Unity 用語の語源を調べてみた
どうも、語源を調べるのが趣味のせぎゅと申します!
本業では Unity エンジニアをやっているのですが、Unity 独特の用語がいくつかあります。
今回はそういった用語の語源を調べてみました!
素人が趣味で調べたものになります。厳密な考証は行っておりません。内容には諸説あります。ご了承の上、お読みください。
Unity
unity は英単語でして、 単一性
や 団結力
のような意味があります。
たとえば、 team's unity
と言ったら、 チームの団結力
といった意味になります。
語源を辿るとこんな感じです!
つまり、 uni
の部分が数字の1を意味するんですね!
同じ uni
がつく言葉に union
(ユニオン) があります。
これは 連合
や 組合
といった意味です。
たとえば有名どころだと、 欧州連合
が英語では European Union
ですね!
印欧祖語とは?
図の中にいきなり 印欧祖語
というものが登場しましたが、知らない人のために解説します!
インドからヨーロッパにかけた地域の言語は、共通の祖先にあたる言語を持っていると考えられていて、それを 印欧祖語
と呼びます!
そこから派生した言語を 印欧語族
と呼びます。
Inspector
Unity をはじめて触った人が、最初に遭遇する謎単語がこの inspector
ではないでしょうか?
「Hierarchy ウィンドウの GameObject をクリックすると、Inspector ウィンドウに GameObject の情報が表示されます。」
みたいな解説をよく見かけますが、「そもそも Inspector ってなんやねん!」って叫んだ人も多いことでしょう。
inspector は英単語でして、辞書的には 検察官
という意味になります。
検察官と言われてもピンと来ないですが、単語を分解すると、ニュアンスがわかってきます。
ここから解釈すると、 中を見る人 という意味になりそうです。
つまり、 GameObject の中身を見せてくれるのが、Inspector ウィンドウ ということですね!
Prefab
Unity における Prefab とは、GameObject をアセット化したファイルを指します。
日本語でプレハブというと、 プレハブ小屋
や プレハブ住宅
という言葉が思いつきまして、なんとなく建築業界の用語な気がします。
意味を調べてみたところ、なんと prefab
は、 prefabricate
の略 であることがわかりました!
(私は調べるまで知りませんでした)
語源を遡ると、結構深くまで掘れて興味深いです!
つまり、 プレハブとは、職人が前もって作ったもの というイメージになります!
Texture
CG 界隈で texture
というと、サーフェスに貼る画像データを指すのが一般的です。
texture は、英単語でして、 質感
や 手触り
のような意味があります。
グルメ番組で、「滑らかなテクスチャーのワイン」みたいな表現を聞くことがありますが、これは 食感
を指しています。
さらに語源を辿ると、こんな感じでした。
もともとは、織物の作り方を指す言葉が、織物の手触りを指すようになり、いつしか織物以外の質感にも使われるようになった という歴史がありそうです。
こうやって徐々に言葉の意味が変化していくのを辿るの大好きです。
ちなみに、文章を意味する text
も、織物由来であることがわかりました。
文字を織物に織り込むことから、文章を意味するようになったようです。
Material
CG 界隈で material
というと、サーフェスの見た目を調整するためのパラメーターの集合体のようなイメージがあります。
まず material
は、 原料
という意味の英単語です。
たとえば、木の Material と石の Material を組み合わせて、家の GameObject をつくる。みたいなイメージですね!
material
の形容詞としての意味に、 物質でできた
があります。これを遡ります。
なんと、material は mother と同じ語源であることがわかりました!
つまり、 母なる Material から GameObject は生まれているのです!
Shader
Unity では、 GPU 上で実行されるプログラム のことを Shader
と呼びます。
ただ、 Shader
の語源である Shade
は、 陰
という意味であり、 GPU
とのつながりがよくわかりません。
実は CG 界隈では、 陰影処理
のことを Shading
と呼んでいて、そのプログラムを Shader
と呼んでいます。
陰影処理は GPU 上で実行されるのが一般的ですが、そこからいつしか、陰影処理以外のプログラムも Shader と呼ぶようになったようです。
また、CG 用語の Shading
も、絵画から影響を受けているようです!
shade
はラテン語ではなくゲルマン祖語の系譜でした!
古代のゲルマン人が 陰
という概念を持っていたということですね。興味深いです!
Rigidbody
Unity の Rigidbody
は、「重力を有効にする機能!」と覚えてる人も多そうです。(というか私がそうです)
もう少し詳しい人だと「物理演算を有効にする機能!」という認識の人もいるかもしれません。
これらは間違っていませんが、Rigidbody という言葉の本質をとらえてはいません!
rigid body
とは、 剛体
という意味の英単語です。
剛体というのは、変形しない物体のことですね!
大学の理系の学部だと、1 年生の頃に剛体の力学を学んだりします。
つまり Rigidbody とは、 剛体の力学をコンピューター上でシミュレーションする機能 なんですね!
ここで、 rigid
に注目します。 rigid は、 硬い
という意味の英単語です。
つまり、 rigid body は、硬い体だから変形しないよー というイメージですね。
Collider
Unity における Collider
は、CG 用語でいう 当たり判定
に相当する概念です。
英語では 衝突装置
という意味があるそうです。
つまり、 共に打つ
から 衝突する
んですね!
さいごに
他にも気になる単語はいっぱいありますが、今回はここまでにします!
本記事作成にあたり、以下のサイトを活用させていただきました。ありがとうございました!