AutoCAD VBA 選択フィルタ (3) - FilterDataを作るFunction -

はじめに

SelectionSet.Selectメソッドや .SelectOnScreenメソッドでは、選択フィルタを設定することが可能です。公式ヘルプのサンプルコードの作り方では毎回書くのが面倒なので、それならFunctionプロシージャ化してしまおうというのが今回の目的です。前回はFilterTypeについて解説しました。今回はFilterDataについて解説します。

FilterData(Variant型配列)を作るFunction

概要

• 配列の要素は、コンマ区切りテキストを入力し、Split関数を使って配列化します
• 配列の各要素が数値などと見做せるか判定後、型変換したりしなかったりして別の配列に格納します
• 戻り値となる配列は Selectメソッド等の引数なので、Variant型とします

戻り値となる配列の要素について

上記の「グループ コードの値のタイプ リファレンス(DXF)」にあるように、各要素には、String型、Integer型、Long型、LongLong型、Double型、Boolean型が格納されます。

今回のサンプルコードには、LongLong型とBoolean型への型変換は含んでいません。また、角度はDouble型のラジアンである必要がありますが、これも含んでいません。

コード

AutoCAD VBA - FilterDataを作成するFunction

Public Function uMakeFilterData(ByVal aTextByComma As String) As Variant
  
  Dim uFilterTypeArrayStr   As Variant ' Split関数の結果を格納する配列
  Dim uFilterTypeArrayVar() As Variant ' 様々な型の要素を格納する動的配列
  
  ' Splitで配列化(要素はすべてString値) ※添え字の最小値は 0
  uFilterTypeArrayStr = Split(Expression:=aTextByComma, Delimiter:=",")
  
  ' 動的配列の要素数確定
  ReDim uFilterTypeArrayVar(UBound(uFilterTypeArrayStr))
  
  ' 配列の要素を文字列以外は型変換して動的配列に移す
  For n = LBound(uFilterTypeArrayStr) To UBound(uFilterTypeArrayStr)
    ' 要素が数値か否か
    If IsNumeric(uFilterTypeArrayStr(n)) = True Then
      ' 数値の場合：小数点を含むか否か
      If InStr(uFilterTypeArrayStr(n)) > 0 Then
        ' 小数点を含む：→ Double型
        uFilterTypeArrayVar(n) = CDbl(uFilterTypeArrayStr(n))
      Else
        ' 小数点を含まない：→ Long型
        uFilterTypeArrayVar(n) = CLng(uFilterTypeArrayStr(n))
      End If
    Else
      ' 要素が数値でない：→ Variant型
      uFilterTypeArrayVar(n) = CVar(uFilterTypeArrayStr(n))
    End If
  Next

  ' 戻り値
  uMakeFilterData = uFilterTypeArrayVar

End Function

おわりに

前回と今回でSelectionSet.Selectメソッド等の引数となるFilterTypeとFilterDataの配列を作るFunctionの解説をしました。角度の判定については、皆さん工夫してみてください。気が向いたら私のやり方を載せるかも……