はじめに
Sequence MakerはExcelから測定器を制御可能にするアドインです。Sequence Makerはいろいろなインターフェイスに対応しているのですが、なかなかうまく測定器と通信できない時があります。この記事ではGPIB通信がうまくいかない時のチェック項目を解説していきます。Sequence Makerについての詳細は以下の記事を参照ください。
お断り
本記事の内容はSequence Maker開発元の公式見解ではなく、あくまでも個人が趣味の範囲内で執筆しているものです。記事の内容について開発元へ問い合わせることはお控えください。ご質問・要望などは各記事のコメント欄へお願いいたします。
接続ケーブルをチェック!
✅パソコンと測定器は正しく接続されていますか?
GPIB通信ではパソコンと測定器をGPIBケーブルで接続します。しかしPCにはGPIBのコネクターがないため、GPIB接続用の拡張ボードを増設するか、USB-GPIB変換器を使用する事になります。USB-GPIB変換器は直接測定器につないでも良いですし、複数台の測定器を接続する場合はGPIBケーブルを使用して数珠つなぎしてもOKです。GPIBコネクターには固定用のネジが付いていますので、コネクターが奥までしっかりと刺さっているか、ネジはしっかりリと締められているか確認しましょう。以下の記事も参考にしてください。
ドライバーをチェック!
✅ドライバーは正しく認識されていますか?
GPIBの増設ボードやUSB-GPIB変換器は専用のドライバーをインストールする必要があります。増設ボードや変換器のメーカーが提供しているハズなので、型名で検索するなどしてドライバーをダウンロート&インストールしましょう。
例えばNATIONAL INSTRUMENTS社製の変換器を使用する場合は、「NI-488.2」というドライバーをインストールします。
また、CONTEC社製の変換器を使用する場合は、「ドライバライブラリ API-GPIB(WDM) for USB GPIB通信ドライバ 開発環境」というドライバーをインストールします。
ドライバーがインストールできたら、デバイスマネージャーで正しく認識されているか確認しておきましょう。
通信設定をチェック!
✅測定器の通信設定はGPIBになっていますか?
測定器によってはGPIB以外にもRS-232CやLANなど他のインターフェイスを搭載しているものがあり、その場合どのインターフェイスを使用するか選択式の場合があります。測定器のマニュアルを参照し、使用するインターフェイスの設定が「GPIB」になっていることを確認しましょう。
✅測定器のGPIBアドレスはいくつになっていますか?
GPIB通信するためには、必ず測定器に重複しないユニークなGPIBアドレスを割り振る必要があります。測定器のGPIBアドレスが何になっているかを測定器のマニュアルを参照して確認しましょう。測定器の電源投入時に画面に表示される場合もあります。
✅Sequence Makerの「機器アドレス」設定は正しいですか?
機器アドレスは↑で確認した測定器のGPIBアドレスを選択します。Sequence Makerはこの機器アドレスが設定されている測定器に対して通信を行います。
✅「EOIを使用する」のチェックを入れてみる、または外してみる
測定器によっては、EOIを使用する製品と使用しない製品がありますので、試しに切り換えてみてください。
✅GPIBメーカーが提供しているテストアプリを使用してみる
多くのGPIBメーカーが動作確認用のテストアプリを提供していると思いますので、まずは*IDN?等を送ってみて、応答が正しく返ってくるか確認してみましょう。
(上記はNATIONAL INSTRUMENTS社製のテストアプリです)
まとめ
GPIBの通信はドライバーの認識とアドレス指定だけを注意すれば、比較的簡単に繋がる気がします。ただし、増設ボードや変換器はいいお値段がします。。。
ちなみにAmazonで検索すると比較的お休めな商品も見つかります。メルカリなんかでもたまに数千円程度で出品されている場合もあるので、定期的にチェックしてみてください。ちなみに筆者はAgilentの82357Bを所有して使っています。
(https://www.amazon.co.jp/ より引用)
なお、82357Bを使用する場合はSequence Makerのインターフェイス設定で「VISA」を選択する必要があります。以下の記事を参照ください。