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DatabricksとLakehouseの概要

Last updated at Posted at 2025-07-26

はじめに

本記事では、転職面接先で活用されている「Databricks」および「Lakehouseアーキテクチャ」について、
その概要や特徴をまとめています。

Databricksとは

Databricksは、Apache Sparkの創始者たちによって設立された企業であり、
ビッグデータ分析、機械学習、データエンジニアリングを統合的にサポートするクラウドベースのプラットフォームを提供しています。

主な特徴:

  • Apache Sparkをベースにした高速分散処理エンジン
  • ノートブックベースでのコラボレーション
  • データエンジニア、データサイエンティスト、ビジネスアナリストが同一環境で作業可能
  • クラウド環境(Azure、AWS、GCP)で利用可能

Databricksの主なメリット

1. オールインワンなデータ&AIプラットフォーム

  • データエンジニアリング、データサイエンス、機械学習、BI分析まで一貫して対応。
  • ノートブック(Python/SQL/Scala/R)を共有しながらチームで開発可能。

2. Delta Lakeによる高性能・高信頼性

  • ACIDトランザクション対応のストレージレイヤー。
  • タイムトラベルやスキーマエボリューションが可能。
  • 圧縮・インデックス・最適化(Z-Ordering)による高速クエリ実行。

3. マルチクラウド対応

  • AWS、Azure、GCPの各クラウドに対応。
  • クラウドロックインを避け、同一のUI/UXを提供。

4. 機械学習やガバナンス機能が充実

  • MLflowによるMLライフサイクル管理。
  • Unity Catalogによるカタログ・ガバナンス管理。

DatabricksとAWS/GCPネイティブサービスとの違い

項目 Databricks AWS (Redshift, EMR, SageMaker) GCP (BigQuery, Vertex AI, Dataflow)
アーキテクチャ Lakehouse(データレイク+DWH) DWH+ETL個別構成 DWH中心、サービス分離
分析統合性 ノートブック、ML、ETL一体化 分離構成 分離構成
分散処理 Apache Spark EMR (Spark), Glue等 Dataflow, Beam等
マルチクラウド対応 ✔️ ❌ AWS専用 ❌ GCP専用
MLライフサイクル MLflow標準搭載 SageMaker等を組み合わせ Vertex AI
カタログ・ガバナンス Unity Catalog Glue Data Catalog等 Data Catalog等

どんなケースにDatabricksが有効か?

シナリオ Databricksの強み
データとAIを一体で扱いたい ノートブック + Spark + MLflow による統合開発
非構造化データも扱いたい Delta Lake による柔軟なデータ管理
チーム開発で分析基盤を構築したい ノートブック共有、ガバナンス設計
将来的にクラウド移行の可能性がある マルチクラウド対応の柔軟性

Lakehouseとは

Lakehouseは、データレイクの柔軟性とデータウェアハウスの構造化・トランザクション処理能力を組み合わせた新しいアーキテクチャです。

従来の課題:

  • データレイクは柔軟だがデータ品質管理が困難
  • DWHは構造化されているがコストやスケーラビリティに課題

Lakehouseの利点:

  • 構造化・非構造化データの統合管理
  • ACIDトランザクションによる信頼性
  • バッチ処理とストリーム処理の統合

Databricks Lakehouse Platformの活用事例

Databricksを基盤とするLakehouseアーキテクチャは、以下のような業務に活用されています。

  • ETL/ELTパイプラインの構築と自動化
  • 機械学習モデルのトレーニングとデプロイ
  • BIツールへのデータ提供(Tableau, Power BI など)
  • クラウド移行やレガシーDWHからのマイグレーション

[個人的メモ]BigQueryからLakehouseへの移行: メリット・デメリットと移行手順

移行のメリット

  • 柔軟性の向上: 構造化データと非構造化データの統合が容易で、様々な分析ニーズに対応可能。
  • リアルタイム性の向上: ストリーミングデータ処理やバッチ処理を同一プラットフォーム上でシームレスに実行可能。
  • コスト効率の改善: クラウドストレージ上で動作し、ストレージとコンピュートを分離できるため、運用コストの最適化が可能。
  • 機械学習・AIとの統合性: ノートブックやMLflowなどを活用して機械学習の開発・運用が容易に行える。

移行のデメリット・課題

  • 学習コスト: DatabricksやSpark、Delta Lakeといった新たな技術スタックの習得が必要。
  • 既存ワークロードの移行コスト: SQLやBIレポートの修正が必要な場合がある。
  • セキュリティ設計の見直し: GCPのIAMとDatabricksのアクセス制御の違いを理解し、再設計が必要になる場合がある。

移行手順(例)

  1. 現行環境の棚卸し
    • BigQuery上のデータセット、テーブル、ビュー、スクリプト、BIツール連携などを整理。
  2. 移行計画の策定
    • ワークロードの優先度付け、対象スキーマの定義、スケジュールとリソース確保。
  3. Databricks環境の構築
    • クラウド(Azure/AWS/GCP)上でDatabricksワークスペースを構築。
    • Unity CatalogやDelta Lakeなどの基盤技術を設定。
  4. データ移行
    • BigQueryからParquet形式やCSV形式でデータをエクスポートし、クラウドストレージ経由でインポート。
    • Deltaテーブルとして再構築。
  5. パイプラインと処理ロジックの移行
    • ETL/ELTジョブをSpark、dbt、Airflowなどで再実装。
    • データ品質や依存関係をテスト。
  6. BIツールとの連携確認
    • TableauやPower BIなどのデータソース設定をDatabricksに切り替え。
  7. ユーザートレーニング・内製化支援
    • 新しいデータ基盤に関する社内トレーニングを実施。
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