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学習した事のまとめ

Last updated at Posted at 2024-12-08
SwiftUIにおける状態管理プロパティラッパーの一覧

主なプロパティラッパー

プロパティラッパー 主な用途
@State 単純な値(構造体やプリミティブ型)をView内で管理する。
@Binding 親Viewの状態を子Viewに渡し、双方向バインディングを可能にする。
@StateObject Viewでオブジェクトを作成し、そのライフサイクルを管理する。
@ObservedObject 他のViewから渡されたオブジェクトを監視する。
@EnvironmentObject 環境に登録された共有オブジェクトにアクセスする。
@Environment 環境値(システムが提供する値やカスタム環境値)を取得する。

詳細な説明

@State

  • 用途: 小規模な状態管理に使用。
  • 特徴:
    • Viewが再描画されるたびに新しい値で更新される。
    • プリミティブ型や構造体のような簡単なデータに適している。

@Binding

  • 用途: 子Viewに親Viewの状態を渡して双方向バインディングを可能にする。
  • 特徴:
    • 親の状態を直接変更できる。
    • 子Viewに値と変更可能なアクセスを提供。

@StateObject

  • 用途: View内でクラスベースのオブジェクトのライフサイクルを管理。
  • 特徴:
    • 初期化をView内で行い、Viewが破棄されるまでオブジェクトを保持。
    • クラスのインスタンス化に適している。

@ObservedObject

  • 用途: 他のViewから渡されたObservableObjectを監視。
  • 特徴:
    • 親Viewが所有している状態オブジェクトを監視する場合に使う。
    • @StateObjectとは異なり、オブジェクトを所有しない。

@EnvironmentObject

  • 用途: アプリ全体で共有するObservableObjectにアクセス。
  • 特徴:
    • 環境に注入されたデータを自動的に利用可能にする。
    • 主にアプリ全体で使用される共有データに使用。

@Environment

  • 用途: システムやカスタム環境値を取得。
  • 特徴:
    • ダークモードやロケール情報など、システムが提供する値にアクセス。
    • カスタムキーを利用して独自の環境値を定義することも可能。

適切な使い分け

  1. 単純な値 → @State
  2. 子Viewで親Viewの状態を利用・変更 → @Binding
  3. View内で新しいオブジェクトを作成・管理 → @StateObject
  4. 他のViewから渡されたオブジェクトを監視 → @ObservedObject
  5. アプリ全体で共有するデータ → @EnvironmentObject
  6. システム値やカスタム環境値 → @Environment
SwiftにおけるT(ジェネリクス)とAnyの違い

T(ジェネリクス)

Tはジェネリック型の一例で、型をパラメータとして受け取る仕組みを提供します。Tは任意の型を表しますが、型を指定する際に制約を加えることもできます。

特徴

  1. 型の安全性を保証

    • Tを使うと、同じジェネリック型内でデータの型が一貫していることが保証されます。
    • 型チェックはコンパイル時に行われます。
  2. 柔軟な再利用性

    • 同じロジックを異なる型に対して簡単に再利用可能。
  3. 制約を追加可能

    • 必要に応じてプロトコルや特定の型に制約を加えることができる。

// 任意の型に対応する関数
func swapValues<T>(_ a: inout T, _ b: inout T) {
    let temp = a
    a = b
    b = temp
}

var x = 5
var y = 10
swapValues(&x, &y) // 型が安全に扱われる
print(x, y) // 10, 5

型制約の例

func printComparable<T: Comparable>(_ value: T) {
    print("Value is: \(value)")
}

printComparable(42)       // OK (IntはComparable準拠)
printComparable("Hello")  // OK (StringはComparable準拠)
// printComparable([1, 2]) // エラー (ArrayはComparable準拠でない)

Any

AnyはSwiftですべての型(クラス型、構造体型、列挙型、プロトコル型、プリミティブ型)を含むことができる特殊な型を指します。

特徴

  1. 型安全ではない

    • Any型にデータを格納すると、型に関する情報が失われる(型チェックはランタイム時に行われる)。
  2. キャストが必要

    • Any型から元の型を取り出す場合、ダウンキャストが必要。
  3. 制約を加えることはできない

    • Anyには型制約を追加することはできません。

var values: [Any] = []
values.append(42)             // Int
values.append("Hello")        // String
values.append([1, 2, 3])      // Array<Int>

for value in values {
    if let intValue = value as? Int {
        print("Int value: \(intValue)")
    } else if let stringValue = value as? String {
        print("String value: \(stringValue)")
    } else {
        print("Unknown type")
    }
}

違いのまとめ

特徴 T(ジェネリクス) Any
型安全性 高い(コンパイル時にチェックされる) 低い(ランタイムで型チェックが必要)
型制約 可能(特定のプロトコルや型に制約を加えられる) 不可能
用途 型が異なるが共通の処理を安全に実現する 異なる型をひとつのコレクションにまとめる
キャスト 不要(型が安全に扱える) 必要(元の型に戻すためのキャストが必要)
再利用性 高い(制約付きで柔軟) 低い(型制約を指定できない)

どちらを使うべきか?

Tを使う場面

  • 型安全性が重要。
  • ロジックを異なる型に再利用したい場合。
  • 同じ型の要素間での操作が必要な場合。
func findMax<T: Comparable>(_ values: [T]) -> T? {
    return values.max()
}

Anyを使う場面

  • 異なる型を1つのコレクションで扱いたい場合。
  • 型に依存しない処理を行いたい場合。
let mixedValues: [Any] = [42, "Hello", true]

ジェネリクスは型安全なコードを書くための主要なツールで、Anyは柔軟性が必要なときに使いますが、乱用は避けるべきです。

(SwiftData使用時に使う)FetchDescriptorとFetchCreateの違い

FetchDescriptor

FetchDescriptorは、データの取得条件や順序を指定するための設定を持つオブジェクトです。

特徴

  • データ取得条件の設定: フィルタリング、ソート順序などを指定。
  • 複数箇所で再利用可能: 取得条件を定義するだけなので、異なるコンテキストで何度でも使用可能。
  • 柔軟なクエリ構築: 複雑な条件式を構築可能。

基本構造

FetchDescriptor<Entity>(
    predicate: #Predicate { $0.property == value },
    sortBy: [SortDescriptor(\Entity.property, order: .forward)]
)

使用例

let descriptor = FetchDescriptor<SearchedUser>(
    predicate: #Predicate { $0.id == "12345" },
    sortBy: [SortDescriptor(\SearchedUser.name, order: .forward)]
)

let results = try modelContext.fetch(descriptor)

適用例

  • 条件付きクエリを再利用したい場合。
  • ソートやフィルタリングが必要な場合。

FetchRequest

FetchRequestは、SwiftDataにデータを問い合わせるためのリクエストそのものを作成するものです。FetchDescriptorを内部で使うこともあります。

特徴

  • 即時データ取得に特化: 条件を指定して、その場で結果を取得。
  • シンプルな構文: 条件をそのまま書いて渡せる。
  • 柔軟性が少し低い: FetchDescriptorと比較すると、クエリの再利用には向かない。

基本構造

FetchRequest<Entity>(
    filter: #Predicate { $0.property == value }
)

使用例

let request = FetchRequest<SearchedUser>(
    filter: #Predicate { $0.id == "12345" }
)

let results = try modelContext.fetch(request)

適用例

  • 簡単なクエリが必要な場合。
  • データの再利用を意識せず、特定の場面でのみデータを取得する場合。

違いのまとめ

特徴 FetchDescriptor FetchRequest
目的 データ取得条件の定義と再利用 データ取得リクエストの作成
再利用性 高い(設定の再利用が可能) 低い(その場限りのリクエスト向け)
柔軟性 高い(複雑なクエリ、ソート条件を容易に設定可能) 中程度(比較的簡単なクエリ向け)
使いどころ 再利用可能な条件を作成したい場合、複雑なクエリが必要な場合 シンプルなクエリ、即時データ取得を行いたい場合

どちらを使うべきか?

  • 複雑なフィルタリングやソートが必要な場合、または条件の再利用が必要な場合: FetchDescriptorが適しています。
  • 単純なデータ取得で、再利用を考慮しない場合: FetchRequestが適しています。

例: 両者の使い分け

// FetchDescriptorを使用して条件を再利用
let descriptor = FetchDescriptor<SearchedUser>(
    predicate: #Predicate { $0.followersCount > 100 },
    sortBy: [SortDescriptor(\SearchedUser.name, order: .forward)]
)
let results1 = try modelContext.fetch(descriptor)
let results2 = try anotherContext.fetch(descriptor)

// FetchRequestを使用して即時取得
let request = FetchRequest<SearchedUser>(
    filter: #Predicate { $0.followersCount > 100 }
)
let results3 = try modelContext.fetch(request)

補足: FetchDescriptorとFetchRequestは共存可能

FetchRequestの中でFetchDescriptorを指定することもできるため、両方を組み合わせて使用することが可能です。例えば:

let descriptor = FetchDescriptor<SearchedUser>(
    predicate: #Predicate { $0.followersCount > 100 }
)
let request = FetchRequest(descriptor: descriptor)
let results = try modelContext.fetch(request)

どちらを選ぶかはプロジェクトのニーズに応じて決定してください!

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