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エンジニア採用担当というキャリア

Last updated at Posted at 2020-12-24

この記事はWanoグループ Advent Calendar 2020最終日の記事です。

メリークリスマス!!ということで、Wano株式会社 VPoEの橋本です。
社内のSlackで社員に記事書いてねと散々煽ってきたこともあり、最終日を担当したいと思います。

とはいえ、ここ数年ほぼ自分で手を動かして開発をしていない為ネタに大変困った結果、エンジニア採用とエンジニア採用担当というキャリアについて少し書きたいと思います。

はじめに

この記事は技術系の記事ではありません。
Qiitaという媒体の中では、採用される側の人が大半だと思いますが、採用する側がどんなことをしているのか、どういった観点で候補者を見ているのか、といったことを書きながら、数多あるエンジニアのキャリアパスの一つとして、エンジニア採用担当というキャリアを提示してみたいなと思い書いてみました。

最初に結論を

長々と文章を書いてしまったので、最初に結論を書きたいと思います。

  • エンジニア採用では、いかにエンジニアの協力を得られるかで成果が変わる
  • エンジニアがキャリアの選択肢として採用担当を候補にする価値はある

の2点です。
この結論をご理解いただけるように、採用業務って具体的にどんなことをやっているのか、という事をWano社の歴史と筆者の経験を交えて説明したいと思います。

Wano社におけるエンジニア採用の変遷

あくまで我々がエンジニア採用において、利用してきたサービス中心となっているため、アレやコレが入ってないといった点はご容赦ください。。。
また、エージェントも活用していましたが、今回は採用サービスを中心にまとめたかったので、記載していません。

2008年 〜 2010年

リクナビさんや、typeさん、ビズリーチさんなど、掲載費用を払って一定期間求人する媒体系のサービスしかほぼ選択肢が無い時代で、媒体側もエンジニア採用に特化している訳ではなく、どの媒体も「全ユーザー中n%がエンジニアです!」という情報が必ず資料に入っていました。
媒体毎の差別化ポイントとしては、媒体内の候補者にスカウトを投げる機能の有無くらいで、あとはユーザー数勝負といった感じでした。
媒体型隆盛な中、成功報酬型のGreenさんには、この時期から現在に至るまでとてもお世話になってます。
媒体型だと採用できなければ媒体費用だけ嵩んでいくという中、初期費用が発生しないという点において、スタートアップや中小にはありがたいサービスです。(今後ともお世話になります)

Wano社としては、創業目的でもある音楽や映像クリエイターを支援するサービスを一日でも早く世に出すために、受託事業をメインに会社の体力をつけている時期で、採用ノウハウも何もない中、媒体に登録している転職活動中の候補者に対して、CTO加藤と二人で、開発業務の合間にレジュメチェックし、気になった人にとにかくスカウトメールを打つ(しかもテンプレ)という戦略も何も無い採用活動を行っていました。
採用広報に至っては、担当すらいない状況で、会社としての情報発信は気がついたら更新していたコーポレートサイトと、当時スポンサードさせていただいていた、YAPC::Japanで多少会社名の露出があるくらいでした。

2011年 〜 2014年

採用広報を強く意識したWantedlyさんや、エンジニアに特化したPaizaさん、CodeIQさんといった、これまでの採用サービスとは一線を画したサービスが出始めた時期で、採用分野におけるHRTechの走りといった感じでしょうか。
また、採用サービスを使わずに、Github、Twitter、LinkedIn等を活用した、SNS等を活用したダイレクトソーシングも活発になってきたと記憶しています。
この辺りから、媒体等に登録した転職したい人をターゲットに行われていた採用活動が、転職予定がない人もターゲットになり始めた時期で、エンジニア採用市場における青田買いが始まりました。
また、採用市場的にはゲーム系のベンチャーがとても強く、いい人と面接できたかと思うと、ゲーム系ベンチャーさんに決まったので辞退しますという事がよくありました。
更にこういった企業はリファラル採用にものすごく力を入れていていたので、数百万円の紹介費用や候補者への支度金を支払っているといった話や、コミュニティの主要メンバーがごっそり同じ企業に入ったといった話も流れてくるような時代でした。

我々はというと、地道に会社の体力を付ける時期から、会社設立目的ともいうべき、音楽ディストリビューションサービスTuneCore Japanや、動画広告サービスVeleT等の自社(グループ)サービスを開始した時期で、当然採用活動にも力を入れていた時期でした。
相変わらずCTO加藤と業務の合間に行っていた採用活動ですが、これまではレジュメだけであった候補者情報が、CodeIQさん、Paizaさんといったサービスを導入した結果、採用テストを行う前にスキルチェックができるようになったのと同時に、その分一人の候補者のチェックに割く時間がどんどん多くなってきたように記憶しています。
また、我々は元々エンジニアでもあったメンバーが採用担当を兼任していたので、問題にはならなかったのですが、エンジニア経験の無い採用担当者だけでは、採用活動ができなくなってきたのもこの辺りからだと思います。
採用広報は、この時期に関しても全くの手つかずでした。。。

2015年 〜 2018年

Forkwellさん、Findyさん、転職ドラフトさんといった、エンジニアをターゲットにした採用サービスが乱立する時期で、現在に至るまでその流れは続いています。
アウトプットの多いエンジニアのメールボックスは、スカウトメールに溢れ、テンプレメールなんて開封すらされないといった状況になっており、中途エンジニア採用の難易度と採用にかかる工数は上がり続けていました。
HRTechにAIが活用され始めたのもこの頃で、Laprasさん等のサービスがローンチされ、多少の物議を醸しながらも、調整を重ねてエンジニアと企業側双方にとって便利なサービスが増えた時期となりました。
また、Talentioさん、HERPさんといった採用管理サービスも数多く出始め、複数の採用サービスを使いながらも、候補者やタレントプールとのコミュニケーションや情報管理を集約するといった流れになっています。
この頃からエンジニアの採用にエンジニアが関わるようになる流れが加速してきたように感じます。
単に面接に出るというだけではなく、レジュメチェックの段階から入ったり、スカウトメールのレビューをしたり、Githubのコードを読んだり。。。エンジニアにしかできない業務がエンジニア採用領域に求められ始め、これをうまく回せている企業が、エンジニア採用でも勝ち組になっている印象です。

この時期の我々は、自社(グループ)サービスにitSnapを加え、それらを成長させるため、更にエンジニアを増やす必要があるものの、常に苦戦している中途採用だけでは足りないと考え、これまで何度か行っていた新卒採用に更に力を入れ、地方の会社説明会や逆求人イベント等に積極参加していました。
その一環で、採用広報にも力を入れる必要があると考え、グループ全体の情報発信をしていくWano Group Mediaを立ち上げ、ようやく採用広報をやっていこうと決断し、人も配置し始めた時期でした。

2019年 〜 現在

採用サービスの流れ自体は、サービス育成期と変わらず採用サービスに関わらずHRTechカオスマップが随時更新されている状況で、乱立は相変わらずですが、採用の流れとして副業などでの業務委託からの正社員化という流れが増えてきました。
実際その流れを前提とした紹介サービスも増えており、flexyさんやレバテックさんといったフリーランス向けのサービスが、正社員化まで視野にいれた紹介をされている印象です。

Wanoでは、音楽に続いて、映像のディストリビューションサービスVideoKicksを新たなサービスとして展開し、その他のサービスも併せ、引き続き採用には力を入れています。
ここにきてようやく採用業務経験者を採用担当として迎え入れることもでき、採用広報担当と共に戦略を立てながら採用業務をスタートすることができました。

2020年12月現在具体的に何をやっているか

エンジニア採用の変遷に書いたとおり、エンジニア採用業務は常に採用方法が変わり続けています。
そんな中、今現在採用業務でどのようなことを行い、そこにエンジニアがどのように関わっているのか、どんな課題を抱えているのかを、「採用」と「採用広報」に分けてご紹介します。

採用

採用チャネルとして以下のチャネルを主に利用し、自社媒体以外は媒体毎にKPIを設けて随時切り替えつつ運用しています。

  • 媒体掲載での応募待ち
  • 自社媒体での応募待ち
  • 掲載媒体等でのダイレクトソーシング
  • リファラル採用

エンジニアの関わり方

  • 媒体掲載での応募待ち
  • 自社媒体での応募待ち
    • レジュメチェック
    • 必要に応じて質問事項作成
  • 掲載媒体等でのダイレクトソーシング
    • スカウト送信対象のスクリーニング
      • レジュメ評価ポイントをコメント
    • スカウトメール作成もしくはレビュー
  • リファラル採用
    • 候補者の紹介
  • チャネルに関わらず選考開始後
    • スキルテスト結果レビュー
    • 面接官

このように、どのチャネルにおいても面接以外の業務でエンジニアが関わっており、候補者情報を元にしたスカウトメール作成、高精度なレジュメチェック等を実施することで、スカウトメール返信率の向上と候補者と我々双方のアンマッチを低減しています。

課題

  • エンジニアがアサインできない際に人事側採用担当が実施すると精度が落ちてしまう
  • 開発業務と兼務しているため、採用業務の優先度が下げられてしまう事がある
  • 数に対して担当できるエンジニアが少ない

対策

  • 兼務ではなく採用業務専業のエンジニアポジションを用意する
  • 採用業務専業が難しい場合、毎週月曜日や、日に1時間といった採用業務時間を確保する
  • エンジニア採用業務がエンジニアの業務の一部であることを認識してもらう
    • 会社側も当然業務として認識し評価対象にする

採用広報

以下のような媒体やイベントで、ニュースやインタビュー記事等の掲載、自社イベントでの登壇等を通じて継続した情報発信を行っています。

エンジニアの関わり方

各媒体での情報発信では、Qiitaのみがエンジニアの裁量で運用しており、それ以外は基本的に受け身での関わり方となっています。
meetupに関しては、WanoとTuneCore Japan社での共同運営として、音楽サービスにまつわる様々な情報発信とエンジニア同士の繋がりを目的としてエンジニア主体でこれまでに3回開催してきました。

課題

  • Qiita運営については、外部発信に積極的なメンバーが少ないとなかなか記事数が多くならない
  • QiitaやWantedlyといった業務と個人の境が曖昧なサービスの運営にどこまで巻き込むべきか
  • コロナ環境下でmeetup開催がほぼ1年止まってしまっている

対策

  • 情報を外部発信することに対して会社が評価する
  • 所属するチームをより良いチームにするための採用であることを共有する
  • 個々人の積み重ねが、会社の見え方に繋がることを共有する
  • 誰の発信に対して興味を持つ(無反応だとモチベーションが続かない)

最後に

長々と文章を書いてきましたが、この文章中の課題について我々も全て解決できている訳ではありません。
少しずつやり方を変えながら、採用チームとエンジニアが協力して、より良いチーム作りができるよう試行錯誤の毎日を過ごしています。
とはいえここ2年程ようやく戦略を持った採用にシフトできたことを過去ふりかえりがてらアウトプットしたいと思い、記事にまとめてみました。

この文章を読んで頂いたエンジニア採用に困っている人事担当の方には、エンジニア個々人に興味を持ってもらうことからスタートし、少しずつ協力してもらう領域を増やしてもらいながら、同時に会社に協力してくれたエンジニアを評価するように働きかけてください。

また、エンジニアの方は、採用担当が何に困って、どういう思いでエンジニア採用を行っているのかに興味を持ってもらい、自分のチームをより良くするためにも、エンジニア採用に協力してもらえるととても嬉しいです。
その結果よくある管理キャリアと技術キャリアどちらに進むのか悩む際に、エンジニア採用担当というキャリアも加えてもらい、良いエンジニアチームを作ることに楽しみを感じてくれる、エンジニア出身の採用担当仲間が増えてくれるとさらに嬉しいです。

採用は会社を形作るための入り口で、会社経営とは切り離せないポストです。
HRTech業界が盛り上がっている通り、常に採用の定石が変わり続けているチャレンジしがいのある業務だと思います。
一人でも多くのエンジニアに採用業務への興味を持ってもらえますように。

↓こういう細かい事に多くのエンジニアが協力してくれる関係値作りから。。。ですね

Wanoは積極的にエンジニア採用を行なっています!

まずはオンラインでVPoEとのカジュアル面談から。お好きな入り口からお気軽にお声がけください!
Wano Recruitページ https://group.wano.co.jp/recruit/
QiitaJobs https://jobs.qiita.com/employers/wano-inc/postings/1297
Wantedly https://www.wantedly.com/companies/wano/projects
Findy https://findy-code.io/companies/522

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