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新入社員が入ってきたのでメンターをしました

前回社員が入ってきたときのメンターをやったときのお話をしました。

この方はIT経験がある中途社員の方でしたが、今回新卒入社で新たに社員の方(特に情報系の学部ではなく、IT未経験の方)が入ってきたので、その際のメンターの時の話をしていきます。

中途社員との違い

そもそものビジネススキル自体がない

当然ですが、新卒で入ってきているので、ビジネススキルのようなものは基本的にありません。
新卒の方が苦労していたのは特に「タスク管理」「時間管理」あたりでした。
(今も苦労してるとのことですが、当初に比べてよくできてると思います)

なのでビジネススキル面に関しても、ある程度教える必要があります。
「これくらいできるでしょ」という考えは捨ててください。
今は皆さんできるようになっているかもしれませんが、当然どこかのタイミングで習得したからできるだけです
新卒の場合は入社して初めて学習するケースがほとんどですし、実際思い返すと僕もそうだったと思います。

IT未経験 / 新卒 / 2人目 / 別の人だからこそ気づけたこと

わからないことがわからない

入ったばかりのころ、「わかってないんですが、正直どこのなにがわかっていないのかがわからないです」という話をされていました。

以下の記事はよく質問の有用な記事としてあげられることが多いです。
これはかなり参考になると思います。

ただし、これを新人にやってもらうとなるとかなり時間がかかります。
なので僕は「どこまでわかってるのか」「何を調べたか」を文章にしたり、口頭で説明してもらう機会を増やしました。
こうやってもらうと問題にあたったときのプロセスを見れるようになります。
プロセス自体が誤ってる場合はそこも一緒に直してあげることが良いと思います。

「全部を理解しなくてもいい」と言うこと

当然なのですが、IT経験も社会経験もないと入社のタイミングだとインプット量が膨大になってしまいます。
html, css, mtg, pjt ...etc.一度に全部覚えようとすると頭がパンクしてしまいます。
この言葉を使った内容の説明が入らず、言葉の意味だけを追うようになってしまいます。
基本的に、ある程度現段階を踏むためにのちの研修でやる箇所は「今日はわからなくてものちの〇〇研修であるのでそのタイミングで理解すれば大丈夫」のような形でインプットを分割するようにしました。

可能な限り一緒に見る

上記も含めた内容になっています。
個人的な意見なので、「いやいや...」という方もいるかもしれませんが多目に見てください。

こんな対応みたことがありませんか?

新人:〇〇が発生しました、対処法教えてください。
メンター:××したら直ると思います。
新人:直りました。

これでも別にその場ではいいと思っています。
この場合の新卒は「××でなんで直るのか」「なんで××での対処が有効だと判断したのか」というところが気になってるはずです。
でも、新人からすると事象が解決している以上はそこって後からは聞きにくいですよね。
メンターとしても次に進んでほしいし、「××の対処に至った理由」を文面で書きたくないわけです。
すると、次問題にあたったときも同じ聞かれ方をするんですよね。

新人:□□が発生しました(〇〇に類似した問題)、対処法教えてください。
メンター:△△したら直ると思います。
新人:直りました。

こうすると

新人:よくわからないけど解決する
メンター:なんで〇〇の時と同じような問題なのに自己解決できないの?

という不幸が生まれます。


僕の場合は以下のように対応してました。

新人:〇〇が発生しました、対処法教えてください。
メンター:Google Meetできますか。
新人:お願いします。
--(Google Meet)---
メンター:メモを取ってくださいね
     〇〇なんだけど、◆◆でエラーがでてるから▽▽が原因だと思うんですよね。
     なので××すれば直ると思います。
新人:(実際に画面共有してもらいながらやってみる)
   直りました。
メンター:発生原因とその解決策(とその判断理由)をSlackのスレッドにも書いておいてくださいね。
新人:わかりました。

Google Meetでやったりすると、結構時間がかかったりします。
ですが、こうやって上げるとメンターの考え方が伝わりますよね。

次に問題が発生した時を考えます。

新人:□□が発生。
   (以前〇〇って事象があったなSlack見てみよう)
  この前××で直ったけど、同じ◆◆でエラーが発生してるので▽▽やってみるか。
  ダメだった。相談しよう。
メンター:Google Meetできますか。
新人:お願いします。
--(Google Meet)---
新人:この前××で直ったけど、同じ◆◆でエラーが発生していたので▽▽やってみたのですが、直らなかったです。
メンター:それは◎◎なのでこの前のと違って、△△したら直ると思います。
新人:(実際に画面共有してもらいながらやってみる)
   直りました。
メンター:発生原因とその解決策(とその判断理由)をSlackのスレッドにも書いておいてくださいね。
新人:わかりました。

結果として新人が解決できていない状況は変わっていないし、メンター側もGoogle Meetで対応している分対応時間が長くなってますよね。
でも新人が事象の解決のために自分で考えてアクションを打っている、そして、それを伝えているところが変わっています。
これが繰り返されるとメンターのアクションの打ち方や思考プロセスを学習でき、かつ物事を伝える、聞く力も伸びていきます。

新人:「事象が起きたらどうすればどうやって解決していくのか」理解していく
    いずれは別の問題でも応用ができるようになっていく
メンター:新人からの質問や伝達の精度が上がってくる(つまりわかりやすい良い質問が来るようになる)

なので最初は大変かもしれませんが、最終的にかかるメンターが教育にかけるコストと新人成長度合いは前者よりコスパが良くなると考えています。

やったこと・教えたことを説明をしてもらう

基本的に一つ上の章のような形で一緒に進めていたのですが以下のような場合があります。

新人:〇〇が発生しました、対処法教えてください。
メンター:Google Meetできますか。
新人:お願いします。
--(Google Meet)---
メンター:メモを取ってくださいね
     〇〇なんだけど、◆◆でエラーがでてるから▽▽が原因だと思うんですよね。
新人:(▽▽ってなんだろう...?今は聞けないな)
メンター:なので××すれば直ると思います。
新人:(実際に画面共有してもらいながらやってみる)
   直りました。
メンター:発生原因とその解決策(とその判断理由)をSlackのスレッドにも書いておいてくださいね。
新人:わかりました(実はあんまりよくわかってない)。

当然教える側としては「なんで聞かないの?」となる気持ちになるのはわかります。が当然聞けません。
問題の解消に時間がかかればかかるほど新人は時間を奪っている感覚に陥ります。
なので当然、「もう一時間経ってるし、これ以上時間をとってはいけない」となります。

ですが、この場合の不幸は「実はわかっていない」ことです。

なので、私は何かをやってもらったり、教えたりするタイミングのミーティングの最後に新人側からやったことなどを説明してもらうようにしていました。
※意識はしていたのですが、毎回はできていなかったので毎回やってほしかったとのこと(by 新人)

「実はわかっていない」が説明によってなぜ改善されるのか。

  1. 途中で止めやすくなる(絶対理解しないといけないので)
    自分で説明するので説明に置いて行かれることがありません
    説明は新人が話の流れの主導権を取れるので話に置いて行かれるということがないので良いです。

  2. 分かったつもりでも自分の口で話していくうちに実は理解していなかったことに気付く
    意外と理解していたつもりだったことが、実は説明すると「あれ...」となることが私は今でもあります
    それと一緒で「はい」と理解していたはずのものが、説明を求められると実はわかっていなかったということが多いです。
    説明は新人の理解を再確認し、漏れをなくす(少なくする)ことができるので良いです。

  3. 理解してない点や理解が誤っていた点をすぐ修正してもらえる
    理解が実はできていないまま次のステップに進んでそこで前ステップが理解した前提で話がされてそこで詰んでしまったりします。
    説明は新人がその場での適切な理解ができるのかをメンターとすり合わせができるので良いです。

教え方の柔軟性について

最初よくあったのが、「前回記事記載の中途の社員の方と同じ教え方をしているはずなのに理解してもらえない」ということでした。
「自分自身の教え方がが絶対あっていて、それに適していない新卒が悪いのでは」「中途の方と比べて受け手の理解力がないのではないか」と思ったりもしましたがこれは一切間違ってました。

そもそも中途の社員の方と新人は別人なので、同じ学習方法や同じ教え方があってるとは限らないんですよね。
学校の勉強でもいろんな勉強の仕方をする人がいたと思います。
・単語帳を作るひと
・板書をひたすら写経する人
・マーカーで線を引く人
・...他
それと同じでその人に対してあった教え方をしないといけないのです。
もしできないのであればメンターは「教え方」を学ばなければいけないのかと思います。

受け手は常に真面目に取り組んでいると仮定するのであれば、受け手は正しいことを常に意識しなければいけないと思います。

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