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SORACOM GPSマルチユニット+AWSを使って温度管理してみた。

Last updated at Posted at 2020-12-11

はじめに

2020/11/10~2020/11/12にAWSがオンラインで主催した「IoT Jumpstart セミナー」に参加してきました。その際にSORACOM GPSマルチユニットを使ったのでそれについて書きます。

IoT Jumpstart セミナーとは?
AWSが主催するIoTの設計と構築を学ぶセミナー。講義・ハンズオントレーニングを通してIoTの基礎を学ぶことができ、さらに参加者が自ら持参したプロジェクトのPoC構築とその補助を提供してくれる。

GPSマルチユニットの説明

今回の主役です。
手に収まるサイズでとても可愛らしい見た目をしていますが、この見た目とは裏腹にかなり優秀な機能を携えています。

GPSマルチユニット SORACOM Editionは、京セラ社のGPSマルチユニットをベースに、ソラコムを利用するための設定が行われているソラコム独自モデルです。1台に位置情報(GPS)、温度、湿度、加速度センサーと充電式のバッテリーを内蔵しています。省電力なセルラーLPWANであるLTE-M通信を搭載しているので、電源を入れるだけでどこでも通信が可能です。ブラウザから簡単な設定をするだけで、SORACOMのプラットフォームと連携し、すぐにデータ取得から可視化を始めることができます。
https://soracom.jp/products/kit/gps_multiunit/

要するにこれ一つで位置情報(GPS)・温度・湿度・加速度が取得できる超お手軽IoTデバイスです。
さらに右側の四角形のボタンを押すだけで、データがSORACOMのコンソールに届きます。
まさにIoT初心者の自分たちには、うってつけのデバイスです。

当初の予定 -挫折を添えて-

当初の予定では、GPSマルチユニットの"加速度割り込み"という機能を使用して、冷蔵庫に設置したGPSマルチユニットで、ドアの開閉を検知しようとしました。

加速度割り込みとは?
加速度の大きさが設定したしきい値を超えて変化した場合に、データを送信する機能
参照 https://dev.soracom.io/jp/gps_multiunit/how-it-works/

しかし思わぬハプニングが...

このGPSマルチユニットから送られてくるデータでは、加速度割り込みのデータと定期通信のデータが区別できないという...

主な原因を下記にまとめました。

  1. GPSマルチユニットから送られてくるデータの中に、加速度割り込みを区別するパラメーターがない
  2. 定期通信を行なっている状態でしか、加速度割り込みを設定できない
  3. ドアの開閉が短いアクションのため、加速度割り込みは生じるが、送られてくるデータは、ドアが閉じた後の加速度の状態となってしまう(加速度の検知から送信までにラグがあるため)

特に3の送信までのラグに関しては、原因の特定までに時間がかかり、データは送られてくるけど、加速度の値は元のままという状態に悩まされてしまいました。

そんな訳で、今回は加速度割り込みの機能は諦めて、温度センサーによる温度管理サービスを構築しました。

出来上がったもの

サービス概要

夏になると、ご年配の方々がエアコンをつけずに熱中症になってしまうというニュースをよく目にするので、本人ないしは離れて暮らす家族に、GPSマルチユニットから取得できる温度データを用いて、アラートをしたいと思いました。

具体的なサービスは下記の項目です

  • しきい値を上回る(もしくは下回る)温度に達すればLINEで通知を行う
  • Quickサイトによる温度推移の可視化

この二つを目的として作業を進めて行きました。

完成したアーキテクチャ


SORACOMのコンソールからAWS IoT Coreのルールを使って、AWS LambdaとAWS IoT Analyticsにデータを流しました。
Lambda側でLINEに通知する処理を記述し、IoT Analytics側でQuickSightで可視化するための処理を行いました。

実際の挙動

LINEでの通知ですが、今回は手軽にLINE Notifyを使用して通知を行いました。

LINE Notify
https://notify-bot.line.me/ja/

下の画像を見て頂くと、問題なくデータの取得とアラートが行えているのが確認できますね。

※しきい値は動作確認のため上限:20度・下限:15度の設定です。

画像はありませんが、Quick Sightでの可視化も問題なく行えていました!

感想(まとめ)

紆余曲折ありましたが、GPSマルチユニットを使用して、なんとかサービスを構築することができました。
当初予定していたドアの開閉の検知ができなかったのは、自分たちのデバイスに対する理解が及ばなかったことが原因なので、次回の反省点にしたいと思います。

SORACOMのIoT 体験キットに磁気センサーもあるので、こちらを使用すれば当初予定していたサービスは実施できたかもしれません。機会があれば再度トライしたいです。

SORACOM IoT体験キット 〜磁気センサー〜
https://soracom.jp/products/kit/magnetic_sensor_kit/

さて今回GPSマルチユニットを使用してみた感想ですが、超お手軽にデータの取得ができて驚きを隠せませんでした。
SORACOM SIMを挿入して、電源ボタンを押すだけで、SORACOMのコンソール上に位置情報(GPS)・温度・湿度・加速度のデータが送信することができるなんて、まさに「IoTテクノロジーの民主化」を感じました。

今回使用したデータは温度だけですが、いつかスキルアップをして、あえなく断念した加速度や、他にも位置情報(GPS)機能を用いたサービスも構築してみたいですね。

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