5
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

ORB-SLAM2の環境構築(Ubuntu20.04)

Last updated at Posted at 2022-09-10

0.はじめに

本記事では特徴点ベースの単眼SLAM手法である、ORB-SLAMをUbuntu上で環境構築する方法についてご紹介します。なお、ORB-SLAMそのものの手法解説には主眼を置いておりませんが、参考になるものとして過去に東大の学生さんのこちらのスライドをあげさせていただきます。ご参考までに。

また、本記事で取り上げるORB_SLAM2について、掲載元のページやその他Qiitaページでも紹介されていますが、それぞれのやり方で様々問題点があり、今回は今現在(2022/9)我々が獲得した方法としてご紹介します。

1.実行環境

PC

項目 スペック
CPU Core i7-9750H
OS Ubuntu 20.04LTS

2.必要なもの

Githubページで順を追って見ていくと、いくつか必要になるライブラリがあります。ですが、どれもこれも自分で入れる必要はありません。以下の通りです。

ライブラリ 自前の導入
Pangolin 必要
OpenCV3 必要
Eigen3 必要
DBoW2 不要
g2o 不要

Readmeにあるとおりですが、下2つは/Thirdpartyに含まれているので、自分で用意しなくて大丈夫です(他の記事ではこの2つの導入方法を記載していたので明記しました)。

3.ライブラリの導入

本体のビルドに際して事前にビルドを済ませるべきライブラリ導入方法を紹介します。
なお、PCのスペックに依存するとは思いますが、構築にかかる全体の所要時間は概ね4〜5時間は見積もったほうがいいです。。。

3.1.Pangolin

Github上のReadmeに従います。

#クローンする
cd ~/(PC上のわかる場所)
git clone --recursive https://github.com/stevenlovegrove/Pangolin.git
cd Pangolin

#依存関係をインストールする
./scripts/install_prerequisites.sh recommended

#ビルドする
cmake -B build
cmake --build build

#テストで動かしてみる(とくにエラーがでなければ成功)
ctest

3.2.OpenCV3

ORB_SLAM2ではバージョン2.4.3以上が必要と言っています。私はこのあと使おうと思っているROS2のラッパー依存関係の問題で3以上のものを導入しました。

なお、私は以前自分のPCでOpenCVを使ったことがあったのでここを無視して進めたらビルド時に怒られました。。。
理由は簡単で、C++版のOpenCVを導入していなかったようでした。。。

ソースはこちらにあります。本記事では3.4.16のビルドを行います。
ダウンロードしてZipを適当な場所で解凍します。

こちらの記事の導入方法で問題なくできたので、あえてコマンドは記載せず割愛いたします。

3.3.Eigen3

Eigenを導入します。C++における行列計算用ライブラリです。
まずは、公式ページに飛び、3.4.0released!と書かれている右のGet itから適当な圧縮ファイルをダウンロードし、適当な場所で解凍します。

cd /eigen-3.4.0
mkdir build
cd build
cmake ..
make check
sudo make install

なお、Eigenのビルドに私の場合3時間ほどかかりました。
ビルドの最後の方になると、パフォーマンスのテストをするような挙動が見られ、私の場合、1項目を除いて正常と出ました。1項目エラーを出していましたが、このあとのビルドに影響が出なかったので一旦無視します。

4.ORB_SLAM2のビルド

一旦適当な場所へクローンします

git clone https://github.com/raulmur/ORB_SLAM2.git ORB_SLAM2
cd ORB_SLAM2

4.1.修正その1

2年前に試された方の言い伝え通り、このままビルドするとエラーが置きます。

インクルードを所定のファイルに記載します。

~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/src/LocalMapping.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/src/LoopClosing.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/src/System.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/src/Tracking.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/src/Viewer.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/Examples/Monocular/mono_euroc.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/Examples/Monocular/mono_kitti.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/Examples/Monocular/mono_tum.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/Examples/RGB-D/rgbd-tum.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/Examples/Stereo/stereo_euroc.cc
~/orb_slam2_ws/ORB_SLAM2/Examples/Stereo/stereo_kitti.cc

これらの頭に、

.cc
#include "unistd.h"

を追記します。これだけです。

4.2.修正その2

修正は続きます。次は、ORB_SLAM2/CMakeLists.txtの39行目のEigenに関わる記載を変更します。このままだとエラーが出てしまい、理由としては、EigenがC++17でORB_SLAM2がC++11を利用していることが挙げられます。

CMakeLists.txt(修正前39行目)
find_package(Eigen3 3.1.0 REQUIRED)

CMakeLists.txt(修正後39行目)
find_package(Eigen3 3.1.0 REQUIRED NO_MODULE)

に変えてください。

4.3.修正その3

最後にLoopClosing.ccでなにやら構文で怒られたので、これも修正していきます。
修正箇所は、ORB_SLAM2/include/LoopClosing.hの50行目、

LoopClosing.h(修正前49,50行目)
typedef map<KeyFrame*,g2o::Sim3,std::less<KeyFrame*>,
    Eigen::aligned_allocator<std::pair<const KeyFrame*, g2o::Sim3> > > KeyFrameAndPose;

LoopClosing.h(修正後49,50行目)
typedef map<KeyFrame*,g2o::Sim3,std::less<KeyFrame*>,
    Eigen::aligned_allocator<std::pair<KeyFrame* const, g2o::Sim3> > > KeyFrameAndPose;

に変えます。

4.4.ビルド

これでエラーなくビルドを通せる(はず)です。

cd ORB_SLAM2
chmod +x build.sh
./build.sh

5.サンプルを試す

サンプルはデータセットを利用して画像を読み出し、SLAMを行いビジュアライゼーションするというものになります。
まずは、適当なディレクトリに移り、データをダウンロードします(これにはなかなか時間がかかります)。

#どこでもいいのですが今回はDocumentsにいれます
cd Documents
wget https://vision.in.tum.de/rgbd/dataset/freiburg1/rgbd_dataset_freiburg1_xyz.tgz
tar -zxf rgbd_dataset_freiburg1_xyz.tgz

解凍が済んだら、

cd ORB_SLAM2
./Examples/Monocular/mono_tum Vocabulary/ORBvoc.txt Examples/Monocular/TUM1.yaml $HOME/Documents/rgbd_dataset_freiburg1_xyz

を走らせると、

のようになるはずです。いかがでしょうか。。。

6.今後

近いうちに成功したら、ROS2用ラッパーを使ってウェブカメラやデプスカメラを使用した応用を行い、Qiitaにて紹介できればと思っています。

7.参考記事

5
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?