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Google Cloud Next Tokyo ’23に行ってきました!〜Day2編〜

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皆さん、こんにちは。
KDDI CCoE(*1)の柴田です。

2023/11/15,16の2日間、Google Cloudのビッグイベント、
Google Cloud Next Tokyo ’23 に行ってきました!
https://cloudonair.withgoogle.com/events/next-tokyo

このイベントで学んだことを速報でレポートします!(*2)
本記事はDay2編です。

※1:CCoE = Cloud Center of Excellence の略称。
自社内のクラウド利用推進をさまざまな形で支援・牽引する専任組織を指す。

※2:速報ということでスピード優先のため、テキストOnlyとなります。ご了承ください。

DAY2:基調講演

  • Googleのソフトウェアイノベーションの歴史
    ・2003年からBorg、Google Cloud Platfrom、Maglev、Colossus、Kubernetesと、
     ソフトウェアのイノベーションを繰り返してきた
    ・そして、Borgはオープンソース化=Kurbernetesとして提供している
      
  • ソフトウェアイノベーションの始まりはロードバランサー
    ・3rdParty製のロードバランサーでは要件に合わず、独自の負荷分散の仕組みを構築
      
  • インフラアップデート
    ・トピックは3つ
     ・AI-Optimaized infrastructure
       ・A3 VMs
       2024/6に東京リージョンでAvailableになる

 ・Modern and Enterprise Workloads
  2027年までにアプリケーションが90%以上コンテナ化するという試算あり

  ・Cloud Runサイドカー
  ・GKE Enterprise Edition
   マルチチーム管理でより簡単にスケール
   エンタープライズワークロードを安全に実行
   マネージドコンテナプラットフォームによる運用コストの削減

 ・Relaiable and scalable infrastructure
  ・Cross-Cloud Network
   クラウドとオンプレミス拠点間のシンプルな接続を実現する、
   オープン/安全/最適なネットワークプラットフォーム
   https://cloud.google.com/blog/ja/products/networking/whats-new-with-google-cloud-networking
  
  ・Cross-Cloud Interconnect
   Google Cloudと他のパブリッククラウドを専用線で接続するネットワークサービス
   https://cloud.google.com/network-connectivity/docs/interconnect/concepts/cci-overview?hl=ja

CAPCOMの事例

  • ストリートファイター6でGoogle Cloudを採用
    ・ユーザのプラットフォーム不問で遊んでもらう必要があり、
      地球規模とも言えるGoogle Cloudは最適な選択肢だった
      
    ・リアルタイムで世界中のユーザのプレイランキングを表示する、など

 ・開発の人件費が嵩んでいるので、マネージドサービスも活用している

  ・効率化、最適化した技術で、「おもしろさ」へ再投資している

北國FHD

  • 短期的な利益のためではなく、中長期的にお客さまを支えるため、ノルマ営業を廃止

  • 技術にも投資している
     ・ATMの社内開発、銀行システムのクラウド化(Azure)

  • 超ミッションクリティカルな銀行システムは、単一クラウドにして障害復旧を待っているだけではダメ
    ・マルチクラウド活用
    ・Java化、コンテナ化
    ・Windows、COBOLからの脱却

 →Google Cloudを採用
   Cross-Cloud Interconnect、GKEE、Googleのカルチャーとマッチしていたことが理由

Data & AI

  • コンタクトセンターのデモ
    ・会話音声履歴といった非構造化データを分析/活用するのは難しい
     →そこでPaLM2
       Speech to Textでテキスト化し、PaLM2で感情や不満の分類ができる

   →非構造化データと構造化データを掛け合わせて分析、
    Looker StudioなどのBIツールで可視化、意思決定に活用できる
  

  • pandasを活用できるBigQuery Studioがプレビューに!
      
  • 統合されたAIレイクハウス
    ・SQLについて自然言語で問い合わせると、解説もBigQueryがしてくれる

TBSの事例

  • Google Workspaceを長期活用
  • Duet AIへの期待
    ・セキュアに利用できること、と日本語対応(2024年中に対応)

Googleはスタートアップの支援にも注力

  • Google自身が元はスタートアップであったため、現在は支援することで貢献
  • LUUP(電動マイクロモビリティのシェアリングサービス)でGoogle Cloudを活用

<コメント>
Googleのイノベーションの歴史が現在はAIに至っており、
元はスタートアップだったことを踏まえた支援にも触れられたことで、
一貫してカルチャーを感じる内容でした。

無数にあるサービスやプロダクトに通じているGoogleのカルチャーはとても好きなところです。

生成 AI のもたらすインパクトとエンタープライズ利用における検討ポイント

  • 生成AIのソリューションは大きく以下の3パターンに分けられる
    ・SaaSでの利用
    ・基盤モデル+チューニング
    ・基盤モデルの開発
      
  • このセッションでは基盤モデル+チューニングにフォーカス

ファーストユースケース実現のための8steps

  • Step1:ビジネスドメインとユースケースを特定する
    ・ビジネスインパクトと、フィージビリティの観点を考慮し、
     そこにリスクの高低を掛け合わせて検討

  • Step2:データソースを特定する
    ・何のデータが必要か、どこにあるデータが必要か、どのようなガバナンスが必要か

  • Step3:タスクフォースを立ち上げる

  • Step4:成功基準を定義する

  • Step5:自社データと統合されたアプリケーションを構築する
    ・パフォーマンスとセキュリティを考慮する

  • Step6:アプリケーションの利用者を拡大する

  • Step7:運用プランを整理する
    ・パフォーマンスの測定、監査情報の取得など

  • Step8:同じドメイン内の追加ユースケースに取り組む
    ・全社展開/外部公開を見据えて、CCoEの立ち上げ

実装例

  • パフォーマンス
    ・グラウンディング:生成AIの解答の正当性を確保するためのもの
    ・チューニング:LLMの回答を何らか整えたい場合に施すもの

  • セキュリティ
    ・Sensitive Data Protectionが使える

  ・機密データの処理
   PaLMを利用した機密データの処理や、ベクトルDBを使ったフィルタリング

   ベクトルDBに危険度の高いベクトルを保存しておき、
   類似度を計算してプロンプトインジェクションから守る

   ユースケースを考慮した柔軟なデータアクセス権限管理も実現可能
   →Dataplexにて
    https://cloud.google.com/dataplex?hl=ja
 

  • オブザーバビリティ
    ・Model Ecaluation(モデル評価)
      LLMの品質を定量評価、自動で切り替え

・Cloud Audit Loggingで監査ログを取得

  • マネージドサービスの利用
    ・Vertex AI Search
      Webページ、構造化データ、非構造化データを統合して会話ベースで検索可能に
      回答のサマリと関連ドキュメント、ドキュメントの参照先も表示できる

<コメント>
生成AIソリューションを導入していくステップがきれいに整理されていて分かりやすいセッションでした。
すでに導入されている方でも、今一度進め方を見直す指針になりそうです。
全社展開を見据えたCCoEの立ち上げ、というキーワードが出ていたのは個人的に目に留まりました。

変化を先導するみずほ マルチクラウドへの挑戦

PwCコンサルティング合同会社 Director 黒田 育義さん、
株式会社みずほフィナンシャルグループ IT・システム統括部 クラウド統括チーム 次長 西本 聡さんの
セッションでした。

PwCが考えるマルチクラウド統制

  • マルチクラウドとは
    ・経営や事業のニーズに応じて、最適なシステム環境を実現する取り組み
    ・実装モデルとサービスモデルの掛け合わせ
      実装モデル:パブリック/プライベート/ハイブリッド
      サービスモデル:IaaS/PaaS/SaaS

・一般的な金融機関では、オンプレミス(勘定系)とパブリッククラウド(情報系)を併用するマルチクラウド化が進む

みずほFGが考えるマルチクラウド統制

  • 重要な決済システムにおいてもクラウドを活用しようとしている

  • みずほのパブリッククラウドの活用戦略
    可用性/信頼性要求、および、迅速性要求の高低の二軸で4象限に分類し、
     可用性/信頼性要求が比較的低い領域を活用スコープとしている

  • AWSとGCPの使い分け
    ・3つの観点で使い分けを考えている
     ・システムのユースケース
     ・みずほとしてのサービス保証
     ・選択肢の多さとオープン性

  • マルチクラウド共通基盤
    ・以下の機能でAWS/GCPを橋渡しするような基盤(機能)
     ・データ/アプリ連携(API/ファイル転送など)
     ・開発支援ツール(CI/CD、IaCなど)
     ・セキュリティ/サイバー攻撃防御
     ・プライベート回線接続

  ・プライベート回線接続により、オンプレミス/プライベートクラウドもサポート

  • マルチクラウド運営はCCoEでサポート
    ・CCoEで4つの業務領域をサポート
     ・ルール/ガバナンス
     ・システム基盤運営
     ・組織/人材/体制
     ・クラウド活用拡大
    ・CCoEはバーチャルチームで構成される

  • オンプレEOLを迎えてクラウドリフトが最適とガイドされても、抵抗が大きい
    ・泥臭くやっていくべき
    ・CCoEとPwCで連携して、単純更改を原則禁止している

<コメント>
基調講演の北國FHDしかり、厳しい法規制や可用性/信頼性が求められる金融機関でも、
スコープを定めてクラウド活用に取り組まれていることはクラウドファーストを感じさせますね。
また、失敗しにくい業界において、単純更改をよしとせず、クラウドシフトを促そうとしているのが印象的でした。

強みを活かす組織づくりへの変革を考える

株式会社 UPSIDER HR HRPR 宮本 佳歩さん、
吉積情報株式会社 代表取締役 秋田 晴通さん、
Tably株式会社 代表取締役 及川 卓也さん、
Google Cloud パートナー事業本部 ソリューション パートナー 事業開発マネージャー 清水 岳之さん
のパネルディスカッション形式のセッションでした。

  • イノベーションを生み出す組織に共通する6つの要素
    ・多様性の尊重
    ・ビジョン共有
    ・自主性
    ・内発的動機づけ
    ・リスクテイク
    ・つながりとコラボレーション

  • 変革者にロールは関係ないが、立場によってアプローチは変わってくる

  • VUCA時代において最も大切にしていることは?
    ・プロダクトのユニークさを表現するのが難しい時代、組織のカルチャーそのものが差別化要素になる
     ・Google Cloudでないとできないことはほとんどなかった
     ・それはスタートアップでも同じ

カルチャーはプロダクトである
 ・企業規模問わずカルチャーは大事だと考えている
 ・カルチャーそのものに正解も優劣もないが、大切にしてほしい

  • フェーズが変わっていくとカルチャーも変わるのか?
    ・UPSIDERは創業5年目で200人規模、創業3年目ではまだ数人だった
     ただ、挑戦者であり続けるというカルチャーは変わらなかった
      
    ・同じカルチャーに固執し続けるのも時代にマッチしない
     変化に応じて、メンバーとビジョンを共有しながらカルチャーを変えていくことが必要では? byかほさん

・人と話すとスッとアイデアがわいてくることもある
 メンバー同士がコミュニケーションしやすい環境を大切にしている

・ビジョン/ミッション/バリューは抽象的で伝わりづらいので、
 何回も説明するし、経営層が変わったときなどに解釈の仕方などをコミュニケーション取っている by秋田さん

・VUCA時代に大事なのは、飛行機である(=飛び続ける)こと
 ・アジャイル開発やリーン開発で大事なのは、加速度を意識すること
 ・JTCだと、上司の過去経験をベースにチェックリストが肥大化していってしまい、加速度が失われる、そうなると飛び続けられない

・飛行機のゴールも重要だし、そこにたどり着くためのクルー体制も重要だし、
 事故が起こったときはすべて投げ打って墜落しないようにしないといけない。
 そこに心理的安全性がないと、指示できずに墜落してしまう

  • 成長に対する最も大きな課題は?打ち手は?
    ・必要なクルーをどうやって集めるかが難しい。
     実際には集まらないことも多いので、今いるクルーでどうするか、
     どうやって当事者意識を全員が持つかが課題

 ・相互理解をどう深めていくか(心理的安全性を含めて)
  なぜそんなことを今言うのかまで理解するために

 ・チームへの帰属意識をどう高めていくか
  共通のアイテムを身につけるのが意外にいい 
 

  • 組織づくりの失敗例
    採用に尽きる
     採用基準を緩めないので、いつまで経ってもプロジェクトが始まらないこともあった

・大組織だと歯車になりがちだが、成長の先に個人/組織/会社の成功がある
 それをイメージできている人が少ない

・スタートアップは死に物狂い、スタートラインがまったく違う
  大企業はヒト/モノ/カネ全てあって、負けるわけがないのに負けている
  →戦ってないから、戦う集団になってないから
   ジブンゴトになってない
   みんながみんな戦えば組織は変わる
   有限な時間を何に割いていくか考えることになる

  • 強みを活かす組織づくりのヒントを一言でお願いします!
    ・多様性は、会社/顧客/社会の成長につなげるためにやっている、それを意識しよう
    ・10x Thinking!!
    ・アクションを取ってほしい!
    ・行動変容を起こしてほしい、それが組織変革につながる

<コメント>
個人的に、2日間のセッションで一番刺さりました!
クラウドでイノベーションを起こすためにCCoEの仕事をしていますが、
もちろん一人では仕事はできないので、カルチャーや組織づくりが重要と考えている中で、
定性的/抽象的な取り組みは成果として見せづらく、温度感高く理解されないのが悩みでした。

しかし、「カルチャーはプロダクトである」、この名言で一気に霧が晴れたような思いになりました。

KDDI CCoEとして、クラウドの活用をきっかけに行動変容を促す、イノベーションを起こす
そのために大事にすることを考えて言語化し共有する。みんなで同じ方向を見ていけるようにする。

これまでボヤッと考えてきていたことはズレていない、とを改めて認識したので、
このセッションでもらったメッセージを心に、これからもCCoEやっていきます!!


Day2で私が参加したセッションのレポートは以上です。

Day2ではよりCCoEでやっていくべき活動のインサイトを得られる
インプットを多くいただけた印象で大変感謝でした。

いずれはインプットを提供していける側になるべく頑張っていきます!!
この2日間で学んだこと、必ずや持ち帰って活動に活かし、どこかで発表しますので乞うご期待!!

以上、2日間にわたるGoogle Cloud Next Tokyo ’23の参加レポートでした。

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