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Linux Professional Institute "BSD Specialist" を受けてみた

Last updated at Posted at 2019-12-04

タイトルが微妙にアレですが、間違ってないです。
間違いなく Linux FreeBSD Advent Calendar 2019 5日目の記事です。

はじめに

Linux の団体? なのに BSD? とリリース当初は つぶやかれ たりもしていた、 LPI が BSD のスペシャリストを認定 というなんだかよくわからない状態が面白そうだったので というのがちょっと興味を惹かれたので、受験のついでに記録として記事を書いてみました1

BSD Specialist とは

もともと BSD Associate や BSD Professional をリリースしていた BSD Certification Group(以下 BSDCG) と Linux 等のプロフェショナル認定を行っている Linux Professional Institute(以下 LPI2) 、その両者の 2017年末に発表した統合 によって開発された新たな BSD 認定資格 3

リリースアナウンスを読む限りでは、おそらく以前の BSD Associate を引き継ぐようなもので、

  • BSDオペレーティングシステムのシステム管理者(system administrator of BSD operating systems)である
  • BSDオペレーティングシステムのアーキテクチャへの理解(understanding of the architecture of the BSD operating systems)

が求められている。

試験範囲

この に詳細が出ているものをざっくりまとめると

  1. セットアップ/アップグレード及びパッケージ管理
  2. ストレージとファイルシステム
  3. 基本的なシステム管理
  4. ネットワーク管理
  5. 基本的な Unix スキル

と、システム導入から運用までの基本をカバーするもので、なおかつ FreeBSD, NetBSD, OpenBSD の 3つの主要な BSD システムを対象としている。

勉強方法(?)

BSD Specialist 発表の翌日くらいに ピアソンVUE から受験の申込み、約 2週間後に試験日を設定。

社内サーバとして FreeBSD を約10年ほど運用していたり趣味の範囲ながらも時々 OpenBSD で遊んでいたりということもあり、隅から隅までまんべんなく…というよりも

  • セットアップやユーザの追加などと言った頻繁には行わない範囲や苦手な箇所
  • (最近はあまり触っていなかった) NetBSD の基本
  • FreeBSD, NetBSD, OpenBSD 間の相違点

などを重点的に、学習という程にしっかりとしたものではなく、感覚的には復習に近い感じで、空いている時間を使って勉強を行った4

その学習媒体は web 上の ハンドブックや FAQ はもちろんのこと、(対象とするバージョンは古かったものの)手持ちの BSD 関係の書籍などを参照しつつ、実際にコマンドを発行したり man(1) を引いたり。
インストールやアップグレードに関しては仮想マシンを用意したりして 実際に 試してみた。

また範囲によっては LPIC/LinuC と多少かぶっている部分もあったりするので、その範囲内の参考書を参照したり問題を解いたりも。

参考にした書籍

改めて購入したものはなく、すでに持っていたものばかり。

  • はじめてUNIXで仕事をする人が読む本 (KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)
  • 実践 FreeBSD サーバ構築・運用ガイド (技術評論社)
  • プロフェショナル BSD (ASCII)
  • FreeBSD 徹底入門[改訂版] (翔泳社)

等など

受験してみて

リリースされた直後ということもあり現時点では 英語 で出題される5。そのため少なくとも英語がある程度読める必要はあるものの、そこまで難しい文章ではないため英語のハンドブックや FAQ を理解できるくらいであれば設問を理解し選択肢から回答を選ぶことは難しくはない。

肝心の試験問題の難易度は、素直な個人的な感想として、想像していたほど難しくはなかったかな…? という感じ。もちろん設問によっては「そんなん初めて聞いたわ!」というようなものもあった6り、問題をじっくり読まないと引っかかるようなものもあったりと、難しくはないが制限時間がたっぷり余ったりと言うほど簡単でもない7。単純に比べられるものではないかもしれないが、同 LPI の行っている Linux Professional Institute Certification(以下 LPIC) の Level 1 及び Level 2 と似たような感じ…というとわかりやすいかもしれない。

どちらにせよ、FreeBSD, NetBSD, OpenBSD いずれかをある程度継続して触っていて、それ以外については深くは知らないまでもセットアップからパッケージのインストール、OS/パッケージのアップグレードをしたことがあり各々の違いや作法をわかってさえいれば、合格ラインに到達はする8 …はず。
実際、 OpenBSD の場合は? とか FreeBSD と NetBSD では? などと個別に聞かれる設問もあるが、それでも同じコマンドでスイッチや挙動が異なるケースなど意地の悪い類のものではなく、パッケージ操作のコマンドやサービスの管理、ネットワークの設定の仕方の違いなどを問うもので、それ以外では共通したものになっている。

Specialist のその先へ?

BSDスペシャリスト概要 にもあるとおり、 有効期限は 5年 と設定されている。そして BSDCG では entry-level の Associate に加えて advanced level の Professional の認定資格が用意されていた。
LPIC に倣うとすると、順当に行けば BSD Specialist のリリースから 5年以内に Professioanl 相当の認定試験がリリースされるのでしょう…が、そのあたり今の所何もアナウンスがありません。
BSD Associate 認定試験が日本語で日本でも行われていた ので、アナウンスの通り BSD Specialist の日本語版は出てくるのでしょうが…

おまけ

LPIC では試験に合格すると、その通知に合わせて

LPIC-X Xxx の認定証は紙とPDFでご用意いたします。
紙の認定証は、合格より6〜8週間でお届けできる予定です

というメールが試験後数時間のうちに送付されていたが、 BSD Specialist では合格の通知のみで認定証に関する事柄は一切なにもない。こっそり PDF だけでも…と思って確認してみたけれど…
試験から約一週間後、

Congratulations on successfully earning your Linux Professional Institute BSD Specialist certification.
(snipped)
At the same time, download a printable PDF version of your certificate at:

という通知に加えてダウンロード用のリンクが送られてきたけれど、そのリンクをたどっても Not Found で何もなし。
更に LPI の MyAccount からログインして確認してみても、BSD Specialist の認定証がダウンロードできる様子はどこにもない。
おそらく LPIC などで用いられる自動送信で送られてきたのだろうが…今はまだ認定試験が始まったばかりで認定証などの用意が遅れているだけで、いずれは PDF ででも認定証が閲覧/ダウンロードできるようになる…と思いたい。

lpi.jpg

追記 1 (2019/12/25)

LPI お問い合わせ ページ内の FAQ に

なぜ郵便で私の証明書を受け取っていないのですか?
(Why haven't I received my certificate in the mail?)

紙の証明書は、LPIC、DevOps、およびBSDS試験に対してのみ発行され、Linux Essentialsには発行されません。 Linux Essentials PDF証明書は、lpi.orgアカウントにログインしてダウンロードできます。
(Paper certificates are only issued for LPIC, DevOps, and BSDS exams, not Linux Essentials. You may download your Linux Essentials PDF certificate by logging into your lpi.org account.)

とあり、 だいたい 4〜8週間程度で紙の認定証が手元に届く と記載がありました。
追記している今現在が受験からおおよそ 5週間と少し。年末年始ということを加味しても 1月末くらいには認定証が届くということでしょうか…?

追記 2 (2020/07/20)

結局一月が過ぎても二月が終わっても、紙の認定証が届くことはなく、すっかり忘れてしまっていたモノの
ちょっと用事があって LPI の MyAccount を見てみたら… PDF のダウンロードができるようになっていました。
bsds.JPG
LPI のロゴに BSD Specialist と、改めてみるとなかなかすごい絵面。

前掲の LPI お問い合わせ ページ内の FAQ では、
未だに BSDS についても紙の認定証を発行するとの記述が残っているので、これは問い合わせをした方が良いのかもしれません(してみます

追記 3 (2020/08/24)

上記の後早速事務局にフォームから問い合わせたところ、

おk。
早速明日代わりの認定証を(メールに添えてあったあて先に)送るよう手配しといたから

とメールで返答があり、それから約一ヶ月後…

海外から9 紙の認定証と(いつもの)レター、そしてプラ製の認定カードが届きました。
ただし 紙の認定証(とレターの文言)はなぜか DevOps Tools Engineer

2020-08-24 23.41.21.jpg

認定カードの方はちゃんと BSD Specialist の銘がありロゴも BSD SPecialist のモノ。
ただ、このカードに書かれている試験番号は 701 となっていて、これも DevOps Tools Engineer

この認定証自体が認定を証明するモノではない

と一応書いてはあるし、実際の認定を MyPage なり Verification で確認すると、ちゃんと BSD Specialist(702) になってるから特に実害は無いものの、なんとも言えない気持ち。


  1. もとは個人的な記録を Advent Calendar のネタに流用しているので特にこれといったオチも何もないです 

  2. 日本では LPI 日本支部 、 LPI-Japan とは違う 

  3. 2019年10月30日にリリースされた 

  4. 運悪く忙しい時期とかぶってしまって全然しない/できない日もあった 

  5. 「日本語対応は来年(2020年)を予定」と一応日本語版のリリースには掲載されている 

  6. 英語を読み違えていなければという条件 且つ 記憶が正しければの話、試験後にその問題の解答を調べてみたけれどどこにも(選択肢として提示されたものの中には)答えが見つからない問題がいくつかあった…どういうことなの orz 

  7. 問題をただしく理解するのに英語が必要という部分も確かに有りはするけれど、それでもちょっと考えなければいけない問題もあった 

  8. 個人の感想であり、効果には個人差があります。また効果を保証するものではありません 

  9. 日本の事務局も経由してきたのか、[折曲げ厳禁]もスタンプと日本支部のラベルが貼ってありました 

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