※この記事は、しゃちらぼブログ Vol.023 と しゃちらぼブログ Vol.025 をベースに、Qiita向けに再構成・補足したものです。
はじめに
WordPressブログを運営していると、「なんとなく表示が重いな」と感じる場面に出会うことがあります。
私自身、長年ロリポップの「ライトプラン」を使用してきましたが、あるときから表示の遅さが気になるようになりました。
そこで、ロリポップの上位プランである「ハイスピードプラン」に切り替えたところ、表示速度が大きく改善されました。
この記事では、実際の速度計測データをもとに、プラン変更による効果がどんな感じだったのかを紹介します。
また、LiteSpeed Cacheの導入や、QUIC.cloudのCDN活用など、高速化のための設定ポイントもあわせて解説しています。
背景:契約プランの見直しと料金差
最近、ブログの表示が遅いと感じていたのですが、そんなときにロリポップの料金表を見直してみたところ、「ライトプラン」と「ハイスピードプラン」の価格差が思ったより小さいことに気づきました。
プラン名 | 月額(税込) | 契約条件 |
---|---|---|
ライトプラン | 495円 | 12ヶ月契約 |
ハイスピードプラン | 550円 | 36ヶ月契約 |
その差額はわずか55円。にもかかわらず、サーバースペックや機能は大きく異なります。
何年もライトプランで12か月契約だったのが勿体なかったです。
ハイスピードプランの特長
- 700GBの容量
- LiteSpeedサーバーを採用(高速な動作が可能)
- 独自ドメイン2個が無料
- WordPress簡単インストール対応
- HTTP/3・QUICなどの先進的な通信方式にも対応
この価格差なら、より快適な環境を選ぶのが合理的だと考え、プランを切り替えることにしました。
ブログで使っているドメインも3年分を前払いしてるので、36か月契約がちょうどいい感じです。
表示速度の重要性
Googleによると、表示に3秒以上かかると約半数のユーザーがページを離脱すると言われています。
特にモバイルユーザーは表示の遅さに敏感で、待たずにページを閉じてしまうことも珍しくありません。
どんなに内容が優れたブログでも、読まれなければ意味がありません。
そのため、まずは自サイトの表示速度を測定するところから始めました。
測定環境と使用ツール
表示速度の計測には以下の2つのツールを使用しました。
ツール | URL | 特徴 |
---|---|---|
GTmetrix | https://gtmetrix.com/ | 海外(カナダ・バンクーバー)からの測定。タイムラグがあるが精度は高め。 |
Pingdom Tools | https://tools.pingdom.com/ | 東京サーバーからの測定が可能。HARファイルをダウンロードできる。 |
ライトプラン時代の測定結果(Before)
GTmetrix

時間帯 | LCP | Fully Loaded | Grade |
---|---|---|---|
朝 | 1.9s | 3.2s | B |
昼 | 2.0s | 3.3s | C |
深夜23:37 | 3.7s | ― | D |
時間帯によってスコアが大きく変動しており、共有サーバーの影響が大きいと推測されます。
Pingdom

時間帯 | Load Time | Grade |
---|---|---|
11時 | 3.34秒 | C (79) |
22時 | 4.14秒 | C (79) |
Pingdomで得られたHARファイルによると、HTMLの初期応答時間(wait
)は以下の通りでした:
"wait": 3331.50,
(一例です)
初期表示に3秒以上かかっていたことになります。
ハイスピードプランへの変更後(After)
ロリポップの管理画面から、特にトラブルなくワンクリックでプラン変更を完了。
ドメイン設定やWordPressの再インストールなどは一切不要で、そのまま移行が可能でした。
サーバーのデーター量によっては、移行に多少時間がかかるようですが、自分の場合は容量も多くなかったので数分後には使えるようになっていました。
Pingdom再測定

時間帯 | ライト時代 | ハイスピード後 |
---|---|---|
11時 | 3.34秒 | 0.91秒 |
22時 | 4.14秒 | 0.77秒 |
表示速度が1秒未満に短縮され、体感的にもページ表示の“もたつき”が解消されました。
ちなみに、GTmetrixの方は無料版で月5回の制限があり、今月分をすでに使い切ってしまったため、今回はPingdomのみの計測になっています。
HARファイルの変化
"wait": 417.04,
(一例です)
初期応答時間が約1/8に改善されており、数字でもはっきりと差が見られます。
スコアは変わらない?その理由
Pingdomのスコア自体は「C(79)」のままでした。
速度は改善されたのにスコアが変わらないのは、以下のような要因によるものです:
- gzip圧縮やブラウザキャッシュの未設定
- 外部リソース(YouTube埋め込み、Google Fontsなど)による待機時間
- ページ構造上の最適化不足
このように、表示速度の“体感”とスコアは必ずしも一致しません。
Webページのパフォーマンスを評価する際には、スコアだけでなく実際の「応答時間」や「Load Time」を確認することが大切です。
「Load Time」の短縮が、サイトの反応が早くなったことを一番実感できた気がします。
高速化を活かすための設定
LiteSpeed Cache プラグインの導入
ハイスピードプランで最大限の速度を引き出すには、WordPressに「LiteSpeed Cache」プラグインを導入するのが基本です。
インストール手順
- WordPressの管理画面にログイン
- 「プラグイン」→「新規追加」を選択
- 「LiteSpeed Cache」と検索し、インストール&有効化
これだけで基本的なキャッシュ機能が有効になります。細かいチューニングも可能ですが、まずは導入だけでも十分な効果があります。
とりあえず、以下の項目を「オン」に設定してみました
- キャッシュ : キャッシュを有効にする、モバイルをキャッシュ
- ページの最適化 : CSS圧縮化、JS圧縮化、HTML圧縮化
キャッシュ等の設定を変更したら、キャッシュをパージすることをお勧めします。
「ツールボックス → パージ → すべてをパージする」
設定できる項目が多すぎて、AIに相談しながらやってます。
今後、様子を見ながらその他の設定をやってみようと思います。
ロリポップ!アクセラレーターは無効化推奨
ロリポップ独自の「ロリポップ!アクセラレーター」とLiteSpeed Cacheは競合するため、併用は避けるように推奨されています。
無効化の手順:
- ロリポップの管理画面 → 「Webツール」 → 「ロリポップ!アクセラレーター」→ 対象のサブドメインで「無効」に設定
QUIC.cloud の導入
LiteSpeedサーバーに最適化された「QUIC.cloud」も利用可能です。
QUIC.cloud は WordPress + LiteSpeed Cache に特化した高速化サービス で、
以下のような機能が利用できます:
- 画像最適化(WebP対応)
- Critical CSS生成
- ページキャッシュ
- CSS/JS圧縮 など
- CDN配信(オプション)
CDN(Content Delivery Network)とは?
CDNを使うと、サイトのコンテンツが世界中のサーバーにキャッシュされ、ユーザーの近くから高速に配信されます。
- ページ表示の高速化
- 世界中のノードにキャッシュ
- 静的ファイルだけでなく、動的ページもキャッシュ可
- HTTP/3 対応
- 無料SSL(Let's Encrypt)対応
- Botトラフィック対策(reCAPTCHAバイパス)
- LiteSpeed Cacheと完全連携でキャッシュ制御が細かくできる
DNSをQUIC.cloudに向ける必要はあるけど、そのぶん効果は絶大!
CDN 導入における注意点
ロリポップで QUIC.cloud の CDN を導入するには、以下のような注意点があります:
- QUIC.cloudで、CDNの導入には、DNSを編集してCNAMEレコードを追加する必要があります。
- ロリポップのDNS設定ではDNSのカスタマイズができません
- ムームーDNSなど外部DNSサービスを利用すれば設定可能。
- ムームーDNSはムームードメイン管理のドメインのみしか使えません。
- ムームーDNS以外の外部DNSを使うと、ロリポップの無料SSLが使えません。
私の場合は、ブログのドメインを「お名前.com」で取得・管理しているので、無料SSLを使うために QUIC.cloud でのCDNの導入を断念しました。
CDNを使わなくても、画像やCSSの最適化の機能だけでも、効果はあると思います。
管理画面や画像アップロードの速度変化
プラン変更後、ブログ運営に関わる日常的な操作も体感的に快適になりました。
- WordPress管理画面の応答速度が大幅に改善
- 画像アップロード時、サムネイルの生成速度が高速化(以前は数秒かかっていた処理が即時表示に)
- プレビュー表示などもスムーズに切り替わるように
わずかな時間短縮でも、作業全体のストレスが減ることを実感できました。
よかった点・気になった点
よかった点
- 表示速度が明確に改善(ユーザー体感含む)
- 管理画面の操作がサクサクになった
- アップロード・下書き保存・プレビュー等が快適に
- 書くモチベーションが上がった
気になった点
- 契約期間が36ヶ月縛りとなる(途中変更不可)
- スコア上の改善は自動的に起きるわけではなく、設定が必要
- CDNやDNS設定まわりはやや面倒(特に初心者には難しい)
推奨構成まとめ
今からブログを始める、あるいはロリポップ内で改善を考えているなら、以下の構成が最適です。
ロリポップ ハイスピードプラン(36ヶ月契約)
ドメイン管理はムームードメイン推奨
LiteSpeed Cache プラグインを有効化
必要に応じて QUIC.cloud を導入(DNS設定に注意)
コストパフォーマンスと管理のしやすさのバランスが良く、初期投資が少なくて済むのも魅力です。
最終比較まとめ
項目 | ライトプラン | ハイスピードプラン |
---|---|---|
月額(税込) | 495円(12ヶ月契約) | 550円(36ヶ月契約) |
表示速度(実測) | 最大4秒以上 | 1秒未満で安定 |
管理画面の快適さ | モッサリしている | サクサク軽快 |
サーバーの種類 | Apache | LiteSpeed(HTTP/3対応) |
QUIC.cloud対応 | LiteSpeed非対応のため使えない | 最適化・CDNともに利用可能 |
WordPressを本気で高速化したいなら、LiteSpeed一択!
WordPressを「なんとなく」じゃなく「本気で速くしたい」なら、
LiteSpeedサーバー + LiteSpeed Cacheプラグイン(LSCWP) が最強です。
他のキャッシュ系プラグイン(WP Super Cache、W3 Total Cache、WP Fastest Cacheなど)は、あくまでPHP側でページを保存・再利用してるだけ。
でもLiteSpeedは、サーバーレベルでのキャッシュ制御が可能なんです。
しかも、QUIC.cloudとの連携まで、全部込みで無料で使えちゃう(LiteSpeedサーバー上なら)。
おわりに
ブログが遅いと感じたら、サーバー環境の見直しも一つの手段です。
今回のように、たった月額+55円の差で、体感や作業効率がここまで変わるのは予想以上でした。
正直、もっと早く気づいておけばよかったです😅
サーバーから一体で最適化されてるのはLiteSpeedだけ。
WordPressを高速化したいなら、まず「LiteSpeedが使える環境か?」が重要です。
LiteSpeedが使えるレンタルサーバー例:
- ロリポップ!ハイスピードプラン
- ConoHa WING
- カラフルボックス など
自分のサイトが遅い理由が「WordPressが重いから」と思ってる人にも、こういった具体的な比較データが参考になれば幸いです。
🎀「念のため言っておくと、ロリポップのまわし者でも、アフィリエイターでもないよっ!笑
ただ、実際に自分で試して「表示が遅くてつらかったのが、一瞬で快適になった!」っていう体験があったから、同じように困ってる人の参考になればいいなって思って書きました💡」