こんにちは。3月9日に、Dart1.15がリリースされました。
Dart News & Updates: Dart 1.15: Updated Dartium and improved live code analysis
今回の変更点等、簡単にまとめたいと思います。
変更点まとめ
- Dartiumのバージョンの更新
- 動的コード解析の質の向上
- リリース期間の変更
などです。詳しい説明は下を。
1.15変更点
ツール変更
Dartiumのバージョン更新
DartiumのベースとなるChromeのバージョンが、Chrome version 39からChrome version 45 に更新されました。
ですが、DartのBrowser関係のライブラリ(dart:html
,dart:svg
など)はまだアップデートされていません。これらのライブラリはいまだにChrome version 39をベースとしています。これからのリリースでアップデートされる予定となっているようです。
Note : また、幾つかの実験的なAPIは、古いライブラリで動かないことがあります。例えば、Element.animate
など。
dartfmt
アノテーションの取り扱いなどが変わったようです。詳しくはこちらをご覧ください。
コアライブラリの変更
dart:async
-
StreamView
クラスのコンストラクタがconst
コンストラクタになりました。 StreamView class - dart:async library - Dart API
dart:core
-
Uri.queryParametersAll
プロパティが追加されました。これは、複数のクエリパラメーターを同じ名前で扱うためのものです。 queryParametersAll property - Uri class - dart:core library - Dart API
dart:io
-
SecurityContext.usePrivateKeyBytes
,SecurityContext.useCertificateChainBytes
,SecurityContext.setTrustedCertificatesBytes
,SecurityContext.setClientAuthoritiesBytes
が追加されました。 SecurityContext class - dart:io library - Dart API -
Breaking
setTrustedCertificates
からdirectory
引数が取り除かれました setTrustedCertificates method - SecurityContext class - dart:io library - Dart API -
SecurityContext
でPKCS12がサポートされました。 -
SecurityContext
の中で証明書データを受け入れる全ての関数にオプショナル引数であるpassword
が追加されました。 SecurityContext class - dart:io library - Dart API
言語仕様変更
configuration-specific importsがサポートされました。これに関しての記事はまたあとでまとめます(まとめていただけるともっと嬉しい)。ioとhtmlで同じ様にライブラリのAPIを提供できるようにするものだと思われます。
詳しい内容はCHANGELOGにありますので、確認してみてください。
リリース期間の変更
そもそも今回の1.15は去年の4月ごろに発表されたDart SDK Roadmapには存在しないものでした。
本来なら2月に2.0が出るはずだったのですが…
さて、ここでGitHubのsdkレポジトリのmilestoneを確認してみましょう!
1.16と1.17が追加されています。なんだよこれ。
上にあるSDK Roadmapはほぼ意味をなくしたと言っていいでしょう。上で紹介したブログの記事に、このような文面がありました。
Historically the Dart SDK has released a new stable release roughly every 2-3 months. The release duration has varied from release to release. Going forward we are going to attempt to ship on a more predictable schedule with a new release of the SDK every six weeks. A release candidate will be made available roughly a week before the final release.
今まで2-3ヶ月毎にリリースしていたDartは、これからは六週間ごとに新しいバージョンをリリースするように試みるつもりでいるようです。
2.0のリリースは当分先、少なくとも6月以降になりそうです。気長に待ちましょう。