はじめに
Sequence MakerはExcelから測定器を制御可能にするアドインです。Sequence Makerは様々なシーケンスを自由に組むことができますが、シーケンスを開始するためには1台以上の測定器が必要になります。しかし、例えばCONTECのデジタル入出力ユニットだけを使いたいような場合にわざわざ測定器を用意するのは面倒です。この記事では計測器が無くてもシーケンスを開始してしまう裏技?を紹介します。なお、Sequence Makerについての詳細は以下の記事を参照ください。
お断り
本記事の内容はSequence Maker開発元の公式見解ではなく、あくまでも個人が趣味の範囲内で執筆しているものです。記事の内容について開発元へ問い合わせることはお控えください。ご質問・要望などは各記事のコメント欄へお願いいたします。
結論!
いきなりですが結論からです。
インターフェイス#1の設定 「LAN」 にして、IPアドレスを 「1.1.1.1」 、ポート番号を 「80」 にするだけです。
こんな感じです。
すると、「コマンド送受信」ボタンを押してシーケンスを開始できます。もちろんCONTECのデジタル入出力ユニットだけを使うこともできます。
この方法を使うためには、インターネット接続が必要です。
なぜこんなことができるか
上記の方法では、シーケンス開始時に1.1.1.1(https://one.one.one.one/ )というサイトのWebサーバーのポート80番に接続しています。
80番ポートというのは、通常であればWebブラウザがWebサーバーに接続してWebページを表示するためのものですが、ポートをオープンするだけならSequence Makerでもできてしまいます。なお、WebサーバーのIPアドレスであれば、1.1.1.1以外でも大丈夫です。例えばYahoo!なら74.6.231.21とかGoogleなら142.251.42.206とかQiitaなら18.65.207.93とか、お好きなIPアドレスを使ってください。
もしインターネット接続されていない環境でも、ローカルなネットワーク上にWebサーバーがあれば、そのIPでも良いです。
ちなみにIPアドレスを調べるときはURLに対してPingを打てばすぐにわかります。
C:\Users>ping qiita.com
qiita.com [18.65.207.93]に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
18.65.207.93 からの応答: バイト数 =32 時間 =11ms TTL=249
もっと別の方法
ちょっとLANのことはよくわからないとか、適当なWebサーバが無い、という場合は別の方法を使いましょう。
Sequence MakerはRS-232C通信が可能なので、手元にUSB-RS232C変換器があれば、それを接続しておくのも良いでしょう。またはArduinoなんかでも良いです。
(https://www.iodata.jp/product/interface/rs232c/usb-rsaq6/spec.htm より引用)
インターフェイスの設定で「RS-232C/USB」を選択し、認識しているCOMポートを選んでおけばOKです。最近だとBluetoothとかLTEとかのCOMポートがあったりするので、それらを使うのも手です。
まとめ
今回は測定器を使用せずにシーケンスをスタートする方法を紹介してみました。普通測定器の1台や2台ぐらい手元にあるだろうと言われるかもしれませんが、まぁこんな方法もあるということで。