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はじめに

Sequence MakerはExcelから測定器を制御可能にするアドインです。Sequence Makerはいろいろなインターフェイスに対応していて、当然GPIBでの通信にも対応しているのですが、市販されているUSB-GPIB変換器は非常にお高めです。最近の測定器であればLANやUSBが搭載されているので、そもそもGPIBを使うこともあまりないのですが、ちょっと古めの測定器だとやはりGPIBが必要となってきます。この記事では自作のGPIB-USBコンバータとSequence Makerを使用して、手軽にGPIB機器を制御する方法を紹介します。なお、Sequence Makerについての詳細は以下の記事を参照ください。

お断り
本記事の内容はSequence Maker開発元の公式見解ではなく、あくまでも個人が趣味の範囲内で執筆しているものです。記事の内容について開発元へ問い合わせることはお控えください。ご質問・要望などは各記事のコメント欄へお願いいたします。

GPIB-USBコンバータの製作

まずはGPIB-USBコンバータを自作する方法です。ネットで探すといくつか見つかると思いますが、部品の入手性やマイコンの開発環境の構築の容易性などを考慮すると、Arduinoで作るのが良さそうです。
このあたりが参考になります。

Arduinoのスケッチはこのあたりに公開されています。

要はArduinoの入出力ピンにGPIBのコネクターを接続すればOKなわけです。ただし、ここでネックなのが、GPIBのコネクターがなかなか入手しにくいということです。(AliExpressなんかで探せばあったりしますが)
そこで、一番簡単なのは、ヤフオクあたりで1000円くらいのGPIBケーブルを購入して、半分にぶった切ってArduinoと結線する方法です。ちょっと見た目はアレですが、動作には問題ありません。3Dプリンタなんかでケースまで作ると、それなりにかっこよくなります。

制御

ArduinoをSequence Makerする手順は以下の記事を参考にしてください。

注意
Sequence Makerは「DSR/DTR」にチェックが入っているとArduinoがリセットしてしまうので、インターフェイスの詳細設定画面でチェックを外します。また、スピードは115200です。
image.png

実際の通信シーケンスは以下のようになります。
image.png

最初に設定されているアドレスを確認します。GPIB-USBコンバータでは「++addr」と送ると現在設定されているGPIBアドレスを応答してくれますが、Sequence Makerではコマンドに「?」が含まれていないと受信処理をしないので「#QUERY」コマンドを組み合わせて受信するようにしています。
また、今回は測定器に設定されているGPIBアドレスが3なので、「++addr 3」コマンドを送ってアドレスの変更をしています。
最後に「*IDN?」コマンドを送りますが、先ほどとは逆に「?」が含まれていますが受信処理はしたくないので、コマンド送信だけを行う「#WRITE」コマンドを組み合わせています。その後「#QUERY(++addr)」を送れば応答が返ってきます。

トラ技の記事も参考になる!

2024年5月号のトラ技に今回紹介した内容と同じことがわかりやすく記事にまとめられています。この記事によると変換器は3,000円ほどで作れるそうです。

image.png

https://toragi.cqpub.co.jp/wp-content/uploads/p190-9.pdf より引用)

まとめ

今回は自作のGPIB-USB変換器とSequence Makerを組み合わせてGPIB制御する方法を紹介しました。GPIBアドレスの切り替えをうまくやれば、複数台の測定器を制御することも可能なようなので、ぜひチャレンジしてみてください。

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