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ネットワーク作成からスケーラブルな仮想サーバー構築までをクラウドで行う【GC編】

Last updated at Posted at 2021-09-27

はじめに

こちらでAWSでスケーラブルな仮想サーバー構築を行うという記事を書いたのですが、そのGC編です。ちなみにこの記事では、GCとはGoogle Cloud(2020年10月にGCP→GCに名称が変わった)のことを指しています。この記事の表記ではGCで統一してみようと思います。

対象

AWSの記事と同じです。

前提

AWSの記事と同じです。GCでもコンソールの操作メインで書いてみます。

構成図

AWSの記事と同じような感じになりますが、GCの場合、インスタンスをInstance Groupとしてまとめることで、ロードバランサの負荷分散とオートスケーリングの設定の両方ができます。

gcp.png

方法

キャプチャやサービスの名称は2021年9月現在の情報です。

ネットワーク構築

VPC/サブネット切り分け、およびファイアウォールの設定を行います。

VPC

GCにログイン後、左メニュー「VPC ネットワーク」> 「VPC ネットワーク」を選択し、ページ上部の「VPC ネットワークを作成」をクリックします。今回名称と説明を以下のように指定しました。

名前 説明
auto-scaling-test-vpc for AutoScalingTest

「サブネット作成モード」では「カスタム」を選択し、1つのサブネットを作成します。以下のような値にしました。

名前 リージョン IPアドレス範囲
auto-scaling-test-public-subnet1 asia-northeast1 10.0.1.0/24

作成後は一覧にこのように表示されています。
スクリーンショット 2021-09-27 19.16.31.png

インスタンス

仮想サーバーのインスタンスを作成していきます。

インスタンスグループ作成

左メニュー「Compute Engine」> 「インスタンスグループ」に進み、「インスタンスグループを作成」をクリックします。作成画面に遷移するので、「新しいマネージドインスタンスグループ」を選び、項目を入力します。前半部分は以下のようにしました。

名前 ロケーション リージョン
auto-scaling-test-mig 複数のゾーン asia-northeast1

その後、「ポート名のマッピングを指定する」をクリックし、以下の値を設定します。

ポート名 ポート番号
http 80

「インスタンステンプレート」では「新しいインスタンステンプレートを作成」をクリックし、テンプレート作成画面に遷移します。今回は以下のように項目を入力しました。OSはデフォルト(Debian)のままにしています。

名前 マシンタイプ
auto-scaling-test-template e2-micro

その後、「管理、セキュリティ、ディスク、ネットワーキング、単一テナンシー」をクリックし、「管理」タブを開いて 「自動化」の「起動スクリプト」に以下を入力します。インスタンス起動時に、自動でApacheを起動する設定です。

#!/bin/bash
apt update
apt install -y apache2
chown -R $USER:$USER /var/www
echo Hello,AutoScalingTest > /var/www/html/index.html

その後「ネットワーキングタブ」で以下を設定します。

ネットワーク ネットワークタグ
作成したVPC(auto-scaling-test-vpc) auto-scaling-test-tag

「保存して次へ」をクリックし、最後にスケーリングの設定をします。以下の数値を入力します。

インスタンスの最小数 インスタンスの最大数
2 4

ここまで進んだら、「作成」をクリックします。

インスタンスグループに遷移するので、その中に「auto-scaling-test-mig」が表示されていることを確認します。少し待ったら、ステータスにチェックが入ります。

スクリーンショット 2021-09-27 19.41.12.png

ファイアウォール

ヘルスチェック用のファイアウォールを作成します。「VPCネットワーク」 > 「ファイアウォール」 > 画面上部「ファイアウォール ルールを作成」をクリックし、項目を入力します。今回は以下のように設定しました。

名前 ネットワーク ターゲット ターゲットタグ ソースフィルタソースIPの範囲 ソースIPの範囲プロトコルとポート プロトコルとポート
auto-scaling-test-allow-health-check 作成したVPC(auto-scaling-test-vpc) 指定されたターゲットタグ auto-scaling-test-tag IP範囲 130.211.0.0/22, 35.191.0.0/16 指定したプロトコルとポートにチェック
「tcp:」にチェック
ポート入力欄に「80」

入力後、「作成」をクリックします。以下のようにファイアウォールが作成されます。
スクリーンショット 2021-09-27 19.49.37.png

オートスケーリングの確認

左メニュー「Compute Engine」> 「VMインスタンス」をクリックし、インスタンス一覧に遷移してみると、インスタンスが2台作成されます。オートスケーリングが効いているか確認するため、このうち1台を手動で削除してみます。1台にチェックを入れ、画面上部の三点リーダーから「削除」をクリックします。

スクリーンショット 2021-09-27 22.35.43.png

確認画面が表示されるのでここでも「削除」をクリックします。削除が終わったあとにしばらく待ってみて、新しくインスタンスが作成されることが確認できたらOKです。(作成されているかどうかを確認するには、画面の更新をする必要があります。あと結構時間がかかります)

ロードバランサ

ロードバランサ設定を進めます。

外部IP予約

「VPCネットワーク」 > 「外部IPアドレス」 > 画面上部「静的アドレスを予約」をクリックし、予約を行います。今回は以下のようにしました。以下以外はデフォルトです。

名前 タイプ
auto-scaling-test-ip グローバル

入力後、「予約」をクリックします。

ロードバランサ

左メニュー「ネットワークサービス」 > 「Cloud Load Balancing」 > 「ロードバランサを作成」 > 「HTTP(S) 負荷分散」の「構成を開始」をクリックして次ページへ遷移します。
「インターネットから自分のVMへ」を選択し、「続行」をクリックします。

そこで、ロードバランサの名前を設定できます。今回はauto-scaling-test-lbという名前にしました。
その後、「バックエンドの構成」をクリックし、こちらにも名前を設定します。今回はauto-scaling-test-lb-backendとしました。その後「バックエンド」 > 「新しいバックエンド」で値を入力します。

インスタンスグループ ポート番号
作成したインスタンスグループ(auto-scaling-test-mig) 80

ヘルスチェックに関しては、「ヘルスチェックを作成」をクリックし、値を入力します。以下入力した値です。

名前 プロトコル ログ
auto-scaling-test-health-check HTTP オン

ここまで入力したら「保存」をクリックし、最後に「作成」をクリックします。

次に「フロントエンドの構成」をクリックします。ここでは以下の項目を設定します。

プロトコル IPアドレス IPバージョン ポート
HTTP 予約したIPアドレス(auto-scaling-test-ip) IPv4 80

「完了」を押下し、「作成」をクリックします。

ここまで設定すると、ロードバランサ&オートスケーリングの組み合わせが作成されています。作成したロードバランサをクリックして「IP:ポート」を確認し、ブラウザからアクセスすると以下のようなページに遷移します。

スクリーンショット 2021-09-20 21.30.53.png

負荷分散の確認

負荷分散が正しく行われているか確認します。
とりあえずファイアウォールを追加します。「VPCネットワーク」 > 「ファイアウォール」 > 画面上部「ファイアウォール ルールを作成」をクリックし、以下のように設定します。

名前 ネットワーク ターゲット ターゲットタグ ソースフィルタソースIPの範囲 ソースIPの範囲 プロトコルとポート
auto-scaling-test-allow-ssh 作成したVPC(auto-scaling-test-vpc) 指定されたターゲットタグ auto-scaling-test-tag IP範囲 0.0.0.0/0 指定したプロトコルとポートにチェック
「tcp:」にチェック
ポート入力欄に「22」

入力後、「作成」をクリックします。以下のようにファイアウォールが作成されます。

スクリーンショット 2021-09-27 21.37.04.png

これで、インスタンスにSSH接続ができるようになりました。
左メニュー「Compute Engine」> 「VMインスタンス」をクリックし、インスタンス一覧に遷移します。今回作成したインスタンスは一覧の中に2つあるはずなので、この2つのインスタンスの「接続」 > 「ブラウザウィンドウで開く」をクリックし、SSH接続のコンソールブラウザを展開します。両方展開すると2ブラウザ同時に開くことができます。

その後、両方のコンソールブラウザで以下のコマンドでApacheのログを確認してみます。

cat /var/log/apache2/access.log

すると、GoogleHC/1.0からのアクセスがたくさんあることがわかります。これはHealthCheckからのアクセスです。ここで、ブラウザからロードバランサの「IP:ポート」に10回ほどアクセスし、再度上のコマンドを叩いてみます。すると、両方のコンソールブラウザでHealthCheck以外からのアクセスが確認でき、その数を合計するとアクセスした回数になっているはずです。
このようにして、アクセスが分散されていることを確認できます。

おわりに

AWSと比較するとオートスケーリングとロードバランサの対象のグループが同じな分、シンプルに設定することができた印象です。ですがヘルスチェック用のファイアウォールを設定したりと、AWSと異なる部分があったため少し手間取りました。

たくさんGCも触って、操作感を覚えていきたいです。

(今回はあえてコンソールでの操作のみに拘りましたが、Cloud Shellとかを使った方が楽できるだろうなあ・・・とも感じました。)

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