GDC2014の振り返り。帰国後2週間ほど調子が悪く寝ていた。
木曜日と金曜日の分をやっと纏めたので、それを載せる。
Crimewatch 2.0: Redesigning EVE Online's Policing System
EveOnlineに於ける治安監視システムの作り直しの話。作り直す前のシステムでは、攻撃された被害者は、加害者にのみ半減期することを許可していた。そうすると、どこまでが反撃可能なのか曖昧になってしまい、管理が大変になった。そのため最終的に、犯罪を犯したものはその後、15分誰からもペナルティなしで攻撃できるという形に切り替えた。
複雑なシステムを、修正しようと更に複雑さを導入するのはまずいという言葉が印象的だった。
Evolving the Server-Side Architecture of League of Legends
LoLのサーバサイドの進化の話。最初は、javaのjarの塊で、1boxの上に他のサーバプログラムとともに乗っていた、人気が出るに連れて、チャットマッチングのようなプログラムは分離させていき、サーバも台数も増やした。それでも劇的なユーザー増加に押されてて、サーバのデバックが難しくなった。設計上の大きな決断は、そのようなサーバプログラムを、マイクロサービス・プログラムとして作りなおしたことだ。設計として心がけたのは、HTTPを使ったRestfuilなサービスとして書きなおしたことになる。Restfulなりソースベースのサービスはゲームとよくマッチすると言っていた。
Managing Code Complexity in Asynchronous Distributed Server Architectures
C++で、コードジェネラータを使って、自動でC++の通信部分を作る話。xmlを使っていたり、eventドリブン形式だったりと、関係者から嫌な汗が出るどこかで見たシステムを見ているようだった。コルーチンのコードもxmlで書けるぜーというサンプルが、結構ひどくて、会場がざわついていた。
なんか色々酷かった気がする。
Sexism and the Game Industry: An Empirical Study
ゲーム産業における性差の話。何故ゲーム業界には女性が少ないのかの話。大きく分けて2つの側面があり、ガラスの天井と、ボーイズ・クラブとしての側面だ。ガラスの天井は、昇進に於ける不合理な扱いで、ボーイズクラブは、男子校的なノリのことだ。女性はその場にいないことになってしまう。最後にもう少し中性的なゲーマー文化は作れないかという話で終わっていた。
Overview of the Chinese Mobile Game Ecosystem
中国のモバイル市場の概況。
4億5千万のユーザーが居る。200億ドル規模の市場で、モバイルゲームは、50億ドル程度。要は急成長している。モバイルのマーケットはユーザーシェアでは、Androidが圧倒的だが、iOSユーザーの方が金払いは良い。
アンドロイドのマーケットストアは乱立しており、QihooやBidoo,Tencent,Wandoujiaあたりが大手。
開発者とストアの取り分は、50%50%というたてまえだが、実際は、開発者はもっと低い。三割くらいが取り分のようだ。
ゲームカテゴリでは、カードバトルパズルアクションRPGが強い。
コンバージョン率は、カードバトルが最も高く、ARPPUはRPGとストラテージが高い。ARPPUが50ドルを超えるとかちょっとしたお金持ちだなッて思う。
8万のゲームスタジオがあり、毎日100個のゲームがリリースされる。
Curating Video Game Culture: The New Wave of Video Game Events
ゲームカルチャーのキューレーションの話。ニューヨーク、ロサンジェルス、トロント、オースティン、ロンドンで、ゲームをメインに据えたコミュニテーやコミュニテースペースのオーガナイザーが集まって、各都市のゲームコミュニティーの現状を報告していた。ゲームと言っても新しいゲームではなく古いゲームが多く、それをみんなで遊ぶような形式が多い。ゲームを中心に音楽やったり単純に遊んだりと、ゲーマーとよりはゲームを介して地域の再生やコミュニティの再生を願っているような気もした。
Accessibility: Lessons Learned from Designing for Gamers with Disabilities
障害とゲームデザインの話。ゲームの世界を盛り上げるためのギザギザのフォントは読みにくいで、読みやすくするオプションがあったり、字幕をつけたりできる。
ゲームデザインのガイドラインがあり、色盲の人がどのように画面が見えるかシミュレートして、改善するツールもある。
16時間開発者を使えば、12%のゲームで、字幕が作れて、14%のゲームで、失読症の人向けのフォントが、有効にできる。
といろいろ実例を上げて説明していたが、講演後の質問では、そのような障害を持った人をどのようにテスターにするか?どのように見つけたらよいかという点に質問が集中していた。