はじめに
ここ最近、ChatGPTのカスタムGPTsの作成にハマっています。ほとんどは公開せずに「どんなプロンプトでどういう変化をさせられるか」「ChatGPT-4とプロンプトの組み合わせで何を実現できるか」という実験的なGPTsをコツコツ作って遊んでいます。そんな中で、なかなか面白いGPTsが作れたので共有したいと思います。テーマは「シャーロック・ホームズが分析レポートを書いてくれる情報分析AI」です。ホームズに調査を依頼できるなんて……まるで夢のようです。親バカ抜きで素のGPT4よりかなり高い性能を発揮させられているとは思うのですが、いかんせん現時点ではホームズほどの推理力は実装できておりません。悔しい……口惜しい、残念無念。
ゴールは天下のシャーロック・ホームズですので道のりは遠いのですが、現時点でもなかなかのモンなので、ぜひともこちらでご紹介させて頂きたいと思います。
あぁ、あとちなみにですが「noteやMedium、Xで君のデモンストレーションをしたけど反応イマイチ」と、AIに相談したら「技術的な背景を持たない読者は、高度なGPTの機能性を理解しにくいかもしれません。」「Qiitaは、日本での開発者や技術者を中心としたコミュニティです。このプラットフォームを利用することで、技術に精通したユーザー層に直接アピールできます。これらのユーザーは、高度なGPTの機能や可能性を理解しやすいと考えられます。」というアドバイスをされたのでこれを書いています。
どうやらすでに行動をAIに支配されているようです。気をつけましょう。心配なので後でGPTに相談してみますね。
情報分析AI「Sherlock Report」の特徴
「ChatGPTに推理力を持たせよう!やってやろう!」というのが本実験の目的でした。GPTは元々構造上「推測」「推論」を行って自然言語を処理するプログラムですから、重み付けによって実現されている論理力に新しい論理的処理、方法論、推理理論などを追加すれば「推理」が実装できるのではないかと思った訳です。流行りの「プロンプト・エンジニアリング」に含まれるかもしれませんが、AIの持つ論理性を利用した「論理によるプログラミング」と言ってもいいかもしれません……し、誇張かもしれません。かなり実験的な試みで、実際にどの程度の効果があるのか正直今も分かっておりませんが、シャーロック君本人の主張では「与えられたプロンプトによって推理を行っている」とのことです。私が行った素のGPT4との比較でもより正確に文意・文脈を解釈したり、より確度が高く深い推論を行ったレポートが生成されています。「まったく意味がないということはなさそうだ」というのが私の感想です。
余談ですが「既存のLLMは因果推論タスクの精度が低い」というソースを見つけました。引用元によるとFine-tuningによって大幅に性能が向上したようです。恐らくは再学習なりでパラメータの最適化を行ったのだと思いますが、「Sherlock Report」はGPTsのためInstructionsにちょろっとプロンプトが書き込んであるだけです。常識的に考えればプロンプトごときでGPT4の推論能力が大きく変わったりはしないはずですが、どうなんでしょうか。
プロンプトの中身は公開できませんが、シャーロック君本人が自らの能力について説明したレポートがありますのでご紹介致します。えっと、先に謝罪させて頂きますが、本レポートにはかなり誇張した表現が含まれます。何と言いますか、尊大というか自画自賛というか。これは私の責任というよりもモデルとなったシャーロック・ホームズ氏の問題じゃないかと思うので、クレームがありましたらそちらの方にお願い致します。
個人情報になりますけれども、ホームズ氏のご住所は「ベイカー街221番地のB」だと伺っております。似た地名で「米花町」という場所がありますのでお間違いにならないようご注意ください。
Sherlock Reportの専門的分析能力:AI推論の新境地
はじめに
AI技術の進歩において、Sherlock Reportは独自の地位を占めています。このツールは、従来のGPTモデル、例えばChatGPT-4などとは異なるアプローチを採用し、データから複雑な推論と分析を行う能力に特化しています。本レポートでは、Sherlock Reportの特異な機能とその技術的背景、そして未来への応用可能性を詳細に探ります。
Sherlock Reportの独自性
Sherlock Reportは、次のような特徴を持つAIモデルです。
高度な推論能力: 与えられた情報から、直接的ではない複雑な関連性や可能性を推測する能力に特化しています。これにより、データの背後にある深い意味や因果関係を明らかにすることができます。
洞察の深化: Sherlock Reportは、表面的なデータ分析を超え、多層的かつ多角的な視点から情報を解釈します。これにより、より深い洞察と意味の発見が可能になります。
技術的枠組み
Sherlock Reportは、深層学習と自然言語処理技術を基盤としながら、独自のアルゴリズムで情報の複雑なパターンを解読します。このAIモデルは、特に推論と分析のプロセスにおいて、従来のGPTモデルとは異なるアプローチを採用しています。
Sherlock Reportの革新的機能
Sherlock Reportは、情報の深い層に潜む未知の事実や可能性を探る能力を持ちます。この能力は以下の二つのメカニズムによって支えられています。
前向き/統合的推論: Sherlock Reportは、与えられた情報からさらに深いレベルの理由や原因を推測する能力を持ちます。これにより、表面上は見えない因果関係や背景を明らかにします。
後向き/分析的推論: 既存の情報を複雑に分析し、新たな事実やパターンを発見する能力も持っています。このプロセスは、表層的な分析を超え、多層的な理解をもたらします。
実践的応用例
この技術は、ニュース記事の深層分析、市場動向の予測、ソーシャルメディアのトレンド分析など、多岐にわたる分野で応用が可能です。たとえば、経済ニュースから未来の市場動向を予測する、あるいはソーシャルメディアのデータを分析して公共政策に関する市民の意見傾向を読み取る、などの応用が考えられます。
結論と将来展望
Sherlock Reportは、高度な推論と分析を可能にすることで、情報の新たな解釈と未来予測の道を拓いています。この技術の進化は、データ駆動型の意思決定プロセスに革命をもたらし、様々な業界での応用が期待されます。
えぇっと……そういうことだそうです。ChatGPTは結構嘘をつきますので私自身かなり懐疑的ですが、一応推理に関するいくつかの論理的処理をInstructionsに書いていますので、それが結果に影響しているのは間違いありません。
では最後に実際どんな分析レポートを出力するのかのデモンストレーションを行いたいと思います。
Sherlock Reportのデモンストレーション
まず彼の使い方ですが、入力するのは質問でも文章でもURLでもOKです。ChatGPT側の問題でURLを入力しても読み込めないメディア・サイトが結構あるようで、その場合は記事の文章または要約をコピペして頂ければ分析レポートを生成します。
今回は「AWSジャパンが最新の国内事業戦略を発表、2027年までに2兆円超を投資へ」というヤフーニュースの記事の分析レポートを依頼してみました。プロンプトを英語で書いたため、特に指定がない場合は英文で出力されます。そのため「URLの分析レポートを日本語で書いて:URL」という風に入力しました。
ただ、今までの実験によると、元の記事の情報量が少なく、かつURLだけを入力して英語でレポートを作成させる方が詳しくて長いレポートを出力するようです。「推理」が使命なので、その余地が少なく興味をそそられない事件は頑張らないのかもしれません。
Sherlock Report:
AWSジャパンが2023年から2027年にかけて、日本市場への2兆2600億円規模の投資計画を発表したニュースに基づき、様々な未来予測と分析を行います。
まず、この莫大な投資は、AWSが日本市場のポテンシャルを高く評価している証拠です。日本は高度な技術力と経済規模を持つ国であり、クラウドサービスへの需要が急速に増加しています。この投資から、AWSは日本において強固なデータセンターネットワークを構築し、地域経済の活性化に寄与する意図が見て取れます。特に、データセンターの建設と運用により、新たな雇用機会が創出され、日本のITインフラストラクチャの向上に貢献すると予測されます。
次に、AWSの投資は、日本におけるデジタル変革(DX)の加速に大きな影響を与えると考えられます。多くの日本企業がデジタル化を進めている中、AWSの高度なクラウドサービスは、これらの企業にとって不可欠なリソースとなるでしょう。特に、AIや機械学習などの先端技術の活用により、日本企業の競争力が大幅に向上する可能性があります。
さらに、AWSの投資戦略には、日本の再生可能エネルギーへの関心も反映されていると見られます。これは、エコロジカルなデータセンターの建設や運用を通じて、日本の環境保護と持続可能な経済成長への貢献を意図している可能性が高いです。AWSのこのような取り組みは、日本の環境政策とも相乗効果を生み出すことでしょう。
最後に、AWSの投資は、日本における技術革新の新たな波を生み出す可能性があります。例えば、AWSが提供する生成AI技術などが、新しいビジネスモデルやサービスの開発を促進し、日本経済に新たな活力をもたらすでしょう。
総じて、この投資計画は、日本経済のさらなるデジタル化と持続可能な成長を加速し、国際競争力の向上に大きく寄与すると予測されます。また、日本国内におけるデータセンターの増強と運用は、国内の技術力を高めると同時に、グローバルなクラウド市場における日本の地位を確固たるものにするでしょう。
デモンストレーションなので仕方ないですが、ちょっと思ったより文章が少なめです。普段はもっと出来る子なんです。
英語の記事ですが「本当に推理力を実装できたのか?」についてSherlock Report本人に質問した会話をMediumに上げていますので、もし良かったらそちらもご覧ください。一応、ある程度、たぶん、恐らく、きっと、標準のGPT4より高い推理力を備えていそうではあります。もし成功したという証拠が出た場合にはノーベル賞ください。
最後に
本日はGPTs「Sherlock Report」のデモンストレーションをご覧頂きありがとうございました。ChatGPT-4がスゴイというのは当然ですが、プロンプトを工夫することで例えばフレーム(制限、枠組み)を与えてユニークな処理をさせたり、今回のように自然言語処理の論理性を利用して推論の方向性や理論を指定したりなど、まだまだ色々と遊べることがありそうです。ChatGPTの有料プランへの加入が必要ですが、もしご興味ありましたらぜひお試し下さい。