はじめに
Power BIに興味を持った方に向けて、Excelとの違いを簡単にまとめます。
「EBPMを推進したいのでPowerBIを導入する。将来的には全社展開していく」
そんなことを考えはじめた方のお役に立てれば幸いです。
※BI(ビジネスインテリジェンス)とは、多様なデータソースからデータを収集・加工・分析・可視化し、業務上の意思決定に活用すること。
PowerBIとは
PowerBIはデータの共有・可視化を行うためのツールで、Microsoft PowerPlatformの一員です。
Desktop版・Pro版などのラインナップがありますが、ここでは一括りに論じます。
Power Queryとは
Power Queryはデータの前処理(※)を行うためのツールで、ExcelやPower BIに搭載されています。
※データを利用しやすくなるよう変換、結合、欠損値補完などで整えること
データはファイルだけでなく各種データベースやオンラインサービスといった多様なデータソースから受け取って利用できます。
PowerPlatformファミリーなのかofficeファミリーなのか微妙な立ち位置のヤツです。
- Power Queryはデータの前処理を行うツール
- Power QueryはExcelとPower BIの両方に搭載されている
大事なことなので2回言いました。
どこまでがExcel?
すなわち、BIツールの紹介としてよく書かれている「大量データの前処理」「多様なデータソースからのETL」はPowerBIにおいてはPowerQuery側の機能であり、
同じくPowerQueryを搭載しているエクセルでも(ほとんど)同じことができます。
さらに、エクセルはPowerPivotも組み合わせればリレーションシップや可視化まで可能であり、ビジネスインテリジェンスへの対応範囲は意外と広いのです。
改めて、どこからがPowerBI?
そんなエクセルに対して、PowerBIの差別化ポイントは以下のような点になります。
更に大量のデータ処理(数百万レコード規模、多数のデータソース)
更に多様かつ動的な可視化表現
更にリアルタイムかつ高度なデータ更新
PowerBIはどんなとき必要か
ここまで読んでくださったら、「EBPMを推進したいのでPowerBIを導入する」というロジックは飛躍していると分かっていただけると思います。
言うまでもなく一般ユーザーにとってはエクセルの方がデファクトスタンダードですので、
PowerBIに惹かれたEBPM推進担当者は、「Excelでいいじゃん」 という自問からは逃れられません。
PowerBIを展開する際には、以上の話を踏まえて「エクセルでなくPowerBIであるべき理由」をしっかり掘り下げておく必要があります。
もちろん、BI黎明期の啓発にエクセルを活用したうえで段階的にBIを導入するといった両刀遣いも有効です。