Scrum Fest Sapporo Day 2 「アジャイルな組織を創っていくには?地銀で取り組むアジャイルな組織創り」
2020/11/07に開催されたScrum Fest Sapporoの発表です。
https://confengine.com/scrum-fest-sapporo-2020/proposal/14062
チーム参加してきました
aslead Agile のチーム「オキザリス」にて参加してきました。
チーム7人中、1人で参加して、その場で実況しつつ、記事も作っています。
発表について
RSGT2020を圧縮+その後のこと+その後の観点を盛り込んで発表する。
また、エピソードを紹介し、そこから得た知見・考えを発表する。
自己紹介
- 福岡の地銀で2018年からアジャイル開発に携わる
- 現在スクラムマスター
RSGTの振り返り
アジャイル組織を作っていくためには自分自身や自チームからやっていかないといけない。
以前は無駄な時間、コストがとても多かった。
また、WEBサービス開発するのに経験者がまったくいない状態からのスタートということでプレッシャーもあった。
エピソード1・期待の新戦力
経験者が入ってくるという話があり期待していたが実際は未経験者だった。
素人集団にさらに素人が入ってくるということで絶句。
育成が必要だが、自分たちも育成段階だったため、ペアプロをやってみた。
実際やってみたら
作業量は大して変わらないのに知識の共有ができ、2人で実装することにより不安も減った。
ポイント
ダメだったら辞めればよいという考え。
気軽にやって、試してみることが大事。
また、それを振り返ることも大事
その後
人数が増えてきたのでモブプロにも挑戦。
現在ではソロ・ペア・モブなど使い分けを行っている。
エピソード2・プッシュ戦争
他チームからプッシュされるという情報がありチームがざわつく。
プッシュされたものがコンフリクトした場合には遭遇したチームが直すことになり、しかもボリュームが多いため。
プッシュされたものが動くかどうかの保証がない状態で引き渡されるため、結果責任が持てないし、チームとしての活動ができていない状態になってしまう。
→ CI(Continuous Delivery)を導入
導入前は
・問題が起きたら誰かが解決するはず
・コミュニケーションが希薄
実際やってみたら
問題に全員で対応するようになり、コミュニケーションも増加した
ポイント
問題が自分ごとになってから、どうするか考える
SMが問題を解決しすぎるのではなく、どう解決していくかをみんなで考えるのが大事
その後
TDDに挑戦→ATDDにも挑戦→フロント、バック分けずに挑戦し、現在はインフラにも挑戦
エピソード3・兼任するってよ
兼任問題。開発しながらスクラムマスターを兼務してほしいと言われ、やってみた。
スクラムマスターとしてよりも、開発に集中してしまう。
また、ちょこちょこ抜けるので開発メンバーも気を遣う状態に。
そんな状況にも関わらず、本人は出来ていると考えている。
結果、入っていたコンサルなどから戦力外通告されてしまう。
スクラムマスターは専任しよう!
CSMの取得。
スクラムマスターを専任でやることで、兼任スクラムマスターを作らない風潮ができた。
エピソード4・チーム崩壊
なんだか楽しくなさそうだよね、と周囲から言われるようになった。
「ならもっと楽しくやってやるぜ」という雰囲気となる。
その結果、
「楽しくやろう」から「面白ければいい」という雰囲気になり、真剣さ、規律が欠如してしまった。
また、それを指摘すると「雰囲気悪くなるからやめてください」と言われてしまう始末。
ポイント
・チームの意見を尊重することとチームに配慮することは違う。
・自律的なチームと自立的なチームは違う。
・リーダーシップの使い分けも必要。
サーバントなだけではなく、いろいろなリーダーシップを使い分けよう。
これらを正しく理解しながらチーム活動することが大事。
その後のチーム
入っていたコンサルから卒業して、自分たちだけで活動中。
銀行の文化はコンサルが入ってるのが普通だが、そこから卒業できたのはチームとしての1つの大きな成果。
さらに追加の話
(ここで時間が来てしまったので3分延長し、重要な点を説明いただいた)
エピソード6・板挟み
他チームを巻き込むうえでの重要なポイント。
ある程度他チームを巻き込んで進められているときに、チームメンバーからプロダクトチームと組織から求められていることにギャップがあるのではないか指摘があった。
ポイント
ボトムアップで成し遂げるだけでなく、トップも巻き込もう!
上司が協力してくれたり、組織の理解を得ることが大事。
そこをケアして進めていくことで、求められていることの乖離というものがなくなっていく。
感想
(チーム全員の感想です)
- 地銀というアジャイルを取り入れるというチャレンジングな取り組みにまず驚きました。おそらくアジャイルを組織で始めるまでにも様々な苦労があったのだろうと思うと脱帽です。ぜひエピソード0としてお聞きしてみたいです。
- チームが成長する過程で挙げられた様々な課題は我々が遭遇しそうなことばかりで、業界は関係ないのだと感じます。「XXの業界はアジャイルやるには難しい」と頭から決めつけるのではなく、どう我々の業務にフィットさせていくのかを考えることが大事だなと感じました。