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python3.12 のLambda Layerの作成方法

Last updated at Posted at 2024-03-01

初めに

Lambda のPython 3.12 対応につき、Layer の作成方法を調査したので備忘録的に残します
基本的にはpython3.11 の時と変わらないと思いました

  • .zip形式での作成 とします
  • コンテナでの作成方法は対象外

ポイント

  • Python3.12 はAmazon Linux 2023で動く
  • Windows環境でのLayer 作成は困難なので、Windows環境しかない人はどうにかLinux環境を構築する

作業の大まかな流れ

大まかな流れは以下の通りです:

  • Lambda実行環境の確認
  • (Linux 環境を入手)
  • Python3.12 と必要なパッケージのインストール
  • 目的の pip のパッケージをディレクトリににインストール
  • レイヤーの作成

Linux 環境が無い場合は Cloud9 が手っ取り早いです

python3.11 の時はローカルのUbuntuで作成したLayerも問題なく動作しました(OSが違うにも拘らず)が、python3.12はまだ試せていません

補足
Amazon Linux 2023 は Fedoraベース
Amazon Linux2 は CentOSベース

Lambda実行環境の確認

公式が環境情報を公開していますが、念のため Lambda の実行環境を確認します

確認方法

適当なLambda関数を作成して確認します

import botocore
import boto3
import sys

def lambda_handler(event, context):
    print(sys.version)			# pythonのバージョン
    print(boto3.__version__)
    print(botocore.__version__)

2024.3.1の確認結果:

Lambda Runtime Python AMI botocore boto3
Python3.12 Python 3.12.1 Amazon Linux 2023 1.31.72 1.28.72
Python3.11 Python 3.11.6 Amazon Linux 2 1.30.1 1.27.1

pythonのインストール

ここからはLayer を作成するLinux マシンで作業します
python のインストールは pyenv を使うと楽なようです

# pyenvをインストール
sudo git clone https://github.com/pyenv/pyenv.git /usr/bin/.pyenv

# 必要なディレクトリを作成(補足:情報元不明なため、理由が分かりませんが)
sudo mkdir /usr/bin/.pyenv/shims
sudo mkdir /usr/bin/.pyenv/versions

# 所有者の変更
sudo chown -R myuser:myuser /usr/bin/.pyenv/		# 分からなければwhoamiで確認
sudo chown -R ec2-user:ec2-user /usr/bin/.pyenv/	# ec2/cloud9 の場合

# PATH 関連の作業
echo 'export PYENV_ROOT="/usr/bin/.pyenv"' >> ~/.bash_profile
echo 'export PATH="${PYENV_ROOT}/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile
echo 'eval "$(pyenv init --path)"' >> ~/.bash_profile

# .bash_profile を一度実行しておく
source ~/.bash_profile

バージョンを指定してpythonをインストール

# バージョンを指定してpythonをインストール
pyenv install 3.12.1

# デフォルトのpythonの変更
pyenv global 3.12.1

# 確認
python3 -V

必要パッケージのインストール
補足:仮想環境(python-venvなど) を使っても良いようです

# pip のアップデート
python3 -m pip install -U pip

# 必要パッケージのインストール ※ランタイム毎に違う
python3 -m pip install botocore==1.31.72
python3 -m pip install boto3==1.28.72

pip のパッケージをディレクトリにインストール

今回、仮に requests 用のLayerを作成するものとします
先に以下のようなディレクトリ構成にしておきます

~/
+ requests-layer-py312/
  + python/					ディレクトリ名はpythonでないとダメ

公式(ディレクトリ名):


パッケージインストール

# この例でいう requests-layer-py312 を現在地(cwd)にする
cd ~/requests-layer-py312

# -t オプションでディレクトリにインストール
python3 -m pip install \
  --platform manylinux2014_x86_64 \		# --platformは必ず指定する
  --implementation cp \
  --only-binary=:all: \
  -t ./python/ \
  requests                              # 目的のパッケージ

公式:

レイヤーの作成

ここまで来たら簡単です

.zipファイルを作成

まずは.zip アーカイブを作成

# 本ディレクトリをzipアーカイブ(最後ドット=現在ディレクトリ)
zip -r ../requests-layer-py312.zip .		

補足

  • EC2などを使っているときはscpなどを使ってダウンロード
    scp my-ssh-config:/home/ec2-user/requests-layer-py312.zip ~/
  • Cloud9の場合はファイルエキスプローラから右クリックでダウンロード可能

レイヤーの作成

マネージメントコンソールで作業するものとします
Lambda -> ナビゲーションペイン:レイヤー -> レイヤーの作成
-> 作成した .zip ファイルをアップロード

以下、任意で(但し推奨)

  • 「互換性のあるアーキテクチャ」 x86_64にチェック(もちろんx86_64の時)
  • 「互換性のあるランタイム」で任意のPythonバージョンを指定

-> 作成

レイヤーの追加

Lambda -> ナビゲーションペイン:関数 -> 任意の関数を選択 -> 「コード」タブ -> 「レイヤー」セクション(コードソースの下の方)-> レイヤーの追加

レイヤーソースは「カスタムレイヤー」を選択 -> 先ほど作成したレイヤー(とバージョン)を選択

確認

最後に Lambda で動作確認をします

import json
import requests

def lambda_handler(event, context):
    # urlはなんでも良いですが
    res = requests.get('http://httpbin.org/ip')
    return {
        'statusCode': 200,
        'body': json.dumps(res.text)
    }

補足

自作モジュールをLayerに含めたい場合

これは全然難しい事はなく、他のpipモジュール群と一緒にpython ディレクトリに.pyファイルを作成するだけで良いようです

~/
+ requests-layer-py312/
  + python/
    + requests/           # 今回インストールした pip モジュール
    ...                      # 他にもディレクトリなどがあるとする
    + my_custom_module.py    # 自作モジュール

蛇足ですが、下の「Windows での .zip化」問題があり、この事実に気が付くのに時間をかなり取られました...

Windows での .zip化について

Windows のファイルエキスプローラーから「.zipファイルに圧縮をする」を行うとディレクトリ構成が変化してしまう為、上手く Layer が作成できません
(前から思ってましたが、M〇製品にはたびたび奇妙な仕様が見受けられますね...)


【Linux環境で作ったファイルのディレクトリ構成】

requests-layer-py312/
  + python/

↓ Windows環境で.zipファイルを作成すると以下のようになってしまう!!

[ requests-layer-py312.zip ]
requests-layer-py312/
  + requests-layer-py312/
    + python/

対応方法

間抜けな方法しか思いつきませんでしたが、(Windows 環境にあまり明るくない:sweat_smile:
思いついたのは python ディレクトリをアーカイブ化する方法

【Linux環境で作ったファイルのディレクトリ構成】

requests-layer-py312/
  + python/            ← 【これを .zip アーカイブする】


すると以下のようなディレクトリ構成になる事が期待されます

[ python.zip ]
python/
  + python/

なんとも間抜けな方法ですが、動作確認できましたので、これを解決方法としたいと思います。

Amazon Linux 2 での OpenSSL 問題

簡単に言うと、Amazon Linux 2 初期状態では pyenv install 3.11.6 が失敗します
python3.11 のインストールには OpenSSL が必要です

  • 厳密にはpython3.10 以降でOpenSSL 1.1.1以上が必要
    資料:https://peps.python.org/pep-0644/
  • 簡単に言うと openssl11 をインストールすれば良い

対策1

【 Amazon Linux 2023 で pyenv install 3.11.6 を実行してLayerを作成する 】
=>「多分うまく行かんだろうが...」と思ってましたが動作しました:joy:

(Layer関係で最初に読んだ記事に「環境を合わせろ」とありましたが、上述のように Ubuntu でも成功したし、案外何でも良いのでは?様子をみますが)

対策2

【 Amazon Linux 2 に OpenSSL を(再)インストール 】

以下でうまく行きました:

sudo yum remove -y openssl-devel
sudo yum install -y openssl11 openssl11-devel

参考:https://qiita.com/rururu_kenken/items/8c2491b41ff20fa57f20

蛇足:Amazon Linux 2 での最初の一歩でうまく行かなかったので「対策1」を発見した訳ですが、対策2で作成したLayerも上手く動作しました

Linux 環境にWSLを使う場合

Layer 作成に必要な Linux ですが、Windowsの方は WSL でも良いようです。
昔使って使いにくい印象のままでしたが、近年では VSCode の Remote Developmentで使えたり、大分使いやすくなっているようです。(WSLの使用方法は割愛)

ポイント

  • Layer 作成時にEC2インスタンスの料金を払いたくない場合
  • Cloud9の方が遥かに楽ではある(作業工数の削減になる)
  • 以下のパッケージを補う必要がある(ディストリビューションが Debian/Ubuntu の場合)
sudo apt install build-essential libssl-dev libffi-dev liblzma-dev zlib1g-dev 
 bzip2-dev zip

参考資料

公式

主に作成手順

python 3.10をAWS EC2にinstall

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