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ゲームの面白さとは ゲームの面白さの核心

Last updated at Posted at 2024-03-10

20240503再編集版を追加

はじめに

本記事の範囲はゲームの面白さとはなにかという視点で書いている。これを読めばゲームとエンタメの違い、ゲームの面白さを理解できる。
またこのフレームワークを使ってゲームを面白くするにはどんな要素を足して、あるいは減らしていくのかわかるようになる。

エンタメとは

映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽、小説といった視覚的、聴覚的、または読解的な手段を通じて、人々の感情を動かすもの

良いエンタメとは

いかに人の感情を動かすことができるか、よい感情、感動や爽快感だけでなく悪い感情、不快感、怒りも含み。
感情のふり幅や感情のジェットコースターに乗せることができるほど良いエンタメになる。

ゲームとその他のエンターテインメントの違い

エンタメ:一方向のインタラクション、視聴者やプレイヤーは作品を受け取る側となります。
ゲーム:双方向のインタラクション、プレイヤーのアクションに対し、なにかしらの反応がかえってくる。そしてその反応に対して、プレイヤーのさらなる行動が行われること。単純に言うといかにボタンを押し、反応が返り、また押すこと。

面白いゲームとは

双方向のインタラクションをどれだけ継続させられるか。
本記事では絵とかストーリーはエンタメにおける面白さとして扱うので対象外。

継続する動機は一方向と双方子がある

一方向:作品を受け取ることで感情が揺れ動く、単純に言うとみるだけで楽しい気持ちになれるか。
双方向:アクションをすることで感情が揺れ動く、単純に言うといかにボタンを押させるがゲームの本質

エンタメはゲームを含んでいるため、
継続させるためにはビジュアル、音楽、ストーリーなどで継続させることができるが、
今回のテーマとしては面白いゲームとはなので、双方向の面白さについて説明する。
一方向と、双方向の分類の違いを理解することでよりゲームの本質を理解することができる。

ゲームは選択の連続

ゲームプレイは選択の連続によって構成されます。
選択するには目的が必要です、目的がないとどの選択が目的に近づけるのかがわからない。
目的は「人間の根本的な欲求と動機」がもとになる。これは一方向のインタラクションと共通している部分。詳細は別章(基層:人間の根本的な欲求と動機)を参照。
目的があればルール(制限)を使って選択肢を増やすことができる。

選択肢はゲーム性と戦略を作り、それが一般性を決める
ゲーム性とは桜井政博さんが作った言葉です。

ゲーム性(リスクとリターン)

どれだけのリスクをとってリターンを得るのかを選択できる。

戦略

リスクを減らし、リターンを得る工夫。プレイヤーは作戦を考え、成功すれば喜びを、失敗すれば学び得ます。

リスクとリターンでまとめると次の一覧となる
1、リスクを冒して、リターンを減らす、これはプレイヤーが避けたい行動。
2、リスクを冒して大きなリターンをえる、ゲーム性、緊張と緩和を与える。
3、リスクを減らしてリターンを得る工夫をする、戦略、攻略、裏技
4、リスクを減らしてリターンも少なくする、先送り、運を読む

選択肢が増えることで、一般性がさがる。

一般性とはゲームの難易度、遊びやすさ、カジュアル度というもので、
一般性がさがるほどゲームが複雑になり、簡単に遊ぶことができなくなり難易度上がり、ゲームが奥深くなる。

すこし話を整理する。

目的があることで選択肢が生まれる。プレイヤーは選択肢を選ぶことで
目的に近づくというリターンを得たいと思っている。
このリターンの量が、適切である必要がある。
だが、これが人によって違う。

例えば目的がゴールするというゲームがあるとして、
アクションを苦手な人が崖を飛び越えることを何度も挑戦をして、成功したとき、大きなリターンがないと
継続する動機にはならない。苦労した分見合った報酬がほしい。
逆にアクションが得意な人であれば簡単に崖を飛び越えることできるので、大きなリターンがリスクなくもらえるので
すぐに飽きてしまう。簡単にゴールしてクリアしてしまうから。

適切な難易度設定がフロー状態へと導かれる。
フロー状態では、プレイヤーはゲームに没入し、継続させることができる。
いかにしてフロー状態をつくかがゲームの面白さに繋がる。

ここまでまとめる

ゲームには目的があり、それが選択肢を生む
選択肢はゲーム性(リスクとリターン)、戦略となり
ゲーム性と戦略がプレイヤーに調整されるとフロー状態を作り。
ゲームの継続、面白いゲームとなる。

次からは目的、選択肢、フロー状態を細部に説明していく。
この3つは目的からピラミッドのような構造となっている。
目的が選択肢を作り、選択肢がフロー状態をつくる。

ゲームの継続的な面白さのピラミッド

基層(目的):人間の根本的な欲求と動機

そもそも人間は生きることを目的としているので生存に必要な
ことをやりたい、楽しいと感じるように作られている。
まずなにが楽しいと感じるのかを整理する。

知識欲

新しいことを学ぶことで、人間は環境の変化に適応し、生存と発展のための新たな方法を見つけ出すことができます。知識の探求は、未知の脅威から自己を守り、資源を効率的に活用するための基盤となります。

収集欲

収集する行為は、必要な資源を確保し、不確実な未来に備える基本的な生存戦略です。食料、水、避難所などの資源を確保することは、長期的な生存に直結します。

創作欲

創造することにより、人間は新しいツールや解決策を開発し、生活を改善します。この欲求は、より効率的な生存手段を模索する過程で刺激されます。

競争欲

競争は、限られた資源を確保し、自身の遺伝子を次世代に伝えるための手段です。他者との競争を通じて、個体は適応性と生存能力を高めます。

共感欲

社会的なつながりは、群れとしての生存に不可欠です。共感を通じて形成される信頼と協力は、個体だけでは難しい課題に対処する基盤を提供します。

安全欲

安全は生存の前提条件です。心理的、物理的な安全感は、危険から身を守り、安定した環境での成長を可能にします。

この欲求をゲームの目的に置き換えることでプレイヤーがゲームに引き寄せられる根源的な理由を形成します。

ゲームにおける欲

知識欲

新しい体験やスキルの習得、進歩。好奇心、非日常の体験。模倣。

収集欲

アイテムや情報を集める。

創作欲

創作活動、アイテム合成、スキルの組み合わせ。

競争欲

対戦、勝利。戦闘。

共感欲

他者との深い感情的繋がり。帰属意識。

安全欲

心理的、物理的な安全感。生産の安定。平和な世界

これは一例です。いくらでも分類はできると思いますが、
このような生きるために必要な欲がゲームの目的としてつながっています。
またこの欲はエンタメの一方向とも関わっています。
魅力的なアイテム、音、世界、ストーリーはこの基層が包括しています。

中層(選択肢):ゲーム体験の深化

この層では、基層の欲求を満たしつつ、ゲーム体験をより深く、より充実したものにします。

ルール

ルールはゲームプレイに制限を設けることで、選択肢を増やします。
逆に目的から選択肢を増やすためにルールを設定します。
ルールは単なる制約ではなく、選択肢を増やします。

選択の多様性

プレイヤーが取り得る行動の幅を示します。選択の自由度を通じてプレイヤーに様々な体験を提供します。
選択肢ただ増やせばいいのでなくプレイヤーがとりたいと思う選択肢を増やす必要があります。
選択肢の多さはジレンマを生み、とりたい選択肢が増えるほどゲームの継続に繋がります。
ただ、選択肢が増えると一般性がさがります。

プレイヤーがとりたい選択肢とは目的があり、その目的に対して
ゲーム性や戦略や運を天秤にかけることができるものです。
プレイヤーの目的に沿った意味のある選択肢を提供することで、ゲーム面白さに繋がります。

ゲーム性と戦略

ゲーム性

ゲーム性の概要ついては説明済み、前章を参照
プレイヤーがリターン得るためにどれだけのリスクをかけるかを
コントロールできるようにする。
リスクをかけた分だけリターンが返って来るようにする。

戦略

戦略を作るためには次のような情報をプレイヤーに与える必要がある。

  • 自己の状態とゲーム環境、ルールの正確な理解
  • 目指す目的
  • 実施した結果のフィードバック。何がだめで、何がよかったのか

だめだった部分はプレイヤーがコントロールできる部分であること。
いきなり魔王が遅い掛かってきたら理不尽にしか感じない。

戦略の深さとは

どれだけの有効な手段があるか、その数の多さ。選びたい手段がたくさんある。

偶然性と射幸心

運 

運の要素は予測不可能性をもたらし、緊張感とサプライズをゲームに加え、プレイの結果に新たな変動を提供します。ランダム性はあきることを先のばしにします。

射幸心 

射幸心は脳の報酬系の機能で、利益が出た時ではなくでそうなときに大量に放出されることを利用し、継続性を高める仕掛けです。
例えばボタンを押すとリンゴが出てくる機械があるとして、ボタンを押したときにリンゴが出てくるのをランダムにすると、
りんごが出てきたときじゃなく、ボタンを押すとき、リンゴが出てくるか出てこないかわからないときに脳の報酬系が一番
刺激されます。
これは人間が生きるための報酬を先送りにするという仕組みです。
お米の例にすると、おなかがすいたからと言ってお米の種もみまですぐに食べてしまうと生きていけない。
お米が育つことを食べることよりも快感に感じることにより、種を埋め、収穫し、食料を増やして生きていけるのです。
これをゲームに応用し継続させる。

緊張と緩和

選択肢と運にはその結果から、成功と失敗を生みます。
成功するかしないかが、わからないときは緊張感を生み、結果が出ることで緩和されます。
このバランスがプレイヤーの感情を動かす幅になる。
感情が動けばそれが継続する動機になる。

頂層(フロー状態):フロー状態の実現

フロー状態は、プレイヤーがゲームの挑戦と自身のスキルが完璧に一致することで、全ての注意がゲームに集中し、時間の感覚が失われる心理的な状態です。この状態を達成するためには、以下の条件が必要とされます。

  • 明確な目標 :プレイヤーは、ゲーム内で達成すべき具体的な目標を持っている必要があります。これにより、プレイヤーの活動に方向性と意味が与えられます
  • 主体的なコントロール :プレイヤーが意図したとおりにゲームへ影響を与えることができる。理解できない操作方法。適切でないUI。プレイヤーがコントロールできない要素は主体的なコントロールとはいえない
  • 適切な難易度 :ゲームの難易度は、プレイヤーの現在のスキルレベルに合わせて調整される必要があります。過度に簡単すぎると退屈を感じ、過度に難しいとフラストレーションが生じます
  • 即時のフィードバック :行動の結果がわかる。(改善点がわかる、なぜ失敗したかがわかる)
  • 適切なリターン:次につながる動機となる

簡単にまとめると
目標には壁があり、その壁はプレイヤーにとってちょうどいい高さであり、ジャンプすれば超えられることを理解し、ジャンプはBボタンで出来ると知っていて、ジャンプしたあと成功すれば予想通りのリターンがもらえ、失敗すればなにが悪かったのかすぐ理解できる。
このような状況が続くとフロー状態になる。

特に壁の高さを適切にすることが重要。

これらが満たされることでフロー状態になりゲームを面白く感じる。

まとめ

筆者がゲーム作るうえでゲームの面白さとはどういうものかをまとめた。ゲームの面白さについては様々な意見があると思うがこの記事はかなり包括的で、確信をついた内容だと思っている。
ゲーム作りに生かすもよし、面白いゲームを理解するために使うもよし、この記事がまだみぬ面白いゲーム作りの参考になるとうれしいです。

発展 フレームワークを使用しテトリスの面白さを説明する。

ここからは生成AIが作った。

基層(目的)
テトリスはシンプルながらも深い目的を提供します。プレイヤーの主な目的は、異なる形状のブロックをうまく配置し、横一列にブロックを並べて消去することです。このプロセスは、収集欲(ブロックを集めて整理する)、競争欲(スコアやレベルで自己や他者と競争する)、そして知識欲(ゲームを進める中で最適なブロック配置を学ぶ)を刺激します。

中層(選択肢)
テトリスは選択の多様性という点で優れています。プレイヤーはブロックの回転や配置場所を選ぶことにより、ゲームの進行に直接影響を与えます。これは双方向のインタラクションの一例で、プレイヤーのアクションがゲームの結果に直結することを意味します。また、ゲーム性と戦略のバランスも重要で、どのブロックをどの位置に配置するかという選択は、リスクとリターンを常に考慮する必要があります。

頂層(フロー状態)
テトリスはフロー状態を達成するのに理想的なゲームです。プレイヤーは明確な目標(ブロックを消去し、高スコアを目指す)を持ち、適切な難易度(ゲームが進むにつれて速度が上がる)と即時のフィードバック(ブロックが消去される音やスコアの上昇)が提供されます。これらの要素はプレイヤーをゲームに没入させ、時間を忘れさせるフロー状態を促進します。

まとめ
テトリスの面白さは、プレイヤーの基本的な欲求を刺激し、連続する選択を通じてゲーム性と戦略的な深みを提供し、フロー状態を実現することでエンターテインメントとしての価値を高めることにあります。シンプルながらも奥深いゲームプレイは、世代を超えて多くの人々に愛される理由となっています。

まるばつゲーム(3つマークをならべたほうが勝ち)を面白くするには

まるばつゲーム(別名: ティックタックトゥ)は、そのシンプルさから世界中で広く知られています。しかし、その単純さは同時に戦略の範囲を限定してしまい、経験豊富なプレイヤーにとっては予測可能で退屈になりがちです。ここでは、上記のフレームワークを用いて、まるばつゲームをより面白くするための提案を行います。

基層(目的)
まるばつゲームの基本的な目的は、3つのマークを一直線に並べることです。この目的をより面白くするためには、以下のような新たな目的や変種を考案することが有効です。

複数の勝利条件: 例えば、3つ並べるだけでなく、特定の形(例: L字型、四角)を作ることでも勝利できる条件を追加します。
ポイント制: マークを並べるごとにポイントが得られ、一定のポイントを先に獲得したプレイヤーが勝者となるようにします。
中層(選択肢)
選択肢の増加は、ゲーム体験を豊かにする基本的な手法です。まるばつゲームにおいては、以下の方法で選択肢を増やすことが考えられます。

ボードの拡大: 通常の3x3のボードよりも大きなサイズを用いることで、戦略的な深みを増します。
特殊ブロックの導入: 例えば、一度に2つのマスを占めることができるブロックや、相手のマークを上書きできるブロックなど、特殊な効果を持つブロックを導入します。
頂層(フロー状態)
フロー状態を達成するためには、ゲームの提供する挑戦がプレイヤーのスキルレベルと一致している必要があります。まるばつゲームにおいては、以下の方法で適切な難易度とフィードバックを提供できます。

適応型AI: プレイヤーのスキルレベルに合わせてAIの難易度が調整されることで、常に挑戦的である一方で到達不可能ではないゲームプレイを提供します。
学習要素の導入: プレイヤーが新しい戦略を試し、それに基づいて即時のフィードバック(勝利、敗北、スコア)を受け取ることができるシステムを設けます。

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