1.本投稿の目的
- 今回初めてTableauを触り、感じたこと・学んだことを記録しておくため。
現在転職活動をしているなかで、ある企業の「データアナリスト:データ分析領域で企業を支援する」という職種の選考を受けているのですが、そちらの企業から「Tableauによるデータの可視化」の課題をいただきました。
以前よりSalesForceのイベントを通じてTableauの存在は知っていたのですが、実際に自分で操作をするのは初めてでした。まったくの初心者であったため、いろんなサイトや本を見よう見まねで情報収集しながら作成しました。
きっと専門の方からするときっとかなり易しい難易度かと思いますが、子鹿が足をブルブルさせながら立とうとしている瞬間だと優しく見守っていただけると嬉しいです。
Tableauについての説明は以下の方の記事がとてもわかりやすいです。
使用するデータソース
Tableauのトライアル版をDLする際に自動で付いてくる「SALES - Sales Market Share.twbx」というデータを使用します。注文の中身や日付、場所やユーザーなどの情報合計21個のカラムが10000行あるデータソースです。
2.成果物
2-1.完成したシートイメージ
いくつか作成したのですが、以下1つのダッシュボードと4つのシートをメインに確認します。
ダッシュボード
家具カテゴリに絞って表示。
シート①メインカテゴリ
シート②サブカテゴリ
メーカー
都道府県ごとのカテゴリ割合
2-2.本シートでできること
大テーマ・ゴール
- カテゴリの中におけるサブカテゴリの売り上げの"市場シェア"を把握しシェアの推移を可視化する。
- シェアにおいて前年同月に比べて大きく増減が起きている部分がどこなのか、可視化する。
- 上記推移がどのメーカーのインパクトが大きいのかを可視化する。
使用イメージ(結論)
- 対象
- 2021年〜2024年の売上データがあるが、2022年7月〜2023年7月に限定
- 3つのカテゴリのうち、「家具」カテゴリに注目
- 可視化から得られる仮説
- 「家具」カテゴリの前年比売上のグラフに形状の近い「本棚」サブカテゴリが売上に大きく貢献している?
- この「本棚」サブカテゴリに着目すると、2023年1月にシェアは伸び、逆に2023年2月にシェアは落ちている。これは「本棚」の2023年1月の売上好調もあるが、他サブカテゴリの製品の売上が不調であることも影響している?
- 逆に2023年2月は、「椅子」サブカテゴリの売上が回復したため、「本棚」のシェアが低下している。
- 「本棚」サブカテゴリの増減の理由は、「Bush」「イケア」メーカーの変動が大きく影響している。これらのメーカーが安定的に利益を生み出しているかによって、「本棚」のシェアは大きく推移するのでは?他メーカーは上記2メーカーほど月毎に大きい変動はないこともわかる。
- 都道府県ごとによる差もあるのではないかと思い、データを追加して確認。対象期間において、売上のうち家具が占める割合が比較的多いのは、大阪府・愛知県・静岡県など。なぜ多いのか、市区町村別やメーカー別、毎年同じ時期などで細かく見ていくと、傾向が見えて今後の売上増や在庫管理に役立つ可能性が高い。
2-3.本シートでできないこと(やりたかったこと)
将来予測のための仮説
- 今回可視化したものだけでは、売り上げの周期性を確認することはできなかった。
- 「メーカーごと」「事業者ごと」「都道府県ごと」などより条件を細分化することによって予測できるのかもしれない。
操作・可視化のユーザビリティについて
- ダッシュボードはカテゴリ条件等でソート表示をしないと基本的には見にくく、全体像を掴みづらい。
- 「前年比」でもソートできるようにしたかったが、やり方がわからなかった。
- サブカテゴリを絞り込んだ際、「カテゴリ内での占める割合」が上手く可視化できない。(100%になってしまう)
データセットについて
- 現在ある特徴量に加えて、「経済指標」があるとより相関を見られるのではないかと感じた。特に家具・家電などは外国との輸出入が大きく関係する。日経平均に加えて、米ドル円やNYダウも参考になりそう。
- メーカー製品のシェアの推移は、メーカーの定性情報も大きく関係するため、購入データだけでは一概に予測をしたり仮説立てることは難しい。特に、外せないメーカーについては、セール情報などの売り出し状況や企業ニュース・IR情報等も確認することが重要と思われる。
3.まとめ
今回のTableau作成を通じての感想・学び
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Tableauの直感的にわかりやすいインターフェース操作への感動
データをわかりやすく可視化するために試行錯誤しましたが、素直に楽しかったです。実際にTableauを触るのは初めてだったため、冒頭で多少のインプットはしましたが、あとは触っていくうちに操作がわかってきました。きっとまだ使えていない操作はたくさんあるかと思いますが、最低限グラフの色付けやソート条件などはすぐに習得できると思います。
機能として特に感動したのは、「注目したいものを一斉ソートできるダッシュボード」です。切り替えもあっという間で驚きました。Excelでできないことはないと思うのですが、なかなか手間がかかるはず。この複数シートを1つのボードにできる点はTableauの大きな特徴かと感じました。 -
「現状の課題が明確になる」メリット
今回はサンプルデータですが、仮に現職でTableauを使った際どんなメリットがあるかを考えました。やはりそれは「現状の課題が明確になること」だと感じます。例えば今回のデータの「本棚」のシェアをあげようとした際、核になるメーカーと時期が存在しています。
つまり、マーケティング部隊・営業部隊はこれらを元に行動計画を立てることができます。現状を可視化するだけでなく、そこからのビジネスの意思決定に落とし込めることがメリットと言えそうです。 -
「可視化の目的」を忘れない
Tableauでデータ可視化を作成する際、「今回可視化するのは何のためか」とゴールを見据えることが重要だと考えます。
これはtableauだけではなくPPT作成やコーディングなど作成物関連全般そうですが、目的意識を失うとコスパ&タイパが悪くなってしまいます。Tableauは機能が充実していて何パターンでも生み出せるがゆえに、時間さえ許せばいくらでも試行錯誤と工夫ができ完璧を追求するとかなり沼りそう…。100点満点の可視化を追いかけるよりはまずは最低限の役割を果たすように…作成の間は「これなんで作ってるんだったけ?」と定期的に目的を振り返りたいです。まだ今回少し触っただけではありますが、それでもこのような注意点が生まれるのではないかと感じました。
作成時間
合計7時間
Tableauを触りはじめ操作に慣れるまでに1〜2時間、データ可視化の試行錯誤に3時間、最後に仕上げ+都道府県別のデータ追加で1時間。
今後の私の課題
今後Tableauを業務として使用することになった際、まず私の課題になるのは当然ながら「Tableauの操作スキル」です。新しいツールのため当たり前ですが、だとしても今回の作成でTableauの奥深さとポテンシャルを知りました。
現職でこうした数値の見える化はほとんどExcel or CSVを使っていますが、弊社にも必ず導入したら活用できそうなイメージが湧いています。仮に現職の上司に導入を提案するとしたら、私自身もっと「導入することの意義・メリット」を伝えなければなりません。もし導入できたとしたらそのPJを率先できるくらいの技術力が必要です。今回、Tableauの”なんとなくのメリット”は知れましたので、ここからさらに何ができるのかをもっと追求したいと思います。
またビジネスへの落とし込みについて、なんちゃってではありますが私も現職でマーケティング分析のためのBIツール(おそらく弊社でしか使われていない地図×統計のもの)を使用しています。
上記に書いた「課題の見える化」「目的思考」といったビジネスへの落とし込みを考えることは、共通していることのように思えます。そのため、決して0から学ぶ必要があるわけではないですが、この「データの可視化からビジネス的な価値を生む」という思考はさらに経験を積みたいと感じました。