今回、class/structのinit()の挙動がいまいちわかりにくかったため、ChatGPTとやりとりして疑問点を解消してもらいました。質問・回答は一部整形しています。
質問: swiftのイニシャライザが複雑すぎてつらい
ChatGPT:
Swiftのイニシャライザ、確かに複雑なところありますよね…。特に
- デフォルトイニシャライザ vs カスタムイニシャライザ
- メンバー単位イニシャライザ（Memberwise Initializer）
- コンビニエンスイニシャライザ（convenience init）
- 必須イニシャライザ（required init）
- フェイリアブルイニシャライザ（init? / init!）
- 継承とスーパークラスのイニシャライザの扱い（super.init呼ばなきゃダメとか）
あたりの仕様が絡み合うと「えっ、なんでこれエラーになるの？」みたいなことが起きがちですよね。
質問: 暗黙にできるケースとできないケースがややこしい
ChatGPT:
めっちゃ分かる。Swiftのイニシャライザ、暗黙的に生成される場合とされない場合があって、そのルールが結構ややこしいですよね。
暗黙的にイニシャライザが生成される場合
すべてのプロパティにデフォルト値がある→ init() が自動生成される
struct User {
var name: String = "Guest"
var age: Int = 0
}
let user = User() // OK（init()が自動生成される
構造体でプロパティがすべて明示的に定義されている
→ メンバー単位イニシャライザが自動生成される
struct User {
var name: String
var age: Int
}
let user = User(name: "Alice", age: 25) // OK（memberwise initが自動生成される）
暗黙的にイニシャライザが生成されないケース
クラスでカスタムイニシャライザを定義した場合
→ デフォルトイニシャライザが自動生成されない
class User {
var name: String
var age: Int
init(name: String) {
self.name = name self.age = 0
}
}
let user = User() // エラー！（init() が自動生成されない）
クラスで継承が絡む場合
→ 親クラスにカスタムイニシャライザがあると、自動生成されないことがある
class Person {
var name: String
init(name: String) {
self.name = name
}
}
class User: Person {
var age: Int = 0
}
let user = User(name: "Alice") // エラー！（親のinitがあるため、自動生成されない）
プロパティにデフォルト値がない場合（構造体）
→ init() は自動生成されない（けど init(name: String, age: Int) は生成される）
struct User {
var name: String
var age: Int
}
let user = User() // エラー！（引数なしのinit()は自動生成されない）
つらいと思うポイント
- 「デフォルトイニシャライザがあると思ったら無い」みたいなケースが多い
- convenience init の扱いが絶妙に面倒
- クラスの継承時に「super.init()」のルールがややこしい
- イニシャライザの「自動生成される or されない」の境界が分かりづらい
質問: 独自にinit定義するとデフォルト値消えたりする？
ChatGPT:
めっちゃいい質問！Swiftでは 独自の init を定義すると、デフォルトの init() やメンバー単位イニシャライザ（Memberwise Initializer）が消えることがあるので注意が必要です。
デフォルト値が消えるケース
結論：
- クラスの場合 → init() が自動生成されなくなる
- 構造体の場合 → メンバー単位イニシャライザが消えることがある
1. クラスの場合 → init() が消える
デフォルトの init() は、独自の init を定義すると自動生成されなくなる！
class User {
var name: String
var age: Int = 18 // デフォルト値あり
init(name: String) {
self.name = name
}
}
// let user = User() // ❌ エラー！（init() が消えてる！）
let user = User(name: "Alice") // ✅ OK
理由：
- Swift は「開発者が独自の init を定義したなら、デフォルトの init() は不要だろう」と判断する
- その結果、init() は自動生成されず、デフォルト値（age = 18）を使って User() を作ることができなくなる
回避策：
デフォルトの init() を使いたいなら、自分で明示的に書く！
class User {
var name: String
var age: Int = 18
init(name: String) {
self.name = name
}
init() { // これを追加すればOK
self.name = "Guest"
}
}
let user = User() // ✅ OK
2. 構造体の場合 → メンバー単位イニシャライザが消える
構造体は、独自の init を定義すると memberwise init（プロパティ全部入りのイニシャライザ）が自動生成されなくなる！
struct User {
var name: String = "Guest"
var age: Int = 18
init(name: String) {
self.name = name
}
}
// let user = User(name: "Alice", age: 25) // ❌ エラー！（memberwise init が消えた！）
let user = User(name: "Alice") // ✅ OK
理由：
- Swift の構造体は 「独自の init を定義したら、開発者がすべてのイニシャライザを管理するはず」 という考え方
- だから init(name: String, age: Int) みたいなメンバー単位のイニシャライザが自動生成されなくなる
回避策：
メンバー単位イニシャライザを維持したいなら、自分で init を定義する！
struct User {
var name: String = "Guest"
var age: Int = 18
init(name: String) {
self.name = name
}
init(name: String, age: Int) { // これを追加すればOK
self.name = name
self.age = age
}
}
let user = User(name: "Alice", age: 25) // ✅ OK
結論
✅ クラス
- 独自の init を書くと init() は消える（デフォルト値があっても）
- init() を使いたいなら 明示的に定義する
✅ 構造体
- 独自の init を書くと memberwise init が消える
- init(name: String, age: Int) みたいなのを維持したいなら 明示的に定義する
Swiftの「暗黙的にイニシャライザが消える仕様」って地味にハマりやすいですよね…。
質問: 一貫性を見出すとしたらどうしたらいいだろうか。
めちゃくちゃ鋭い視点ですね。Swiftのイニシャライザ設計には「一貫性がない」と感じる部分が多いですが、逆に 「 どういうルールで動いているのか 」 を整理してみると、ある程度の法則性が見えてきます。
🔍 Swiftのイニシャライザの一貫したルール（隠れた法則）
ざっくりまとめると、Swiftは 「開発者が手を入れたら、自動生成をやめる」 方針になっている。
| パターン | デフォルトinit() | メンバー単位イニシャライザ |
|---|---|---|
| 構造体（プロパティすべてにデフォルト値あり） | ✅ あり | ✅ あり |
| 構造体（プロパティにデフォルト値なし） | ❌ なし | ✅ あり |
| 構造体（カスタム init を書いた場合） | ❌ なし | ❌ なし |
| クラス（プロパティすべてにデフォルト値あり） | ✅ あり（ただし init() のみ） | ❌ なし |
| クラス（プロパティにデフォルト値なし） | ❌ なし | ❌ なし |
| クラス（カスタム init を書いた場合） | ❌ なし | ❌ なし |
🔑 一貫性を見出すポイント
①「開発者が init を書いたら、自動生成はしない」
→ Swiftは「お前が init 書いたんだから、あとは責任持って全部定義しろよ！」という思想。
struct User {
var name: String = "Guest"
var age: Int = 18
}
let user = User() // ✅ OK（デフォルト値があるので init() が自動生成される）
let user2 = User(name: "Alice", age: 25) // ✅ OK（メンバー単位イニシャライザも自動生成）
struct User2 {
var name: String
var age: Int
init(name: String) {
self.name = name
self.age = 0
}
}
// let user3 = User2(name: "Alice", age: 25) ❌ エラー！（memberwise init 消えた！）
一貫したルール：
👉 「init を1つでも書いたら、デフォルトのイニシャライザは消える」
②「構造体はプロパティの型が分かってるから、自動で init をくれる」
→ クラスと違って、構造体はすべてのプロパティを明示的に持つので、自動生成しやすい。
struct User {
var name: String
var age: Int
}
let user = User(name: "Alice", age: 25) // ✅ OK（型が決まってるので、memberwise init 自動生成）
一貫したルール：
👉 「構造体はカスタム init さえ書かなければ、基本的に init を勝手にくれる」
③「クラスは super.init() の問題があるから、イニシャライザを勝手に作りにくい」
→ クラスは継承があるので、「親クラスの init を呼ぶべきかどうか」が問題になる
class Person {
var name: String
init(name: String) {
self.name = name
}
}
class User: Person {
var age: Int = 18
}
// let user = User(name: "Alice") ❌ エラー！（親に `init(name:)` があるせいで、自動生成できない）
一貫したルール：
👉 「クラスは継承の影響を受けるから、Swiftは init を勝手に作らない」
🎯 Swiftの「暗黙の init ルール」まとめ
✅ 構造体
- **init() と memberwise init を自動生成 → ただしカスタム init 書いたら消える
- デフォルト値があれば init() をくれる （init(name: String, age: Int) も生成）
- カスタム init を書くと「お前が管理しろ」と言わんばかりに消える
✅ クラス
- init() の自動生成は「デフォルト値がある場合」のみ
- 継承が絡むと「親の init との整合性」のせいで init を自動生成しなくなる
- カスタム init を書くと、やっぱり「お前が管理しろ」と言われる
🔥 一貫性を持たせるなら？
Swift の設計に 「こうすればもっと一貫性あるのでは？」 っていう改良案を考えてみると：
🛠 改良案①：「カスタム init を書いても memberwise init は維持する」
struct User {
var name: String
var age: Int
init(name: String) {
self.name = name
self.age = 18
}
}
let user = User(name: "Alice", age: 25) // 今はエラー❌ → これを OK にする✅
理由：
- Swiftは「型が全部分かってるから安全に init を作れる」ので、カスタム init があっても memberwise init を維持すべき
🛠 改良案②：「クラスも memberwise init を持つ」
class User {
var name: String
var age: Int = 18
}
let user = User(name: "Alice", age: 25) // 今はエラー❌ → これを OK にする✅
理由：
- クラスも「プロパティが全部決まってるなら init くれよ！」ってなる場面が多い
- 構造体との一貫性が増す
🛠 改良案③：「クラスの init() は、継承しても維持する」
class Person {
var name: String
init(name: String) {
self.name = name
}
}
class User: Person {
var age: Int = 18
}
let user = User(name: "Alice") // 今はエラー❌ → これを OK にする✅
理由：
- クラスの init は 「継承関係を気にしすぎて init を作らない」 のが問題
🎯 結論：「Swiftのイニシャライザは、カスタム init で破壊されすぎる」
- Swiftは「開発者が init を書いたら、あとは全部管理しろ」って考え方
- でも、構造体もクラスも「プロパティが決まってたら init くれてもいい」のに、それを消すのが問題
- もっと「カスタム init があっても、使いやすい init を維持する」方向に進化すれば完璧
Swiftのイニシャライザ仕様、もうちょいスッキリすればマジで神言語になれるのになぁ…って感じですね。
(ChatGPTとのやりとり以上)
まとめ
言語の改良案まで出してくれました。構造体とクラスで仕様をまとめた表などは助かりますね。これだけで完璧とはいきませんが、かなり理解の助けになったと思います。このような感じでプログラミング言語学習にAIを使うのはアリだと思うので今後も使ってみます。