebサイトで!」の方がいいですね。
・・・うるせぇですよね。
Webとインターネットの違い
それでは、Webとインターネットの違いはなんでしょうか?
先ほど説明したように、インターネットは情報を送るための道、いわば 基盤 です。一方、Webはその基盤の上で情報を送信するための 仕組み です。
例えば、インターネットが「道」だとすれば、Webは「宅配便のサービス」のようなものです。道があるだけでは荷物が運べません。そこに宅配便のサービスがあることで、荷物を運ぶことができるのです。
同様に、インターネットがあるだけでは、情報を送信することはできないのです。そこに、Webという仕組みがあることで、情報を送信することができるようになるのです。すばらしいですね、Web。
ここでのまとめ
- インターネットは単なる基盤であり、それだけでは情報を送信できない
- インターネットの基盤の上で情報を送信する仕組みが、Web
3. ブラウザとは?
みなさんのスマホにもブラウザが入ってる
さて、ここまでインターネットとWebについて説明してきましたが、私たちはどうやってWebを利用しているのでしょうか?
その答えが「ブラウザ」です。ブラウザとは、Webページを閲覧するためのソフトウェア です。代表的なブラウザとして、Google Chrome、Safari、Microsoft Edge、Firefox などがあります。聞き覚えのあるものもあるのではないでしょうか。
スマートフォンやパソコンで、インターネット上の情報(WebサイトやWebページ)を見るときは、ブラウザを使っています。例えば、Amazonで買い物をする際も、ブラウザを通じてAmazonのサーバーにアクセスし、商品情報のページが表示されているわけです。
ブラウザは、Webページの情報をサーバーから受け取り、私たちが見やすい形に整えて画面に表示してくれているのです。
「Webページ」や「Webサイト」という言葉は、みなさんもよく耳にしますよね。この2つの違いはなんでしょうか?
Webページは本の1ページ、Webサイトは本全体のようなものです。例えば、Amazonの商品詳細ページは1つのWebページで、Amazon全体がWebサイトです。Webサイトは、複数のWebページが集まって構成される、より大きな単位だと考えてください。
インターネットとWebとブラウザの関係
さて、ここまでインターネット、Web、ブラウザについて説明してきましたが、これらの関係性はどのようになっているのでしょうか?
インターネットとWebの関係性は、先ほど説明した通りです。一方、ブラウザはWebページを閲覧するためのソフトウェアです。つまり ブラウザは、インターネットという基盤において、Webという情報送信の仕組みを利用する際の「窓口」のような役割を果たしているのです。
無理矢理な例えで説明すると、インターネットが「道」で、Webが「宅配便のサービス」だとすれば、ブラウザは「宅配便の窓口や配達スタッフ」のようなものです。宅配便の窓口や配達スタッフがいなければ宅配便のサービスを利用できないのと同じように、ブラウザがなければWebを利用できないのです。
(じつは、ブラウザを使わずにWebを利用する方法もあるっちゃありますが、それはまた別の機会に)
「ブラウザ」は「Webブラウザ」の略称です。英語の"browse"(閲覧する)という意味から、「Webページを閲覧するためのソフトウェア」という意味でこの名前が付けられています。最近では単に「ブラウザ」と呼ぶことが一般的になっています。
蛇足ですが、Webブラウザ以外のブラウザとして、ファイルを閲覧するためのファイルブラウザなどがあります。ファイルブラウザは、パソコンやスマホのファイルを閲覧するためのソフトウェアです。
ここでのまとめ
- ブラウザは、Webページを閲覧するためのソフトウェア
- ブラウザは、私たちがWebを利用する際の「窓口」のような役割を果たしている
記事のまとめ
この記事では、普段何気なく使っているインターネットやWebの基本的な仕組みについて説明してきました。「なんとなく分かったような、わからないような」という方も多いかもしれませんが、それで十分です。知識とは、少しずつ肉付けされてくるものです。
この記事の最後に、インターネット、Web、ブラウザのそれぞれの用語についてまとめておきましょう。
- インターネットは、世界中のコンピュータをつなぐ通信網で、情報をやり取りするための基盤
- Webは、インターネットの基盤を利用して情報を送信するための仕組み
- ブラウザは、Webを利用するための窓口となるようなソフトウェア
インターネット、Web、ブラウザは密接に関係しており、この情報社会になくてはならないものになりました。インターネットを基盤とし、その上でWebという仕組みが作られ、ブラウザを通じて私たちはWebを利用しています。
GWの間中ずっと、私が部屋の中でアマプラを相棒に引きこもれるのも、こうした技術があるおかげです。本当にありがとう。
この記事が、みなさんのWeb技術への理解を深めるきっかけになれば嬉しいです。それでは、やる気があればまた記事を書きます。そのときまでさようならー。