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micro:bitAdvent Calendar 2024

Day 8

micro:bitでラジコンを作った記録

Last updated at Posted at 2024-12-11

ねえパパ、ラジコンつくりたい。

数年前のクリスマス少し前、息子(当時小1)のこの言葉から、すべては始まった。その後、いろいろ調査し、まわり道し、試行錯誤しながら、息子のラジコン作りたい熱が下がっていくのに反比例して、私の電子工作おもしろそうだな熱が上がっていった。

この物語は、まわり道し、試行錯誤した結果、ついになんとか、ラジコンを作ることができたので、その結果を紹介するものである。私と同じように、子供からラジコンを作りたい、と言われ、困っている人の参考になれば、幸いです。

どうやって作るのか?

あの有名なレゴブロックのシリーズで「レゴテクニック」というのがあるらしい。ブロックだけでなく、歯車や軸などのパーツを組み合わせて、色々なからくり仕掛けの作品を作ることができるらしい。そこにマイコンや電動モーターを取り付ければ、ラジコンが作れそうだ。

モーターについて

モーターには「回転モーター」と「角度モーター」の二種類がある。

  1. 回転モーター
    一方向に回り続けるモーターのこと。逆回転も可能。回転する速度も調節できる。

  2. 角度モーター
    軸を回転し特定の角度に固定することができる。

電子工作で利用される代表的なモーターとしては、「SG90」シリーズ
があるが、これはレゴブロックと連携させることが難しい。レゴブロックと連携させることができるモーターとしては

  • M5STACKのServo Kit 180°/360°
  • KittenBotのGeekServoシリーズ
    などがある。両者の違いとして、M5STACKは軸の形状がSG90と同様の歯車型であるのに対して、GeekServoはレゴテクニックの十字軸であり、連携がしやすい。今回は「GeekServoシリーズ」を使用する。

マイコンについて

これらのモーターを制御するには、マイコンが必要です。マイコンには「Arduino」「ESP32」などありますが、今回は「micro:bit」を使用する。その理由としては

  • LEDやボタンがついており、ラジコン以外にも遊べそう
  • ビジュアルプログラミングに対応しており、子供でもプログラミングできる
  • もう、持っていた(これが一番大きな理由)

レゴテクニックの入手方法

調べても正確な情報がよくわからず、これが正しいかわかりませんが。

当初は、レゴ社からパーツの詰め合わせセットなるものが販売されているのだろう、と思っていたのですが、そうではなく、レゴ社から自動車やバイクなどを作るセットが販売されており、これを購入してパーツを流用するようです。結構高いです。

パーツのばら売りをしているショップがあるようです。

パーツの詰め合わせセットを購入したい場合は、互換品を購入するしかないようです。アマゾンやメルカリで検索したら山ほどでてきます。

私は、まずレゴテクニックの自動車セットを購入しました。これでラジコン作れる、と思ったら、全然パーツが足らなかった。結局、互換品のパーツ詰め合わせセットを購入しました。

作り方

前輪

長い「リフトアーム」という部品に、「ペグ」を差し込んで、長方形の枠を作ります。

image.png

リフトアームの四隅に、ペグを差し込んで、接続します。

image.png

差し込みます。

image.png

ペグには、硬いペグとゆるいペグがあり、今回は「ゆるいペグ」を使います。ゆるいペグを使うと、このように台形に歪ませることができます。

image.png

次にタイヤを取り付けます。これら3個のパーツを使います。

image.png

こんなふうにします。

image.png

十字型の長い棒は「軸」と呼ばれ、タイヤにも同じく十字型の穴があいています。タイヤを取り付けましょう。

image.png

これで、基本的な前輪のパーツができました。

image.png

次に、前輪を左右にハンドルを切る仕組みが必要です。
溝が付いた「ギヤラック」と呼ばれる部品を使います。

image.png

ギヤラックを前輪パーツの手前側に、こんなふうにとめます。歯車でこの溝を動かすことで、左右にハンドルを切ることができます。

image.png

次に、前輪パーツを車体に取り付ける準備をします。写真の右にある部品を取り付けます。

image.png

これで前輪パーツの出来上がりです。ギヤラックの溝を角度モーターに取り付けた歯車が回転することで、車輪が右に向いたり、左に向いたいりする仕組みです。

image.png

角度モーターに歯車(歯数24のもの)を取り付けます。

image.png

歯車がギヤラックの溝にハマるように取り付けます。その際、以下の写真のように、二段階高さを調節して取り付ける必要があります。

image.png

実際に歯車が動作するところはこちらです。

241211_142839_sh.gif

後輪

後輪の完成形は次のようなものです。作り方を順をおって説明します。
image.png

特殊な部品である「ディファレンシャルギア」(通称、デフ)を使用します。
ディファレンシャルギアについての詳しい説明は省きます(できない)が、これがあるとカーブをスムーズに曲がることができる部品です。

image.png

それではディファレンシャルギアを組み立てます。まずディファレンシャルギア内部に、小さい歯車を3つ取り付けます。

image.png

これらの部品を準備して。

image.png

このように左右からタイヤを取り付けます。

image.png

次にこういう部品を準備して

image.png

このようにとりつけます。

image.png

これで後輪パーツは完成です。後輪パーツは、下側にある小さい歯車を回転モーターで回します。この歯車が回ると、左右のタイヤがまわる仕組みです。左右のタイヤはそれぞれ、違う回転数で回ることができます。カーブなどでは、左右のタイヤはそれぞれ、違う回転数で回る必要がありますから、カーブをスムーズに走行することができます。それがディファレンシャルギアの役割りです。

241206_140100_sh.gif

で、その小さい歯車を回すためには、モーターと大きな歯車(歯数40のもの)を使います。ただし、つなげるにはひと工夫が必要です。

image.png

下の写真の通り、上に1.5段(赤色の枠1段と、黒のリフトアーム0.5段)上空から、つなぎます。

image.png

もう1つ赤枠を準備して、それを後輪パーツに2段重ねします。

image.png

image.png

そこに0.5段の高さのリフトアームをつけたモーターをとりつけて、完成です。

image.png

image.png

実際に動作するところはこちらです。

241211_143024_sh.gif

前輪と後輪をつなげる(車体をつくる)

前輪と後輪パーツをつないで、大きな車体を作ります。長いリフトアームをつないで作りました。ここには後でmicro:bitとモーターなどが載りますので、少し大きめにする必要があります。
ここはそれぞれ、個性を出せる場所だと思います。あくまで一例として参考にしてください。

image.png

またこの時、前輪パーツの歯車とギヤラック(溝のあるパーツ)がうまくハマるように、高さを調節して、角度モーターを取り付けます。

image.png

micro:bitを乗せる

モーターを制御するためにmicro:bitを使います。しかし現状では、以下の問題があります。

  1. micro:bitとレゴブロックを連結して組み合わせることができません
  2. micro:bitとモーターを動作させるための電源が必要です
  3. micro:bitとモーターを接続することができません
    これらの問題をまるっと解決するために、Yahboom社のSuper:bit Expansion Boardを利用します。super:bitとは以下のようなものです。

image.png

super:bitについては、サヌキテックネットさんの記事がとても詳しいです。ぜひリンク先を参照してください。

ここで大事なことは、super:bitを使うと、上記の問題をすべて解決できるということです。

  • レゴブロックと接続するための穴がある(ペグがささります)
  • リチウムイオン電池(18650)を搭載可能。USBケーブルより充電可能
  • サーボモーターと接続するためのコネクタがある

このように、super:bitは、micro:bitとレゴブロックを連携させて作品を作る際には、とても便利です。

super:bitを取り付けられるよう、車体にリフトアームを取り付けます。

image.png

super:bitを、車体に載せます。

image.png

サーボモーターのコネクタをsuper:bitにつなぎます。
角度モーター(前輪)はS1に、回転モーター(後輪)はS2につなぎました。

image.png

これで、ラジコン本体は完成です!
さあ、早速ラジコンを操作してみましょう・・・。あれ?何かが足りません。
そう、コントローラーです。コントローラーがない。micro:bitにはまだ何もプログラムを書き込んでもない。

今回はここまでです。次回、「ラジコンは作った。コントローラーはどうする?」の回をお楽しみに!

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