Google Cloud Platform (GCP) 上で提供される Vertex AI は、機械学習モデルの構築、デプロイ、運用を統合的にサポートする強力なプラットフォームです。この記事では、Vertex AI の概要や活用方法、メリット・注意点をまとめます。
Vertex AIとは?
Vertex AI は、以下の機能を統合的に提供する GCP のサービスです:
- AutoML: コーディング不要でモデルを構築できる機能
- カスタムモデル: TensorFlow や PyTorch モデルをカスタムでデプロイ可能
- データ準備: BigQuery や Cloud Storage との統合で簡単にデータを扱える
- パイプライン: ワークフローを Vertex Pipelines で自動化
- モニタリング: モデルの品質を Vertex Model Monitoring で管理
Vertex AIの活用例
1. AutoMLによるモデル構築
AutoML 機能を使えば、ノーコードで以下のようなモデルを作成できます:
- 画像分類
- テキスト分類
- 構造化データの回帰・分類
AutoMLでは、データをアップロードするだけでモデル作成が進みます。
2. BigQuery との連携
Vertex AI は BigQuery と緊密に連携しています。BigQuery にあるテーブルをそのままトレーニングデータとして利用できます。
SELECT *
FROM `project.dataset.table`
このまま Vertex AI のトレーニングデータとして利用できるので、データパイプラインが非常にシンプルになります。
3. カスタムモデルのデプロイ
以下のような流れで、独自のモデルをデプロイできます。
- トレーニング済みモデルを GCS に保存
- Vertex AI でモデルとして登録
- エンドポイントを作成し、リアルタイム推論APIを提供
from google.cloud import aiplatform
aiplatform.init(project='your-project-id', location='us-central1')
model = aiplatform.Model.upload(
display_name='my-model',
artifact_uri='gs://my-bucket/my-model/',
serving_container_image_uri='us-docker.pkg.dev/vertex-ai/prediction/tf2-cpu.2-3:latest',
)
endpoint = model.deploy(machine_type='n1-standard-4')
Vertex AIのメリット
- GCPとの統合: BigQueryやCloud Storageとの親和性が高い
- AutoMLからカスタムモデルまで一元化: どのレベルのユーザーにも柔軟に対応可能
- スケーラビリティ: GCPのインフラでスケーラブルに運用可能
Vertex AIの注意点
- コスト管理: モデルデプロイやAutoML利用は従量課金制。予算管理が重要です。
- 権限管理: サービスアカウント・IAM設定を適切に行う必要があります。
まとめ
Vertex AIは、機械学習を迅速かつ効率的に導入するための強力なサービスです。
特に、GCPの既存データ基盤を活用しているユーザーにとっては、AutoMLやカスタムモデルの両方をサポートするVertex AIの存在は非常に大きな価値があります。
ぜひ、組織のデータ活用やAI戦略に Vertex AI を活かしていきましょう!