「神エクセル」、ネットではやたら騒がれてる問題ですよね。
せやけど、東証プライム上場企業含め数十の企業の現場で仕事してきた筆者ですが、いずれのほとんどの現場でも
「Excelは、昔から普通に仕様書のプラットフォームとして使われてたよ!」
という事実はあらかじめ申し上げたうえで、改めて思うところを。
1. 「神エクセル」と「Excel方眼紙」の違い
個人的に強く思ってんのは、標記の二者を混同してるんちゃうかと。
もちろん、筆者もお役所主導のいわゆる「Excel方眼紙」的なワークシートに悩まされた時期はありましたよ、ええ!
1990年代後半ごろから、デジタル機器がまったくなかった職場にPCが普及するなか、各端末で数少ない、共通で使えるアプリであったExcelで、印刷に合わせるためにレイアウトを整えたドキュメントを作るのはもう必然の流れでした。
そんな中、お役所仕事でハンコを押す欄、文字を一文字ずつ記入する欄etc.の関係で誕生したんが「Excel方眼紙」になるんですが、個人的にはこれが最も撲滅すべき対象やと感じております。
(【参照】なぜ「ネ申エクセル」は生まれたのか 誕生を目撃した元市役所職員が語る“美しさ”の追求 より)
ただ、それ以外の「神エクセル」って、そんなに悪ですか?
図表、グラフ、文章・・・と、一つのファイルにまとめて参照できるって、要件定義含めた各種仕様書としては究極の理想やと思うんですが?
加えて、レイアウト設計さえしっかりしてれば、VBAで扱うにも印刷で扱うにも何の問題もないんですが?
2. 知らないものは知らない
この辺の論争になるときに、必ず取り上げられるのが
「お役所は、何でこんな状態を放置してるんや!」
という議論。
いやでもね、お役所みたいにすごく閉鎖した世界の中で「何でこんなこと分からんねん!」っていきなりインネンつけられても、そりゃ困るでしょ?
例えば、あなたが明日から自衛隊の最新鋭潜水艦の操縦をやれ!と言われて、それができなくて、
「お前はそんなことも知らんのか!」
って怒られるって・・・こりゃ立派なパワハラですよね?
頭の片隅にも前提知識やネタやアイデアがない人に対して何かをさせようとする場合、前提なりヒントなりインスパイアのネタを与えるんが、私らIT技術者の仕事かなと思ってて。
具体的に、Excelからデータをうまく取り込んで効率よく業務改善した例だとかを紹介して、現状を打破する提案をすべきで。
それをやんのが"SIer"の仕事でしょ?
またとないビジネスチャンスですやん!
あれこれ批判する前に、自ら提案書作って提出しましょ!