はじめに
CEATEC2019に参加してきたので、レポート致します。
そもそもCEATECとはなんだという話ですが、
公式サイトでは以下のように説明されております。
CEATEC2019開催趣旨
あらゆる産業・業種による「CPS/IoT」と「共創」をテーマとしたビジネス創出のための、
人と技術・情報が一堂に会する場とし、経済発展と社会的課題の解決を両立する
「超スマート社会(Society 5.0)」の実現を目指す。
Society 5.0とは
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、
経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
これまでは様々な情報の中から人間の手で取捨選択し分析を行っていたため、
情報の共有や連携が不充分であったが、
Society 5.0ではIoTで取得した情報をAIが解析して人間にFeedbackするという世界観を目指しており、
CEATEC2019はそのための人と技術・情報が集まる場所とのことです。
個人的には、
1.メディカル・ヘルスケア
2.物理的制約
の2つの課題に対してアプローチしているようなものがないかを探して参りました。
全体所感
1.メディカル・ヘルスケア
2.物理的制約
へのアプローチという観点では正直少し物足りなかったです。
AI活用による既存システムの最適化や、Iot×AIによるDXの促進といった部分は
たくさんあり面白かったのですが、
あくまで既存ビジネスの延長線上にあるものが多かったです。
とはいえそれでも自分的に好きだなーと思うものもあったので、
以下ご紹介します。
ANA
個人的にはANAが最も面白かったです。
恥ずかしながら全然知らなかったのですが、
ANAはアバターを使った取り組みを様々やっており、
その延長線上として物理的制約の排除を目指した様々な取り組みが披露されていました。
初出展ということもあり風呂敷を広げている感じがとても好感を持てました。
例えば今回最も人を集めていたであろう写真の展示は、
手につけたグローブに連動して、手前にあるロボットが動作するもの。
まだまだ試作段階という感じでは有りましたが、
5Gの恩恵なども受けつつ、さらにリアルタイム性が上がっていけばもう少し実用的になりそうだと感じております。
現状人間の手足に代替する技術は多くない中で、
手足を再現することができればよりできることが広がってきます。
遠隔での治療や介護、料理などもできるかもしれません。
今後の応用力や可能性という点では今回最もわくわくした展示でした。
SONY
SONYの展示は医療一色でした。
あまり医療のイメージはないのですが、
SONYがこれまでカメラ・ディスプレイ分野培ってきた光学、有機EL、補正といった技術を
メディカルモニターや内視鏡システムへ応用した展示がされていました。
技術そのものというよりはノウハウを横展開したビジネスが個人的に好きなので挙げてみました。
このようなノウハウの横展開系のビジネスモデルは大手、老舗だからこそできる技ですし、
他の企業にもぜひそうなって欲しいなと思っております。
以下の画像は3Dの顕微鏡システムですが、
3Dメガネを装着すると右側にあるモニタに映し出さされた手術映像が
3Dで見ることが可能です。
実物のような綺麗さに加え、色味も(おそらく)かなりリアルに再現されておりました。
従来の鏡筒部よりも95%サイズ削減だそうです。
こちらは光学技術を応用したエコー写真(左)です。
右のものと比較して明暗差(特に暗い部分)がはっきりしています。
おまけ
後半時間に余裕があったので INCF 社会課題解決スタートアップピッチ powered by 三菱総研を見てきました。
スタートアップピッチというものを初めて生で見たのですが、
3分ほどの時間の中でビジネスモデルを説明し、パートナーやVCを集うというやつです。
一通り見た感想としては、
やはり評価が高いビジネスほど強い負の経験が原点になっているという点です。
特に bionicmさんの発表は印象的でした。
代表の孫さん自身が義足を使用されているということで、
義足に対しての課題をリアルに抽出、ビジネスに繋げていると感じました。
プレゼンの中でも発表があった、
POWERED KNEE JOINTですが、
膝折れという義足特有の欠点を補った商品であるようです。
使用者だからこそこの欠点の重要性は理解できのうえ商品化していると感じます。
ページ内の動画はわかりやすいので必見です。
また、ビジョンも素晴らしいのでぜひ見ていただきたいです。
Vision
正直スターアップピッチをやってるなど全然知らなかったのですが、
もっと事前に知っていればなーと若干後悔しております。
事前の情報収集は大事ですね。。
以上CEATEC2019レポートでした。