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読書メモ 『ソフトウェア・ファースト』

Last updated at Posted at 2019-12-23

読書メモ 『ソフトウェア・ファースト』

メモ

  • 2019/11-12

ソフトウェア・ファースト

サービス化する社会

産業のサービス化

  • 所有から利用への価値観の変化

SaaS

  • SaaS = Software as a Service
  • SaaS化で期待され得ること
    • 継続的な収益
    • 継続的な努力と改善
    • 継続的な企業成長
  • ユーザー体験をより良くし続けることの重要性
  • 機能追加、改善の反復

プロダクト開発の変化

サービス化する社会への対応

  • 人、組織
  • 手法
  • 思想
  • 変化し続けること

未来のユーザーのために

  • あらゆるビジネスの変革期
  • ユーザーニーズの多様化
  • 新しい市場の想像

キャッシュレス決済の例

  • 具体的なユーザーニーズが存在したわけではない
  • 簡易な決済手段の潜在ニーズ
  • ユーザー理解の産物

アジャイル開発

  • 変化への対応を素早くする
  • ユーザー重視
  • ソフトウェアを使う人を重視
  • ユーザーが求めるもの
  • アジャイルイテレーション
  • 常に動くものを用意
  • 価値を確認しながら進める

DevOps − 走りながら考える

  • 開発と運用の垣根を取り払う
  • SaaS
    • 「リリースして一段落」がない
    • 開発と運用が一体化
  • DevOpsによってプロダクトを育てる要素
    • 組織連携
    • 組織文化
    • 開発手法
    • ツール

ソフトウェア・ファーストとは

『Why Software is Eating the World』

  • マーク・アンドリーセン Marc Lowell Andreessen : 投資家
  • 2011年にウォールストリート・ジャーナルに寄稿
  • ソフトウェア企業があらゆる業界を破壊改変(Disrupt ディスラプト)

企業活動の変化

  • ソフトウェア・ファースト
    • IT活用を核として事業を進める考え方
  • ○○・ファーストとは
    • モバイルファースト
      • デザイン、特性、機能の最適化
    • AIファースト
      • データと、データの前処理が必要
      • 組織連携、組織文化、人材を巻き込む変革が必要
  • ソフトウェア・ファースト
    • 人材
    • 作っては壊せる企業文化
    • 変化させないものの重要性
      • ビジョン
      • ミッション
      • 社会課題、価値観
      • 成し遂げる執念
      • 考え続ける

IT・ネットの"20年戦争"に負けた日本の課題と光明

世界の先行事例

  • GAFA : Google、Apple、Facebook、Amazon
  • Microsoft
  • BAT : Baidu、Alibaba、Tencent
  • TikTok
    • 日本は20年間のソフトウェア開発力競争に敗北
    • AI、IoT、DX(デジタルトランスフォーメーション)が次の活路

変化の2つの特徴

  • 世界を変えたのは「おもちゃ」
  • ユーザー体験の価値の向上

これまでの日本企業の特徴と今後の対策

  • SIer依存
    • 内製化が求められる
  • 製造業で培ったウォーターフォール
    • アジャイル、SaaS
  • 画一的な品質管理
    • ユーザー体験の向上
  • 現実に即してないセキュリティポリシー
    • 業務効率、対外イメージ
  • データ活用信仰
    • プロダクトの質

日本企業への問題提起

  1. SIer丸投げ文化が原因、いずれなくなる
  2. ソフトウェア開発は工業製品ではなく、レバレッジの効くビジネス
  3. ユーザーが本当に欲しい物を提供すべき、画一的で過剰な品質管理、セキュリティ施策はいらない

ITサービスアイディア

フィジカル✕サイバー

実例
  • 無人コンビニ
  • スマートストア
  • 洗濯機の操作・決済
  • 自動車、移動手段
  • 電子基板受発注

ソフトウェア・ファーストの実践に必要な変革

DX(デジタルトランスフォーメーション)企業への変革

  • 継続変化できるよう組織文化、制度の進化が必要
  • IDC JapanのDXの定義の要約
    • クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術を利用してネット・リアル両面に対してユーザーエクスペリエンスの変革をもたらし、新しい価値と競争優位性を確率すること
  • 内製化前提
    • 仮説検証のスピード感
    • 企画から運用まで一気通貫のIT活用
  • Netflix vs Blockbuster の栄衰
    • 企業の存亡に関わる要素
      • 手段の変化に影響されない企業理念
      • 妥協のないエンゲージメント強化
      • 意思決定者の技術理解

バイモーダルITシステム

ガートナー社2015年提唱

  • モード1
    • SoR(System of Record) - 省力化、コスト削減 / 守りのIT
  • モード2
    • SoE(System of Engagement) - 事業ドライブ / 攻めのIT
      • DX
      • リフト&シフト : クラウド化

ポジションごとの意識改革

  • 経営者
    • テクノロジーへの理解
    • 技術研修受講
    • ユーザーとして製品を利用する
  • マネージャー
    • 専門職
    • 評価 : メンバーに気づきを与える行為
    • 組織の魅力向上
    • 柔軟な社内異動制度
    • 自身の取扱説明の公開
  • 社員
    • ソフトウェアへの関心
    • 自身のキャリアづくり

プロダクトアウト、マーケットイン

  • イノベーションに市場調査は要らない
    • ユーザーの想像を超えたプロダクト
      • PC、スマホ
      • Gmail
        • エンジニアの自由な発想
      • ウォークマン
        • 井深大の個人的な要望
  • プロダクトアウト
    • 作ったもの、作りたいものを売る
  • マーケットイン
    • 市場やニーズに必要とされて作る
  • ローンチ&イテレート(Launch & Iterate) : マリッサ・メイヤー 米Yahoo!元CEO
    • プロダクトアウト → マーケットアウト を合わせた開発方法
    • 自分のニーズ起点
    • 仲間内で実証
    • 外部公開
    • 評価検証
    • ユーザーニーズによって育てる

10X

  • 10倍を目指す
  • あえて高い目標をたてるイノベーションメソッド
  • 常識的な補強、改善に惑わされず飛躍させる発想方法

体を表す命名

  • 先入観を払拭する手法
  • 「Google日本語入力」
    • 開発時「IME」と呼ばない
    • 従来製品の仕様に囚われない工夫
  • 「Google Chrome」
    • 時には「ブラウザ」と呼ばない努力
    • 「クラウドアプリケーションのフロントエンドコンポーネント」

競合の捉え方

  • かつては航空会社同士が競合
    • 現在は通信業者、公共インフラが競合
      • → 航空会社は同志
  • 誰のどんな課題を解決するか
    • 企業の機能提供モチベーション
    • ターゲットユーザーの重複
    • 課題の重複
    • コア・コンピタンスの重複

「アップルに学ぶ」

『INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント / マーティ・ケーガン』

  1. ハードウェアはソフトウェアのためにある
  2. ソフトウェアはユーザーエクスペリエンスのためにある
  3. ユーザーエクスペリエンスは人々の感情を満足させるためにある

リーン・スタートアップ

『リーン・スタートアップ / エリック リース』

  • 仮説検証プロセス
    • 構築(Build) → 計測(Measure) → 学習(Learn) →
  • MVP(Minimum Viable Product)
    • 最小限のプロダクト
    • 顧客のニーズに基づく商品・サービスを素早く構築

デザインスプリント

Google Ventures 2007年

  • Day 1 : 理解
    • 課題挙げ出し
  • Day 2 : 発散
    • アイディア出し
  • Day 3 : 決定
    • 選択
  • Day 4 : プロトタイプ
    • プロトタイピング
  • Day 5 : 検証
    • ユーザーテスト

アンチ・リーン・スタートアップ

『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか / ピーター・ティール(ペイパル創業者)』

  1. 小さい違いを追いかけず大胆に賭ける
  2. できの悪い計画もないよりはいい
  3. 競争の激しい市場では収益が消失する
  4. 販売はプロダクトと同じくらい大切

ユーザー理解の難しさ

  • 困りごとについて本音を言わない風潮
    • 周りで困っている人、について訊く
  • ユーザーは悪意なく無意識に嘘をつく

インセプションデッキ

  1. われわれはなぜここにいる
    • ミッション
  2. エレベーターピッチ
    • 概要
  3. パッケージデザイン
    • 箱のデザイン
  4. やらないことリスト
    • スコープ
  5. 「ご近所さん」を探せ
    • ステークホルダー
  6. 解決案を描く
    • 機能、システム要件
  7. 夜も眠れない問題
    • 最も心配なこと
  8. 期間を見極める
    • マイルストーン
  9. 何を諦めるのか
    • 譲れるものと譲れないもの
    • トレードオフスライダー
  10. 何がどれだけ必要か
    • リソース

OKR(Objectives and Key Results)

  1. 目標と方針が自分事になっていること
  2. 野心的な目標を設定する
  3. 達成度を計測する

運用

  • NPSの活用
    • サービスに対するユーザーのロイヤリティ評価
  • 全員(明らかなターゲット外)を幸せにしなくていい
  • ITがすべてではない

企業ミッション

  • 特徴的な企業ミッション
    • Google、マイクロソフト、アマゾン
  • 新たな原理原則の必要性
    • メッセージを必要とする対象
      • 外部から採用する新たな人材 : エイリアン
      • 社内で突然変異した人材 : ミュータント

デジタイゼーション、デジタライゼーション

  • デジタイゼーション
    • デジタル化
  • デジタライゼーション
    • デジタルデータを利用したプロセス

これからの「強い開発組織」を考える

出島戦略のチーム運営ポイント

新しいルールの別組織で構成するプロダクトチーム

  • 何をもって成功とするかの目標を明確に定める
  • 目標達成の度合いを正確に測定できるKPIを設定する
  • 四半期ごとに何らかの成果を出し周知を徹底する

ソフトウェア・ファーストなキャリアを築くには

スキル構築

T型

  • 縦軸 : 専門知識
  • 横軸 : 周辺知識

π型

  • 縦軸 : 複数の専門知識
  • 横軸 : 周辺知識

成長のバリエーション

  • 縦軸を伸ばす : 専門知識を深堀りする
  • 縦軸の太さを増す : 専門知識を広げる
  • 縦軸の本数を増やす : 専門知識の種類を増やす
  • 横軸の太さを増す : 周辺知識を豊かにする

計画的偶発性理論

  • ジョン・D・クランボルツ教授(スタンフォード大学)
  • 偶発性を生じ得る人が備える特性
    • 好奇心
    • 持続性
    • 柔軟性
    • 楽観性
    • 冒険心

ソフトウェアエンジニアのキャリアパス3大分類

  1. エンジニアを極める
  2. エンジニアリングマネージャーを志向する
  3. プロダクトマネージャーを志向する

気付き

  • 漠然と意識していた内製化の意義を明文化できた
    • 仮説検証のスピード感
    • 企画から運用まで一気通貫のIT活用
    • DXに必要な「IT活用の手の内化」
  • ユーザー体験の価値向上こそが企業が採るべき最重要ミッション
  • 変化させないものの重要性
    • ビジョン
    • ミッション
    • 社会課題、価値観
    • 成し遂げる執念
    • 考え続ける
  • 組織の改善すべきポイントが整理できた

ToDo

  • デザインスプリントやインセプションデッキの概念をサービスの改善プロセスに取り込む
  • サービスのエンゲージメント強化について具体的な方針を考察し実践する
  • 先入観を払拭して自社のコア・コンピタンスに基づいた新たなユーザー価値創出に努める
  • 文中の気になった引用図書を読む

感想

  • 企業と技術者の現状と今後について体系的にまとめられておりソフトウェアエンジニアにとってバイブル的必読書と感じた
  • 日本企業の現状について、非IT企業だけでなくIT企業においても思い当たる課題が的確に指摘されており参考にできる内容が多かった

 

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