読書メモ 『1兆ドルコーチ』
- 1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
- ダイヤモンド社
- 2019/11/14
- エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル
- 櫻井祐子 訳
- https://www.amazon.co.jp/dp/4478107246/
メモ
- 2020/07
ビルならどうするか? ― シリコンバレーを築いた「コーチ」の教え
ビル・キャンベル
- Bill Campbell
- William Vincent Campbell Jr. ウィリアム・ヴィンセント・キャンベル・ジュニア
- 1940 〜 2016
- business executive
- coaching
- コロンビア大 アメフト選手(LB/SE) → ヘッドコーチ
- 39才 広告会社 ジェイウォルタートンプソンにてビジネスに転身
- Kodak → Apple → Claris → GO → Intuit → Apple → 客員経営者(コーチング)
- あだ名 : 「ボールジー(ballsy)」
- コーチングを受けた人々の共通の思考 : 「ビルならどうするだろう?」
葬儀のおもな列席者
- ラリー・ペイジ (Google)
- セルゲイ・ブリン (Google)
- マーク・ザッカーバーグ (Facebook)
- シェリル・サンドバーグ(Facebook)
- ティム・クック (Apple)
- ジェフ・ベゾス (Amazon)
- メアリー・ミーカー (KPCB)
- ジョン・ドーア (KPCB)
- ルース・ポラット(Google)
- スコット・クック (Intuit)
- ブラッド・スミス (Microsoft)
- ベン・ホロウィッツ (Andreessen Horowitz)
- マーク・アンドリーセン (Andreessen Horowitz)
マネジャーは肩書きがつくる。リーダーは人がつくる ― 「人がすべて」という原則
人がすべて
あらゆるマネージャーの最優先課題は、部下のしあわせと成功だ
「旅の報告」から始める
チームメンバーの連帯感を生み出し、高めるために、旅の報告など仕事以外のプライベートな話題からスタッフミーティングを始めよ
議論すべき「トップ5」を挙げよ
1on1は、部下が実力を発揮し、成長できる手助けできる最良の手段だ
そこで話し合うことはじっくりと考え、時間をかけて準備せよ
1on1 と業績評価のためのビルのフレームワーク
- 職務に対するパフォーマンス
- 売上数値
- 発売予定日、進捗目標
- 顧客FB、品質
- 予算
- 他部署との関係
- プロダクト部門とエンジニア部門
- マーケティング部門とプロダクト部門
- セールス部門とエンジニア部門
- マネジメントとリーダーシップ
- 部下の指導、コーチ
- できの悪い社員
- 採用
- 勇気ある行動への部下の誘導
- イノベーション
- 前進、向上
- テクノロジー、プロダクト、手法
- 自分と業界トップ、世界トップとの比較
円卓の「背後」に控える
マネージャーの仕事は、すべての意見を吸い上げ、すべての見解を検討するための意思決定プロセスを実行し、必要な場合にはみずから議論に決着をつけ、決定を下すことだ
「第一原理」で人を導く
その状況における「第一原理」、すなわち会社やプロダクトを支えている普遍の真理を明らかにし、その原理をもとに決定をくだせ
「天才」とうまく付き合う
ハイパフォーマンスだが扱いのむずかしい「規格外の天才」には寛容であれ
守ってやりさえすべきだ
だがそれは、倫理に反する行動や人を傷つけるような行動を取らず、経営陣や同僚へのダメージを上回る価値をもたらす限りでのことだ
カネはカネだけの問題ではない
高い報酬は愛と敬意の証であり、社員を会社の目標に強く結びつける
プロダクトがすべてに優先する
会社の存在意義は、プロダクトのビジョンに命を吹き込むことだ
それ以外のすべての部門はプロダクトのためにある
去るものに敬意を払う
誰かをやめさせなくてはならない時は手当をはずみ、手厚く扱い、功績に感謝せよ
会議を仕切る
CEOが取締役会を取り仕切るのであって、その逆ではない
「信頼」の非凡な影響力 ― 「心理的安全性」が潜在能力を引き出す
正直で謙虚な人財を見きわめる
コーチャブルな資質とは、正直さと謙虚さ、あきらめず努力を厭わない姿勢、つねに学ぼうとする意欲である
「フリーフォーム」で話を聞く
相手に全神経を集中させ、じっくり耳を傾け、相手が言いそうなことを先回りして考えず、質問を通して問題の核心に迫れ
「完全な率直さ」を身につける
フィードバックは徹底的に正直で率直に、そしてできる限り早く与えよ
ネガティブなフィードバックは人目のないところで与えよ
「すべきこと」を指図するな
物語を語り、自力で最適解にたどりつけるよう導け
「勇気」の伝道師になる
相手の能力を、相手が自分で思っているよりさらに深く信頼せよ
そしてもっと勇敢になるようハッパをかけよ
「ありのままの自分」をさらけ出す
人はありのままの自分でいられるとき、そして全人格をかけて仕事をするとき、最もよい仕事ができる
チーム・ファースト ― チームを最適化すれば問題は解決する
問題そのものより、チームに取り組む
問題や機会に直面したら、最初のステップは、最適なチームを適所に置いて問題に取り組むことだ
「正しいプレーヤー」を見つけよ
人に求めるべき最も重要な資質は、知性と心だ
つまり、すばやく学習する能力と厳しい仕事を厭わない姿勢、誠実さ、GRIT、共感力、そしてチーム・ファーストの姿勢である
GRIT
- Guts(度胸):困難なことに立ち向かう
- Resilience(復元力):失敗しても諦めずに続ける
- Initiative(自発性):自分で目標を見据える
- Tenacity(執念):最後までやり遂げる
ペアで仕事に当たる
同僚同士の関係は重要なわりに見過ごされがちなので、チーム内でペアをつくってプロジェクトや決定に取り組ませる機会を設ける必要がある
同じテーブルに着く
勝利できるかどうかは、最高のチームを持てるかどうかにかかっている
そして最高のチームには、女性が多い
「最大の問題」に切り込む
最大の問題、いわゆる「部屋の中のゾウ」を探して、部屋のどまんなかに引っ張り出し、真っ先にタックルせよ
さっさと「不満大会」を切り上げろ
ネガティブな問題をすべて明らかにせよ
だがそれにかかりきりにならず、可能なかぎり早く前へ進め
正しく勝利する
勝利をめざせ
だが献身、チームワーク、誠実さをもって、つねに正しく勝利せよ
リーダーは先陣に立て
物事がうまくいかないとき、いつにも増して「誠意」、「献身」、「決断力」がリーダーに求められる
人々のあいだの「小さなすきま」を埋める
耳を傾け、目をこらし、理解やコミュニケーションのギャップを埋めよ
「親身になる許可」を自分に与える
メンバーのことを知り、気にかけると、チームを導くことはずっと楽しくなり、チームは実力を遺憾なく発揮できる
パワー・オブ・ラブ ― ビジネスに愛を持ち込め
「やさしい組織」になる
人を大切にするには、人に関心を持たなくてはならない
プライベートな生活について尋ね、家族を理解し、大変なときには駆けつけよ
立ち上がって「応援」する
部下と彼らの成功を派手に応援せよ
つねに「コミュニティ」に取り組め
仕事でも仕事以外でもコミュニティをつくれ
人々が絆で結ばれるとき、チームはずっと強くなれる
人を助けよ
時間や人脈などの資源を、人のために惜しみなく使え
創業者を愛せ
強力なビジョンと情熱を持つ人々に敬意を持ち、彼らを守れ
エレベーター・トーク − 雑談の偉大な力
職場の同僚を愛することは、そう簡単にはできないかもしれない
それでも、自然にできるようになるまで練習を積め
ものさし ― 成功を測る尺度は何か?
- クリエイティブであれ
- ディレッタントになるな
- バイタリティのある人を探せ
- 才能を生かせ
- 将来のことを心配して時間をムダにするな
気付き
- 自分は経営者ではないが、自分が期待される側と、メンバーに期待する側の両面において、有用な項目が多かった
- 自身が意識しているより遥かに、相手を大切にする必要性を感じた
- 漠然と実践していた内容についても、このように明言して大丈夫という、自信につながった
- 昨今、リモートワーク時代になりメンバー同士の関係がより疎になり得る現状において、精神的に密になるための取り組みの必要性がより重要になる
ToDo
- メンバー同士が精神的により密になる取り組みを実践する
- 「部屋の中のゾウ」を躊躇することなく勇気を持って議題の中心に上げる
感想
- シリコンバレーを横断的にここまで影響力を持ったコーチ = 影の仕掛け人のような存在がいたことに素直に驚いた