Artisan::queue()でキューを指定可能にする

Artisan::queueのキュー指定について

Laravelのジョブは以下のようにキューを指定可能ですが、

emailsキューに登録

Job::dispatch()->onQueue('emails');

Artisan::queue() ではキューの指定がなく、必ず default キューに入るようになっています。
実装を見てみると、Artisan::queue() の実体は Illuminate\Foundation\Console\Kernel::queue() で、 Illuminate\Contracts\Queue インタフェースを実装したクラスの push メソッドを実行しています。

Illuminate\Foundation\Console\Kernel

    public function queue($command, array $parameters = [])
    {
        $this->app['Illuminate\Contracts\Queue\Queue']->push(
            'Illuminate\Foundation\Console\QueuedJob', func_get_args()
        );
    }

接続を database にしている場合は、下記の実装になっています。
第3引数の $queue がデフォルトnullになっていますね。

Illuminate\Queue\DatabaseQueue

    public function push($job, $data = '', $queue = null)
    {
        return $this->pushToDatabase(0, $queue, $this->createPayload($job, $data));
    }

さらに中身を見ていくと、 $queue を指定しなかった場合は以下のメソッドで default キューに登録していました。

Illuminate\Queue\DatabaseQueue

    protected function getQueue($queue)
    {
        return $queue ?: $this->default;
    }

ということで、やはり Artisan::queue() では必ず default キューに入るようになっています。
Artisan::queue() の場合もキューを指定可能にしたい。

対応方法

App\Console\Kernel に queue メソッドを追加して、オーバーライドします。
（第3引数に $queue を追加しています）

App\Console\Kernel

    public function queue($command, array $parameters = [], $queue = null)
    {
        $this->app['Illuminate\Contracts\Queue\Queue']->push(
            'Illuminate\Foundation\Console\QueuedJob', [$command, $parameters], $queue
        );
    }

これでキューを指定可能になりました。

キューワーカ

キューワーカ起動時に --queue オプションでキューを指定します。

php artisan queue:work --queue=queue_1

複数キューがある場合は、ワーカも複数起動します。

php artisan queue:work --queue=queue_2