はじめに
今年の12月にSIerからHRTechのWeb系自社開発企業に約1年かけて転職しました。
似たような境遇でこれから転職しようとする人や転職活動中の人に向けて、参考になる情報を提供できればと思い記事を書きます。
また転職活動を振り返ることで、自分自身の内省もしたいと思います。
自己紹介
新卒で入社したSIer企業に3年半程勤めていました。
担当業務は主に設計・テスト・運用保守で、たまに開発もやります。
開発したことのある言語は下記で簡単な実装はできるレベルです。
- Java
- HTML
- CSS
- JavaScript
- C#
- VBA
転職の動機
- 個人の能力を活かすことができるサービス開発に携わりたい
きっかけは新卒で入社した会社で上司が体調を崩して退職したことです。
上司は主に保守運用を10年程担当してきた方でしたが、過去に経験したことのないWeb系の新規開発のプロジェクトリーダーに任命されました。しかし、今まで開発やWeb技術の経験をしてこなかったため、途中で体調を崩し、半年ほど休職しましたが回復せず、退職してしまいました。
退職してしまった原因は、得意な領域であれば力を発揮することができるにも関わらず、仕事に求められる能力とのミスマッチだと思いました。
その経験から一人ひとりの実績やスキルを考慮し、その人の能力に合った仕事ができるようになるためのサービスに携わりたいと考えるようになりました。
- 開発をやりたい
もともとITの技術でモノづくりをしたいと思い、エンジニアを目指したため。
大学時代の合唱部で、パートの音取りをデスクトップミュージックで作成した音源で出来るようにしたことで、「ITを使ってモノづくりしてみたい」と思ったのがきっかけです。
ただ入社した会社では開発は委託で自分が開発をあまり担当できなかったため。(SIerの業界勉強が不足していた自分のせいでもありますが)
時系列
2019年9月から転職を考え、2020年9月に内定をいただいたため、約1年程掛かりました。
2019/09〜2019/12
- 調査・学習
転職するために、まずは自分と同じような経歴で転職した方の記事などを調査しました。
その中でもSIerからベンチャー企業に転職した方が書かれた完全SIer脱出マニュアルは学習サイトや転職サービスなどが順を追って具体的に書かれており、転職活動の方針を決める際に参考になりました。
マニュアルを参考にまずはRuby,Railsの学習から始めました。
もともと実務で簡単な開発はしていたので、比較的サクサク進めることが出来ました。
2019/12〜2020/05
- ポートフォリオ作成・転職活動開始
学習が一通り終わったので、ポートフォリオの作成と併せて転職サービスの利用を開始しました。
転職サービスは転職エージェント・転職サイトに複数登録して、利用していく中で自分と相性のいい担当者や通知がよく来るサービスに絞っていきました。
初めての転職活動でこの時期はコロナも流行りだしたため、あまり成果を挙げられませんでした。ただ面接が全てリモートになったため、会社を訪問するよりも時間や交通費を掛けずに済みました。
2020/05〜2020/09
- ポートフォリオ、応募書類を見直し・転職活動終了
5月までの活動で書類落ちが多かったので、ポートフォリオと応募書類を見直すことにしました。
ポートフォリオは実務でVue.js・Jestを利用する機会があったため、実務の勉強も兼ねてフロントエンドに導入してみました。
職務経歴書は人事担当の方に添削をお願いし、ただ担当した業務を記載するのではなく、その中で自分がどんな工夫をしたかなど、自分の内面が分かるような内容に修正しました。
見直し後は面接に進めることが増え、希望していたHRTechの企業に内定をいただくことが出来ました。
内定までにやったこと
内定までに利用した・実施した以下項目について書きます。
- 学習教材
- ポートフォリオ
- 応募書類
- 転職サービス
- 面接
学習教材
- Progate(Ruby,Rails)
- Railsチュートリアル
- Udemy(Git,Vue.js)
上述したマニュアルにも書かれており、自分が手を動かしながら学べる教材を選びました。
学ぶ→書く→動くのサイクルを短くすることで、達成感が得やすくモチベーションを維持しやすかったためです。
ポートフォリオ
タスク管理アプリです。普段自分が使っているTODOアプリに欲しいと思う機能を追加しました。自分が作りたいものだったため、やらされ感がなく楽しく作ることが出来ました。
当初ポートフォリオは技術力を示すため、スクールで作るようなECサイトを作る予定でした。
しかし、エージェントサービスのエンジニアの方から、経験の浅い人に求められるのは技術力よりも人間性や考え方が分かるモノがいいとアドバイスをいただいてからは自分なりのモノを作ることに方針を変えました。
技術力は後からでも伸ばすことは出来ますが、人間性や考え方を変えるのは難しく、それらが会社と合わなければ長くは続かないためだと思います。
応募書類
職務経歴書はMENTAで人事担当の方に添削していただきました。
初めはエージェントの方の意見を参考にしていましたが、企業側の目線でも確認してもらった方がいいと思ったためです。
担当した案件の中で自分が頑張ったことや苦労して乗り越えたことを書くことで、入社後にどういう風に活躍してくれそうかが分かるよう意識して書きました。
転職サービス
転職エージェント・転職サイトはそれぞれ下記を利用しました。
転職エージェント
- リクルートエージェント
- doda
- マイナビエージェント
- レバテックキャリア
- Geekly
- kiitok
転職サイト
- Wantedly
- Green
- LAPRAS
- Forkwell
転職エージェントの中で主に利用していたのはGeeklyとkiitokです。
Geeklyは他ではあまり掲載されていないWeb系の求人が多くあったため、応募数は1番多かったです。
kiitokは現役エンジニアの方がキャリア相談に乗っていただいたため、より現場に近いアドバイスをもらうことが出来ました。
転職サイトではWantedlyとGreenをメインで使っていました。上述した2つが企業からのスカウトや気になる通知が多かったです。
紹介文の書き方は下記記事が参考になりました。有料ですが価格以上の情報が書かれていると思います。
Wantedlyプロフィールの書き方
LAPRAS・Forkwellはそこまで利用していませんでしたが、ネット上の情報から自分の技術力などが数値化されるので、客観的にどれぐらいのスキルがあるのか見れるのは面白いサービスだなと思いました。
面接
メンターの方から教えていただいた記事が大変参考になりました。
エンジニア採用面接での「質問項目」と「意図」を公開する
ざっくりまとめると、自分の今までやってきたこと(過去)・これからやりたいこと(未来)の2つが企業側の知りたいことです。
今までやってきたことは自分の実績から、入社して活躍できるかどうかの確認のために必要です。これは業務の棚卸しをすることで、自分がどんな仕事をやってきてどんな考え方・行動をするのかを伝える準備が出来ます。
これからやりたいことは自分のやりたいことと企業が期待していることがマッチしているか確認のために必要です。入社後にやりたいことやなりたい人物像をイメージして、その理由とそのためにどういったことをしていくのかを伝えました。
ただやりたいことはそのまま伝えるのではなく、ある程度企業の期待していることに合わせることも必要だと思います。特にベンチャーなど規模が小さい企業は一人が担当する仕事が多いと思うので。(企業側が開発だけではなく設計やテストもやって欲しいと考えていても「開発だけやりたいです」と言うより「将来的には仕事の幅を広げてみたいので、開発以外もやってみたいです」など)
内省
良かった点
- 複数のアウトプットをした
ポートフォリオ、学習ブログ、資格といった複数のアウトプットをしていたことは、採用担当の方からよく評価していただきました。
ブログはポートフォリオを作る上で分からないことや理解が曖昧なものがあった際に、自分の言葉でまとめて理解するために始めました。よく分からないけど動いた、解決したが習慣になってしまうと実務で障害に繋がる恐れがあるためです。
資格は持っていることで知識があることより、日頃から学習する習慣がある人と認識してもらえた印象です。
- 主体的に動けるようになった
職務経歴書で過去に対応した業務を振り返ったときに、自分で工夫したことがあまりありませんでした。
ただ任された仕事をやるのではなく、自分から主体的に動かないとアピール出来ることがあまりないと思い、普段の業務で自分なりに工夫出来ることはないか意識するようになりました。
そこから、手動業務をバッチで自動化する、プッシュ前のチェックリストを作るなど、以前よりも自分から動けるようになり、自分で考えて動いた方が仕事が楽しく感じるようになりました。
悪かった点
- 転職するまでの期間が長かった
転職をしようと思ってから実際に転職するまでに期間がかかり過ぎました。原因は最初に終了時期を決めていなかったことです。
仮にでもいいから締め切りを決めておけばもっと短期間で済んだと思います。ダラダラ続ける癖になってしまうため、やると決めたら必ず締め切りを設定するよう気を付けたいです。
- 辞めることを宣言せず会社に居続けてしまった
予め辞めることを伝えた上で転職活動をすれば良かったと思っています。
次が決まっていないのに辞めることを宣言するのは不安ですが、逆に在職中に次を見つけなければいけないプレッシャーを掛けることが出来ます。
辞めてから転職活動する手もありますが、ここまですると経済的な焦りで希望ではない企業で妥協してしまう恐れがあります。
安定した環境でズルズル続けずに、転職しなければいけない環境にする勇気が持てなかったのが心残りです。
まとめ
約1年間と長期間の転職活動になってしまいましたが、最終的に希望のHRTechの企業に転職出来て良かったです。
転職活動中に利用したサービスやサポートしていただいた方々にはとても感謝しています。新しい環境で活躍することが恩返しになると想い、これから努力していきたいと思います。
転職活動の中で様々な方に助けられたように、この記事が誰かの転職の参考になればうれしいです。